いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

自己承認力コンサルタント協会代表理事の山本まさのです。

私たち一般社団法人自己承認力コンサルタント協会では、自己効力感を高めることが「自己承認力Ⓡ」を育むための大切な要素だと考えています。

「自己承認力Ⓡ」とは、「自分を認め、信じて前に進めるチカラ」。このチカラを伸ばすためには、自己肯定感・自己効力感・コミュニケーションスキルの3つをバランスよく育てる必要があります。

このコラムでは、誰でもすぐに取り組める 具体的な7つのスモールステップ をご紹介します。

はじめに

「挑戦したいのに一歩が踏み出せない」「すぐに諦めてしまう」――そんな悩みを抱えたことはありませんか。
心理学では、このような「行動できるかどうか」に大きく関わる心の力を 自己効力感(Self-Efficacy) と呼びます。

自己効力感とは、「自分ならできる」と信じられる感覚のこと。この感覚が強ければ、困難な課題にも前向きに取り組み、失敗しても粘り強く挑戦できます。逆に自己効力感が低いと、「どうせ自分には無理」と諦めてしまい、行動する前から成長のチャンスを逃してしまいます。

では、どうすれば自己効力感を高められるのでしょうか?
答えはシンプルです。小さな成功体験を積み重ねること。それを可能にするのが「スモールステップ」です。

すぐできる!自己効力感の具体的スモールステップ7選

ステップ1. 1日1つ「できたこと」を書き出す

日々の生活の中で「できたこと」を見逃さず、言葉にして残す習慣をつけましょう。
たとえば、「朝起きられた」「資料を1枚作成した」「散歩できた」など、本当に小さなことで構いません。

例:「朝起きられた」「資料を1枚作成した」「散歩できた」など。

当協会では「できたこと日記」というワークを推奨しています。毎日1つでも「できた」を記録すると、自己効力感がじわじわと高まります。

ステップ2. ゴールを細分化する(マイクロゴール設定)

「本を1冊読む」という目標は大きすぎて挫折しやすいですが、「今日は1ページ読む」とすれば達成可能です。
このようにゴールを細分化して「マイクロゴール」にすれば、成功体験を積みやすくなります。

特に新しい習慣を身につけたいときには効果的です。

ステップ3. 成功体験を言語化・人に伝える

達成できたことは、ただ心の中に留めるのではなく、人に話してみましょう。
「今日はこんなことができたんだ」と伝えると、相手からの承認が加わり、達成感がさらに強化されます。

自己効力感は他者との関わりの中でも育ちます。家庭や職場でシェアしてみましょう。

ステップ4. ロールモデルの行動を真似する

バンデューラは「モデリング(観察学習)」が自己効力感を高めると述べています。
「あの人のやり方なら真似できそう」と思える身近な人を観察し、小さな行動を取り入れてみましょう。

「できる人」の行動を模倣するだけでも、自分の行動のハードルが下がります。

ステップ5. 小さなチャレンジを記録して振り返る

挑戦したことは、成功・失敗にかかわらず記録しましょう。
「発表に手を挙げられた」「メールを一通送れた」など、小さな行動を振り返ることが大切です。

たとえ結果が思わしくなくても、「挑戦した」という事実自体が自己効力感を育みます。

ステップ6. ポジティブフィードバックを取り入れる

自分を褒めるのが苦手な人も多いですが、「ここまでできた」と認めることが重要です。
また、周囲の人に「よかったよ」「成長してるね」とフィードバックをもらうことで、さらに強化されます。

教育現場でも「ポジティブフィードバック」は子どもの自己効力感を高める有効な方法として注目されています。

ステップ7. 不安を分解して“次の一歩”に変える

「失敗したらどうしよう」という不安は、誰もが感じるものです。
そのときは、不安を小さな行動に分解してみましょう。
例:

  • 「会議で発言できるかな?」 → 「まずは資料を手元に置く」
  • 「マラソンを完走できるかな?」 → 「今日は5分だけ走る」

大きな不安を小さな一歩に変えることで、「できる感覚」を得られます。

自己効力感とは?(基礎知識)

心理学者アルバート・バンデューラが提唱した自己効力感は、単なる「自信」とは少し違います。
「自信」は漠然とした感覚ですが、自己効力感は ある特定の課題に対して“できる”と思えるかどうか に焦点を当てています。

たとえば、

  • 人前で発表できるか
  • 英語で自己紹介できるか
  • 新しい企画を会社で提案できるか

といった、具体的な場面に対する「自分ならやれる」という信念です。

研究でも、自己効力感が高い人は

  • 挑戦的な目標を設定しやすい
  • 困難に直面しても粘り強い
  • 成果をあげやすい

という傾向が明らかになっています。

当協会(一般社団法人 自己承認力コンサルタント協会)では、自己効力感を「自己承認力Ⓡ」の3つの柱(自己肯定感・自己効力感・スキル)のひとつとして大切にしています。

自己効力感を高める鍵は「スモールステップ」

では、なぜスモールステップが重要なのでしょうか。
理由は、人の脳は「できた!」という体験を報酬として認識し、自己効力感を強めるからです。

大きな目標に一気に挑戦すると、失敗したときに挫折感が強く残ります。
しかし、小さな目標を達成すれば、「よし、できた!」という実感が積み重なり、やがて大きな自信へと育っていきます。

教育現場やスポーツ指導、ビジネス研修でも「段階的に達成できる課題を設定する」ことが自己効力感を育てる基本原則とされています。

まとめ

自己効力感は生まれつきの才能ではなく、日々の積み重ねで高められるものです。
「小さな成功体験」を意識的に積むことで、やがて大きな挑戦にも自信を持って臨めるようになります。

今回ご紹介した 7つのスモールステップ は、どれも特別な準備を必要とせず、今日から始められるものばかりです。
大切なのは、完璧を目指すことではなく「一歩ずつ積み重ねること」。

当協会の「自己承認力Ⓡ」プログラムでも、自己肯定感・自己効力感・スキルを同時に伸ばす実践を行っています。
ぜひ、この記事をきっかけに「小さな一歩」を踏み出してみてください。