いつもコラムをお読みくださり、ありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会 代表理事の山本まさのです。

「なんで私はこんなにダメなんだろう…」
そう思ったことはありませんか?

誰かに認めてもらいたい、でもなかなか満たされない。
そんな時こそ大切なのが「自己承認」です。

自己承認とは、自分自身の気持ちや存在を自分で認めること。
他人の評価ではなく、「自分が自分を認める」ことから始まります。

このコラムでは、自分を受け入れるための5つのステップをわかりやすく紹介します。

読むことで、少しずつ心が軽くなり、
「今の自分でもいいんだ」と思えるヒントが見つかるはずです。

自己承認の5つのステップ

ステップ1:自分の感情を否定しない

自己承認の第一歩は、「どんな感情も感じていい」と認めることです。
怒り、悲しみ、不安、嫉妬…ネガティブな感情ほど「感じてはいけない」と思ってしまいがちですが、感情に良い悪いはありません。

感情を無視すると、心にフタをすることになる

「こんなことで怒るなんて子どもみたい」
「落ち込んでいる場合じゃない」
こうして自分の感情を否定してしまうと、本音を感じられなくなり、心が麻痺してしまいます。

たとえば痛み止めを飲み続けると、どこが悪いのか分からなくなるように、感情を押し殺していると本当の自分の声を見失ってしまうのです。

感情はあなたからのサイン

どんな感情も「今、自分はこう感じているんだな」というサインにすぎません。
否定せず、まずは受け止めてあげることで、心に安心感が生まれます。

ポイントは、自分にこう語りかけることです:

  • 「そんなふうに感じるのも無理ないよね」
  • 「そう思ったんだね、わかったよ」
  • 「大丈夫、そのままでいいよ」

感情を否定しないことは、自分を大切に扱うということ。
自己承認の最初のステップとして、今日から意識してみましょう。

ステップ2:小さな成功を認める

自己承認を深めていくうえで大切なのは、「小さな成功」に目を向け、それをちゃんと認めることです。
多くの人は、目立つ成果や大きな達成ばかりを評価しがちですが、日常の中にはもっとたくさんの“がんばり”が隠れています。

「できたこと探し」が心を育てる

たとえば、こんなことでも立派な成功です。

  • 朝起きて身支度を整えた
  • 苦手な人ときちんと話せた
  • 面倒なタスクに手をつけられた
  • 無理せず休む選択ができた

こうした小さな一歩を「できた自分」として認識することで、自信の土台ができていきます。

自分で自分を褒める習慣を

他人に褒められるのを待つのではなく、「今日の自分、よくやった!」と自分で自分を認める習慣を持ちましょう。

毎日寝る前に「今日の小さな成功3つ」をノートに書くだけでも、自己承認力は着実に育っていきます。

“すごいこと”をしなくても、あなたは十分にがんばっています。
そのことを、自分自身がいちばん理解してあげることが、自己承認のステップです。フォームの始まり

ステップ3:失敗も経験として受け止める

自己承認を妨げる大きな原因のひとつが、「失敗=ダメなこと」という思い込みです。
でも実は、失敗は「成長のために必要な経験」にすぎません。

むしろ、失敗をどう受け止めるかが、自分との向き合い方に大きな差を生みます。

「うまくいかなかった=無価値」ではない

何かに挑戦してうまくいかなかったとき、「自分には才能がない」「努力が足りなかった」と責めてしまう人は多いです。
ですが、挑戦したこと自体がすでに一歩。
失敗も含めて、すべては「前に進んだ証拠」です。

自分にこう声をかけてみよう

失敗したときは、自分に対してこんな言葉をかけてみてください。

  • 「よくやった。チャレンジできたことがすごい」
  • 「これは経験として必ず活きる」
  • 「失敗は成長の途中で起こる自然なこと」

このように受け止めることで、失敗への恐れがやわらぎ、次の行動につなげやすくなります。

自己承認とは、成功したときだけの話ではありません。
失敗したときこそ、自分を認め、優しくすることが、本当の意味で自分を大切にすることなのです。

ステップ4:ネガティブな声を受け流す

自己承認を高めるうえで避けて通れないのが、「心の中のネガティブな声」との向き合い方です。
「どうせ自分には無理だ」「また失敗するに決まってる」――そんな言葉が、ふとしたときに頭の中に浮かんできませんか?

