言われたことしかできない部下には?
働き甲斐を感じながら取り組んで欲しい
Q
入社2年目の社員についてです。
頼んだ仕事はしっかり処理し、時間どおりに仕事をこなして帰っていきます。
定時内で働き、指示したことはできているので、十分と言えばそうなのですが、覇気がなく、それ以上のことをやる気も無さそうで、楽しそうでもありません。
同じ時間を使って働くのであれば、もっと楽しく、働き甲斐を感じながら取り組んで欲しいのですが、どのような職場環境、関わりかたをすれば良いのでしょうか?
会社経営 桜澤 俊之様(仮名)
A
「あの人もそうかもしれない。」「○○くんもそうだなぁ…」などと思い当たる方がいらっしゃるかもしれません。
「働き甲斐のある仕事」「楽しい職場」を作っていくことは経営者としてとても重要なことですよね。
お答えさせていただきます。
① 働き甲斐をとは何か
働き甲斐とはなんでしょう?
それは「自分にも裁量が与えてもらえる(自分が『頑張れば出来る範囲』の裁量)」「意見が通る、言えば反映される」「訊いてもらえる」といったことから生まれます。
こういった働き甲斐の源には「この仕事がやりたい!」「この仕事に賭けてみよう!」というやる気はもちろん、ルーティンワークであっても、「この上司の元でなら!」「この職場の仲間だから!」「会社の雰囲気が好きだから!」といった気持ちがあります。
その気持ちを生み出すために必要なのが【個の達成感】です。
② 経営方針の明示と実行 企業理念を浸透させる
では、【個の達成感】を作るにはどうするのか。
そのために大切なのは従業員に「どういう方向性で進み、どういう企業を目指しているか」ということを示すこと。
絶えず、「企業戦略」「事業計画」を、末端の社員にも公開することは大切です。
例えば、「コピーをとる」といった簡単な仕事も、「このコピーを取るのは、こういう人たちに企画をプレゼンするための企画書が必要だからで、それは将来的にうちの会社がこういったことを狙っているからだ。」と知っていると、やり方が全く違ってきます。
「それなら、こういう順番で並べよう」というように「自分で先まで考えて動くこと」もできるし、ミスも減ります。
そのためには「自分は必要とされ、経営に参加している」と、感じられるよう、開示、伝達が必要です。
③ 意見を反映させる
自分の仕事の先にあるものが見えると、意見が生まれます。
そのときに大切なのは「どうせ言っても無理だ」と思われないこと。それには日頃からある程度の決定権を与えてあげてください。
通常の指示出しも、「これ1週間以内にやって」と、決定事項形式で伝えるのではなく、「これ一週間以内にやってくれたらありがたいのだけど、君なら何日ぐらいでできそう?」という言い方にすると、限られた中ではありますが、「自分で決めた感」を得ることが出来ます。
ちょっとしたことでも、ゆだねる訊き方、話し方をすることで達成感を感じてもらえます。
④ 褒め上手な上司であれ
部下に働き甲斐をもってもらうためには、まず【ご自身が心身共に健やかであること】が大切です。
自分がストレスだらけであれば、自分自身が「私のこと褒めて、私を認めて」という状態になり、他人にまで気が回らない。そういう上司は、偉そうになりがちです。
「俺のプレゼンどうだった?」なんて訊かれたら部下は「よかったです」と言うしかありませんし、相談を受けた時も「その場合、俺だったらな…」と自分の武勇伝になってしまいます。
これでは円滑な部下と上司の関係は生まれない⇒ やる気を失う。
部下の話をじっくり聴いて、自分も、他人も褒めて、認めることを、心がけてみてください。
会社の未来完成図、目指している方向性などをパート、アルバイトさんにも伝え、意見を取り入れる環境を作る。
「個の達成感」を満たせる制度を構築することで、「仕事が楽しい♪」愛社精神が湧き「この会社のためなら!!」と、感じます。
その積み重ねが、結果となり、やる気と成果が出ます。ご参考になれば幸いです。