
いつもコラムをお読みくださり、ありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会 代表理事の山本まさのです。
目標を立てたのに、途中で挫折してしまった…。
そんな経験はありませんか?
多くの人が目標に向かって努力しようとしますが、実際には思うように行動を続けられなかったり、成果が出なかったりすることがあります。その背景には、「目標設定の方法」と、「自分にはできるという感覚=自己効力感」が大きく関係しています。
本コラムでは、心理学の中でも多くの研究が行われている「目標設定理論」と「自己効力感」についてわかりやすく解説し、どうすれば行動を続けられるのか、そして目標を達成できるようになるのかを丁寧にお伝えしていきます。
「やる気が続かない」「自信がない」「目標を立てても実現できない」そんな悩みを抱えるあなたに、
成功する人の思考法と習慣を紹介しながら、今日から実践できるヒントをお届けします!
目標設定理論と自己効力感の関係性
一見、「高すぎる目標」は挫折の原因になりそうですが、
適度に高い目標は、実は自己効力感を育てる重要なきっかけになります。
適度に高い目標が自信を生み出す
それは、人が「成長した実感」を持てるのは、
少し難しい課題をクリアしたときだからです。
- 簡単すぎると → 達成しても特に嬉しくない
- 難しすぎると → 挑戦する気すら起きない
- ちょうど良い挑戦 → 達成時に「自分にもできた!」と強く感じられる
このような“適切な挑戦”こそが、自己効力感の源になります。
成功体験がループを生む
- 高めの目標を設定する
- 努力して達成する
- 「やればできた!」と実感する
- 次の挑戦への自信がつく
このポジティブループが、自分の能力に対する信頼を強め、
より大きな成果を生み出す原動力になります。
高い目標が自分を苦しめるのではなく、
正しく設定し、努力と達成を繰り返すことで、むしろ“自信を育てる”ものになるのです。
成功体験が目標達成の自信になる仕組み
目標達成のプロセスにおいて、成功体験は自己効力感を育てるうえで最も強力な要素です。
では、なぜ成功体験は「できる」という感覚につながるのでしょうか?
行動→成功→自信のサイクル
人は実際に行動し、何らかの成果を得たときに、
「自分にはできる」という感覚=自己効力感が形成されます。
このプロセスは次のような流れで強化されます:
- 小さな行動を起こす
- 達成感を得る(成功体験)
- 自信がつく(自己効力感が高まる)
- 次の目標に前向きになれる
- 再び行動を起こす
この成功体験の積み重ねが、やがて「自分は何でも乗り越えられる」という深い確信へとつながっていきます。
失敗よりも「成功の積み上げ」がカギ
もちろん失敗からも学ぶことはありますが、
自己効力感を育てるうえでは“成功体験”が最も効果的です。
たとえば:
- 1日5分の読書が1週間続いた
- 小さなプレゼンを成功させた
- 朝起きてすぐにストレッチできた
このような身近な成功で十分。
「ちゃんとできた」という実感こそが、次の行動へのエネルギーになります。
自己効力感の育成には、“完璧な成功”ではなく、
小さな成功の積み重ねが大きな自信になることを意識することが大切です。
小さな成功を積み重ねることで、「やればできる」と感じられる好循環が生まれます。
モチベーションとパフォーマンスへの影響
目標設定理論と自己効力感は、どちらも**やる気(モチベーション)や成果(パフォーマンス)**に密接に関わっています。
この2つが高まることで、人の行動は大きく変わります。
自己効力感がモチベーションを支える
「自分にはできる」と思えるかどうかで、やる気の出方はまったく変わります。
- 自己効力感が高い → 「やってみよう」という意欲が湧く
- 自己効力感が低い → 「やっても無駄」と感じて行動しなくなる
つまり、**モチベーションの根本にあるのは“できる感覚”**なのです。
目標設定が方向と集中力を与える
モチベーションがあっても、どこに向かうかが曖昧では行動がブレやすくなります。
目標設定理論は、モチベーションを明確な行動に変換するための“道しるべ”となります。
- 「何を」「いつまでに」「どのくらい」やるのか
- 具体的なゴールがあることで、努力が一点に集中する
結果としてパフォーマンスが向上する
自己効力感が支えるモチベーションと、目標設定による明確な行動指針。
この2つが重なることで、行動の質と量が上がり、最終的に成果も向上するのです。
目標設定理論と自己効力感は単独でも効果的ですが、
組み合わせることで、人の可能性を最大限に引き出す力となります。
適度に高い目標は「少し難しいけど達成できた」という実感を生み、自己効力感を強化します。自己効力感がモチベーションを支え、目標設定が行動を方向づけ、結果としてパフォーマンスが向上します。
目標設定理論とは何か?