これらは「内なる批判者(インナークリティック)」と呼ばれ、多くの人が無意識に持っている心のクセです。

ネガティブな声=あなた自身ではない

大切なのは、「その声=自分の本心」ではないと知ること。
過去の経験や他人からの言葉が無意識に染みついて、そう語っているだけかもしれません。

まずはその声に対して、「そう考えてしまうのも無理ないな」と一歩引いて受け止めましょう。

受け流すコツは“反論”ではなく“距離を取る”こと

ネガティブな声と戦おうとすると、逆に強く意識してしまうことがあります。
おすすめは、あえて反応せず、こう言い返すイメージです:

  • 「今はそう思ってるんだね」
  • 「またその声が出てきたね。OK、聞いてるよ」
  • 「でも今は自分を信じてみたい」

このように軽く受け流すことで、心に余白が生まれ、自己承認のスペースが広がります。

ネガティブな声は消そうとせず、“そっと横に置いておく”ような感覚で。
それだけで、心がぐっと軽くなります。

ステップ5:自分自身に優しい言葉をかける

自己承認の最後のステップは、「自分自身に優しい言葉をかけること」です。
普段、私たちは人には優しくできても、自分に対してはとても厳しくなりがちです。

「なんでできないんだ」「またミスしてる」――
こうした言葉を無意識に自分に浴びせていませんか?

言葉は心の栄養になる

言葉は思っている以上に、心に大きな影響を与えます。
厳しい言葉をかけ続ければ、心は萎縮し、自己承認ができなくなります。
逆に、優しい言葉をかければ、心はほぐれ、安心感が生まれます。

たとえば、こんな言葉を自分にかけてみましょう。

  • 「今日もよくがんばったね」
  • 「うまくいかなくても、ちゃんと向き合えた」
  • 「大丈夫、少しずつでいいよ」
  • 「そのままのあなたで、価値があるよ」

自分にかける言葉を意識しよう

最初は少し照れくさく感じるかもしれませんが、毎日1回でも意識して続けることで、
自分との関係が少しずつ優しく、あたたかいものに変わっていきます。

自分を大切にする言葉を、自分自身に届けてあげましょう。
それが、自己承認の完成を後押しする最後の鍵です。

自己承認を習慣にするコツ

日記を書くことで自分を振り返る

自己承認を日常に取り入れるうえで、もっとも手軽で効果的なのが「日記を書くこと」です。
紙に書くという行為は、頭の中を整理し、感情を言葉にすることで自分自身を客観的に見つめ直すチャンスになります。

書くことで気づく「本当の気持ち」

日記を書くと、自分でも気づいていなかった気持ちや、頑張っていたことに気づけることがあります。

  • 「今日は疲れてたけど、最後までやりきれた」
  • 「本当はもっと甘えたかったんだ」
  • 「この出来事、思ったよりも自分に影響していたんだな」

こうした気づきが、自分を理解し、受け入れるきっかけになります。

続けやすい日記のコツ

毎日書くのが難しい場合は、短時間・短文でもOKです。
以下のような形式もおすすめです。

  • 今日の気分は?(〇〇だった)
  • 今日できたこと1つ
  • 自分にかけてあげたい言葉

たったこれだけでも、十分に自己承認のトレーニングになります。

日記は“心の鏡”です。
書き続けることで、自分の内面と少しずつ向き合えるようになり、自己承認の感覚が自然と育っていきます。

朝晩のルーティンで自己対話

自己承認を習慣化するためには、1日の始まりと終わりに「自分と向き合う時間」をつくることが効果的です。
特に朝と夜のルーティンに“自己対話”の時間を組み込むことで、日々の心のコンディションを整えやすくなります。

朝の自己対話:1日のスタートに安心感を

朝は、「今日の自分にひとこと声をかける」時間をとってみましょう。

  • 「今日はこんな気分だな」
  • 「自分らしく、無理せずいこう」
  • 「できることを、できるだけで大丈夫」

たった一言でも、自分の内側とつながることで、余裕を持って1日を始められます。

夜の自己対話:1日をねぎらい、振り返る

夜は、「今日の自分を受け止める」ことに集中しましょう。

  • 「今日も1日、よく頑張ったね」
  • 「つらかったけど、ちゃんと耐えたね」
  • 「できなかったこともあるけど、大丈夫」

こうした言葉が、眠る前の心を安心させ、次の日への活力につながります。

朝晩のルーティンは、“心のセルフケア”の時間です。
忙しい日々の中でも、自分を認める小さな習慣を持つことで、自己承認が自然と深まっていきます。

無理せず続けるためのポイント

自己承認は「続けること」が大切ですが、完璧を求めすぎると長続きしません。
むしろ「ゆるく・気軽に・心地よく」取り組むことで、自然と習慣化されていきます。

1. 頑張りすぎないことを目標にする

「毎日絶対にやらなきゃ」と気負ってしまうと、できなかったときに自己否定につながってしまいます。
あえて「できたらラッキー」「3日に1回でもOK」くらいの気持ちで始めましょう。

2. 自分に合った方法を見つける

自己承認の方法は人それぞれ。
日記を書くのが好きな人もいれば、声に出して言うほうがしっくりくる人もいます。

たとえばこんな方法もOK:

