こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「人材育成は何をすればいいんですか?」
このご質問は、管理職の方から本当によくいただきます。
研修を企画する、面談をする、目標を立てる。どれも間違いではありません。
今回は、現場で明日から実践できる視点を整理しながら、
「部下が伸びる具体策」をお伝えいたします。

人材育成で部下を伸ばすためにやること9選
人材育成は、単なる指導ではありません。部下と本音で向き合い、成長を共に設計していくコミュニケーションの機会です。やることを整理すると、次の9つに集約できます。
1.目的を明確にする
最初にやるべきことは、「何を教えるか」ではなく「なぜ育てるのか」を明確にすることです。組織としてどこを目指しているのか、その中でこの部下にどうなってほしいのかを言語化します。
目的が曖昧なままでは、育成は単なる作業指導になり、部下は“やらされ感”を抱きます。
目的を共有することで、育成は“自分ごと”になります。
2.相手を知る(ヒアリングから始める)
次にやることは、聴くこと・ヒアリングです。ここを抜かしている方が多いように感じます。
上司の視点からの問題点ばかりを見るのではなく、相手が何を必要としているのか?
ここを聴いて、現状把握をしましょう。
「今、困っていることは何か」
「どの業務がやりづらいか」
「半年後どうなっていたら嬉しいか」
この3点を丁寧に聞くだけでも、育成の方向性は見えてきます。部下の知りたいことや挑戦したいことが出てきたら、それを育成テーマに取り込むことが、最短距離の成長につながります。
3.段階を見極める
育成で見落とされがちなのが「段階」です。新人・中堅・ベテランでは、必要な関わり方はまったく異なります。同じ言葉をかけても、刺さる人と不安になる人がいます。
育成とは正しい方法を探すことではなく、正しい順番を見極めることです。今、その部下がどの段階にいるのかを冷静に見ることが、上司の役割です。
4.新人には「基準」と「型」を徹底する
新入社員や新人の場合、まず必要なのは安心です。そのためには、何が正解か、どこまでが基準か、どう動けばいいのかを明確に示します。例えば「報連相は当日中」「提出物は期限前日まで」など、具体的な行動基準を提示します。曖昧な状態で「主体的に動いてほしい」と言われても、不安が増すだけです。新人期は自己肯定感よりもまず“正解の土台”を整える段階です。
5.中堅には「意味」と「問い」を与える
ある程度できるようになった部下には、答えを与えるより問いを投げます。「なぜそれをやるのか」「あなたならどうするか」と問いかけることで、思考力が育ちます。この段階では、意味づけが鍵になります。仕事の背景や目的を共有することで、やらされ感は減り、自走力が高まります。
6.ベテランには「使命」と「影響力」を育てる
ベテラン層は放置されがちですが、実は最も繊細な段階です。成長実感がなくなると、モチベーションは下がります。そこで必要なのは視座を上げることです。「次世代に何を残すか」「あなたの経験をどう活かすか」。個人プレイヤーから組織を動かす存在へと役割を再定義します。ベテランの自己承認力が高まると、若手を育てる力も自然と育ちます。
7.小さな成功体験を設計する
人は「できた」という感覚を持った時に急激に伸びます。しかし、上司はつい、相手の足りない部分や改善点に目が向きがちです。育成を加速させたいのであれば、小さな成功体験を意図的に設計することが必要です。
「昨日より早く終わった」「一人で対応できた」「報連相ができた」など、
小さな前進を見逃さず言語化しましょう。
成功の実感が積み重なることで、自己効力感が育ち、「次もやってみよう」という前向きな循環が生まれます。
8.承認と感謝を具体的に伝える
「よくやったね」だけでは、部下の成長が加速するには不十分。どこが良かったのかを具体的に伝えることが大切です。「資料の構成が分かりやすかった」「期限を守ってくれて助かった」と具体的に言語化すると、部下は自分の強みを理解できます。承認は甘やかしではなく、成長を促すスキルです。日常の当たり前に見える行動にも光を当てることで、部下の自己肯定感は着実に育ちます。
9.信じて任せる
育成の最終ゴールは、自走です。そのためには、どこかのタイミングで任せる決断が必要になります。
過度に口を出さない、失敗しても人格を否定しない、そして任せたら信じる。
この姿勢が、部下の責任感を育てます。上司が不安になるほど、ついコントロールしたくなりますが、信じられた分だけ人は伸びます。任せることは、勇気のいる育成なのです。

育成の質を決めるのは上司の自己承認力
新人にイライラする、中堅に物足りなさを感じる、ベテランに脅威を覚える。
これは部下の問題ではなく、上司の期待と現実のギャップかもしれません。
自己承認力とは「自分を認め、信じて、前に進める力」。上司の自己承認力が整っていると、段階を見極め、待ち、信じることができます。整っていないと、急がせ、責め、コントロールしてしまう…。
育成とは、部下を変えることではなく、関わり方を整えること。つまり、自分も一緒に育てることなのです。
明日からできる一歩
ここまで読んでくださったあなたは、
きっと日々真剣に部下と向き合っている方だと思います。
だからこそ、最後に大きなことではなく、小さな一歩をご提案します。
明日、部下に会ったとき、自分にこんな問いをしてみてください。
「この部下はいま、どんな育成が必要だろう?」
基準・マニュアルを必要としている段階なのか。
自分で考え始めている段階なのか。
それとも、次の役割を求めている段階なのか。
そして、その段階に合わせて、関わり方を一つだけ変えてみましょう。
基準が必要な段階なら、「ここまで十分できている」と安心を言葉にする。
考える力を育てたい段階なら、すぐに答えを出さず「あなたはどう思う?」と問いを渡す。
経験が十分ある段階なら、「この経験をどう活かしていく?」と視座を上げる対話をする。
育成に悩むということは、それだけ真剣に向き合っている証拠です。その姿勢そのものが、すでに価値あるものです。完璧な上司なんていません。
あなたが相手と向き合って
段階を見極めようとすれば、その姿勢は必ず伝わります。
明日、関わり方を一つ変える。
そこから、育成は確実に動き始めます。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)