目標設定理論の基本的な考え方
目標設定理論(Goal Setting Theory)は、心理学者ロック(Edwin A. Locke)によって提唱された理論で、
「人は明確で挑戦的な目標を持つことで、モチベーションが高まり、成果が上がる」という考え方に基づいています。
明確な目標が行動を導く
「痩せたい」ではなく、「3ヶ月で5kg減らす」など、具体的で測定可能な目標が行動を明確にします。
挑戦的な目標がやる気を引き出す
「少し難しいけれど、達成できそう」な目標が、最も高いモチベーションを生みます。
フィードバックが重要
進捗の確認はやる気の継続に直結します。
なぜ目標が人の行動を変えるのか
目標は、私たちの思考、行動、感情に働きかけ、日常の選択や習慣を変えていきます。
- 意識の焦点が「目標」に向く
- エネルギーと努力を集中できる
- 行動の持続力が高まる
- 自己効力感が育つ
SMARTな目標設定とは
項目 | 意味 | 具体例 |
S:Specific | 具体的である | 週3回ジムに行く |
M:Measurable | 測定可能である | 2ヶ月で3kg減らす |
A:Achievable | 達成可能である | 毎日3kmランニング |
R:Relevant | 関連している | 今の仕事に役立つ資格 |
T:Time-bound | 期限がある | 3ヶ月以内に |
SMARTな目標は、行動を具体化し、自己効力感も高めやすくします。
自己効力感とは何か?
自己効力感の定義と心理学的背景
自己効力感(Self-Efficacy)とは、「自分はこの行動をうまく遂行できる」という自信や確信の感覚です。
心理学者バンデューラによって提唱されました。
自信との違いは「状況に対する実行可能感」にあり、より具体的な能力への確信を意味します。
バンデューラの4つの形成要因
- 達成体験:成功体験の積み重ね
- 代理経験:他人の成功を見る
- 言語的説得:ポジティブな声かけ
- 生理的・情動的状態:ストレスや感情の影響
自己効力感が行動に与える影響
- 挑戦する姿勢が変わる
- 粘り強さと回復力が増す
- 継続力がアップする
- 成果が向上する
自己効力感は、行動そのものを後押しする「メンタルの力」です。
成功する人が実践している思考法と習慣
成功者が意識している目標設定のコツ
- 明確かつ数値化された目標を立てる
- 小さなゴールを分けて設定
- 期限と振り返りを習慣化
自己効力感を高める日常の習慣
- 毎日「できたこと」を書く
- ネガティブ思考を言い換える
- 成功体験を意図的に作る
- ポジティブなセルフトークを使う
ネガティブ思考を変えるセルフトーク術
言葉の力を使って、自己効力感を引き出す:
- 「無理」→「まずは一歩やってみよう」
- 「失敗したらどうしよう」→「やってみなければわからない」
目標達成のために今日からできること
自己効力感を高める簡単なトレーニング
- 1日1つの小さな目標を立てる
- 「できたこと日記」をつける
- 失敗しても責めずに励ます
小さな成功体験の積み重ね方
- 自分基準で成功を認める
- 1日を振り返る習慣を持つ
- 他人と比べず、「昨日の自分」と比べる
継続できる目標設定のコツ
- 小さなステップから始める
- 行動ベースの目標にする
- 進捗を見える化する
- 自分を褒める習慣をつける
まとめ
目標達成には、明確な計画と「自分にもできる」という感覚が欠かせません。
本記事では、目標設定理論と自己効力感の基本から、それを活かすための思考法と行動習慣までをご紹介しました。
自信は、日々の小さな成功から育ちます。
「どうせ無理」と思う前に、まずは1つ、小さな目標を立ててみてください。
きっと、「できる自分」に出会えるはずです。