  • スマホのメモに「できたこと」を記録する
  • お風呂の中で「今日もおつかれさま」とつぶやく
  • 目を閉じて深呼吸しながら、自分をイメージしてねぎらう

「これなら続けられそう」と思えるスタイルを選びましょう。

3. 完璧じゃなくていいと自分を許す

毎日自己承認できなくてもOKです。
「今日はできなかったな」と気づけただけでも、それは立派な“自分との対話”です。

自己承認は“やらなきゃいけない義務”ではなく、“自分を大切にする時間”です。
肩の力を抜いて、少しずつ取り入れていきましょう。

自己承認がもたらす変化

人間関係が楽になる理由

自己承認ができるようになると、人との関わり方にも大きな変化が現れます。
そのひとつが「人間関係のストレスが減る」ことです。

他人の目を気にしすぎなくなる

自己承認ができていないとき、人は無意識に「他人にどう見られているか」「嫌われていないか」を気にしすぎてしまいます。
でも、自分で自分を認められるようになると、他人からの評価に一喜一憂しなくなります。

たとえば:

  • 無理に人に合わせようとしなくなる
  • 嫌なことを断れるようになる
  • 自分の意見を言いやすくなる

このように、自分軸で行動できるようになり、人付き合いが自然と楽になっていきます。

「自分を大切にする」と「他人も大切にできる」

自己承認は、自分を尊重すること。
それができると、相手にも自然と敬意を払えるようになります。

「自分が無理していたとき、しんどかったな」と知っているからこそ、相手にも優しくなれるのです。

人間関係の悩みの多くは、「自分をどう扱っているか」にも関係しています。
まずは自分を大切にすることが、良好な関係づくりの第一歩なのです。

自分に自信が持てるようになる

自己承認を続けていくと、少しずつ「自分に対する信頼感」が芽生えてきます。
それは、外から与えられる“根拠のある自信”ではなく、「自分のままでいい」と思える“根拠のいらない自信”です。

「できる自分」ではなく「どんな自分もOK」

これまでの自信は、「結果を出せたから自信が持てる」「成功したから自分に価値がある」というように、条件つきだったかもしれません。

でも自己承認が進むと、たとえ失敗しても、迷っても、「それでも私は私」と思えるようになります。

この“無条件の自信”こそが、安定した自己肯定感の土台になります。

少しずつ、自分を信じる練習を

急に自信が持てるようになるわけではありません。
でも、こんな小さな積み重ねが自信を育てます。

  • 「今日も自分らしく過ごせた」
  • 「無理せず、自分のペースを守れた」
  • 「イヤな気持ちもちゃんと受け止められた」

こうした日々の自己承認が、やがて「私は大丈夫」という感覚を生み出していくのです。

自己承認によって育まれるのは、誰かと比べる必要のない“揺るがない自信”。
それは、あなたの人生をしなやかに支えてくれる強さになります。

心が安定し、前向きに生きられる

自己承認が習慣になると、心の土台がしっかりと整い、日々の生活に“安定感”が生まれてきます。
ちょっとしたことで揺れ動かなくなり、「自分は自分で大丈夫」という安心感が自然と根づいていきます。

感情の波に飲まれにくくなる

誰でも、不安になったり落ち込んだりすることはあります。
でも自己承認ができている人は、そうしたネガティブな感情に気づいても、「それも自分」と受け止め、冷静に対処できます。

  • 焦っても「大丈夫」と自分に声をかけられる
  • 落ち込んでも「また立ち上がればいい」と思える
  • 不安でも「それを感じてる今の自分もOK」と認められる

こうして心の浮き沈みに振り回されにくくなることで、全体的に穏やかで前向きな姿勢を保てるようになります。

「今ここ」を生きられるようになる

過去を悔やんだり、未来を心配したりするのは、人の常です。
でも、自分をしっかり承認できていると、「今の自分」に意識が向くようになります。

「今、この瞬間、自分はどう感じてる?」「何を大切にしたい?」
そんな問いかけを通じて、自分の人生を自分のものとして歩めるようになるのです。

自己承認は、心の揺れを抑える“アンカー(錨)”のようなもの。
それがあることで、どんな状況でも前向きに進む力を取り戻すことができます。

まとめ:自己承認のやり方とは?自分を受け入れる5つのステップ

この記事では、「自己承認のやり方」について、基本から実践まで丁寧にご紹介しました。
改めて、ポイントを振り返ってみましょう。

自己承認の5つのステップ

  1. 自分の感情を否定しない
  2. 小さな成功を認める
  3. 失敗も経験として受け止める
  4. ネガティブな声を受け流す
  5. 自分自身に優しい言葉をかける

これらのステップを、ひとつずつ、無理のないペースで進めていくことが大切です。

自己承認を習慣にするコツ

  • 日記やメモで自分を振り返る時間をもつ
  • 朝晩のルーティンに自己対話を組み込む
  • 完璧を求めず、「自分に合うやり方」で続ける

自己承認がもたらす変化

  • 他人の目に振り回されず、人間関係が楽になる
  • 無条件で自分を信じられるようになる
  • 心が安定し、今この瞬間を前向きに生きられる

最後に

自己承認は、何か特別なことをする必要はありません。
小さな気づきや、自分にかけるひと言が、心に深く効いてきます。

「自分はこれでいい」
そう思える日が少しずつ増えるように、できることから始めてみましょう。