こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「部下とどう接したらいいかわからない」
「この関わり方、間違っていないだろうか…」

そんな不安を感じながら、日々葛藤している管理職の方は多いのではないでしょうか。

どんな場所でも人との出会いは「ご縁」
接しにくい部下でも、ついイラッとしてしまう相手でも
「いま、関わる価値があるから、あなたの前に現れた」
そう捉えてみることも大事かなと思います。

上司としてのスキルを磨くことはもちろん大事ですが、
何より先に必要なのは、“相手と向き合う覚悟を決めること”ではないでしょうか。

今回は、そんな本気の関わりをする管理職の部下との接し方7選 をお届けします。


1.小さな変化を見逃さずに伝える

信頼関係は、「相手をよく見ること」から始まります。
部下がいつも通りに出社し、いつも通りに業務をこなしている…
それがあなたの中で「当たり前」になってしまっていませんか?

「今日も丁寧にやってくれているな」
「この前より少し動きが早くなったな」
そんな小さな変化に気づき、伝えるだけで、部下は“見てもらえている”と感じられます。

声をかける余裕がない日も、アイコンタクトやうなずき、表情やアクションで伝えられます。
上司時代、私はよくアイコンタクトをして、「グッドサイン」や「手を小さく振る」などのサインを送るように心がけていました。ちょっとした時間でもコミュニケーションはとれます。
“見ているよ”と伝えることは、信頼の第一歩です。


2.表情や声は、相手のトーンに合わせる

声が小さい部下には、静かにゆっくりと語り掛ける。
元気な部下には、明るくハキハキと話す。

自分が話しかける雰囲気やトーンは、「相手によって変える」
これだけで不思議なほど心の距離が縮まります。

心理学では「ペーシング」と言われる手法です。
相手のテンポ・表情・雰囲気を尊重することで、安心感が生まれるスキルです。

「もう少し大きい声で話せよ!」「テンション高すぎるだろう…」
さまざまな個性を持つ部下に対して、ついついコントロールしようとしていませんか。
上司が変幻自在に変わる、このスキルを身につけていきましょう。


3.感情より「目的・理由」を伝える

部下のミスにイラッとしたとき、自分の感情のままに注意してしまうことはありませんか。
残念ながら、それでは指導の効果は薄いです。
伝えるべきは、あなたの感情ではなくて「何が大事か」という“目的・理由”です。

たとえば、
「なんで資料の誤字が多いんだ!確認しろって言ったよな!」と怒鳴る上司。
「資料の誤字が3箇所あったから、ダブルチェックを必ずしよう。誤字が多いと資料の内容も信頼がなくなるんだよ」

「怒られた」と落ち込むよりも、「なるほど、これが大事なんだ」と学ぶことが部下の成長につながります。


4.関わりが難しい部下にこそ、気を配る

態度が悪い、返事をしない、指示を無視する…
そんな部下と接していると、誰だって疲弊しますよね。

しかし、そんな「関わりにくい部下」ほど何かを抱えているものです。
心を閉ざしているのか、傷ついているのか、不安なのか、孤立しているのか。

「一番関わりたくない」と感じる部下こそ、上司が最優先で関わるべき相手です。
その部下との関係性を築けたとき、チームは一気に変わります。

自分の過去を振り返ると、上司にとって「本当に面倒くさい部下」だったと思います。
入社して数日で「辞めたい」と言い出したり、本音を言えずに溜め込んで泣き出す、パートさんにいじめられて落ち込む、メンタル病んで体調を崩す…
私のメンタル管理やコミュニケーションの下手さで、上司にはかなり迷惑をかけました。
当時、優しく寄り添ってくださった全上司に感謝です。

5.「見せ方」で安心感をつくる

あなたは、部下と会話をするときに「自分をどう見せていますか?」

同じ「ありがとう」でも、にこやかに言うか、無表情で言うか
目を合わせるか、合わせないかで、伝わり方は天と地ほど違います。

表情はいかがですか?服装や態度はいかがでしょうか?
眉間にしわを寄せながら、指導をしていませんか。
腕を組みながら、注意をしていませんか。

部下は常に、上司を見ているものです。見た目を意識するだけで、安心感と親しみが生まれます。


6.「今の部下の状態」を一度受け止める

結果を出さない部下はダメですか?ミスをする部下は認めませんか?

最初から上司が望む結果を出せる完璧な部下でしたら、部下育成はいりません。
育成をはじめるときには、「今の部下の状態がスタート地点」
そう考えて、少しずつ進めでいきましょう。

上司の感覚としては、「一度教えたらできるだろう」
しかし、自分が教わる立場になれば、そうでないことがわかるはずです。

上司の一方的な期待や焦りを押しつけるのではなく、
「この状態を一度認める」ことが、次の一歩を踏み出す“踏み台”になります。


7.日常のやりとりで「信頼」を重ねていく

上司部下になったからといって、いきなり信頼関係を築けるものではありません。

挨拶をする、感謝を伝える、声をかける、話を聴く、自分のことを伝える。
時間を守る、締切りを守る、約束を守る。嘘、悪口、愚痴、陰口を言わない。
自分が間違っていたら、潔く素直に謝る。いつもご機嫌に振る舞う。


子どもの頃に習うようなことばかりですが、人として大事なことです。
普段からこの「信頼」の積み重ねる行動をしていると、
少し感情的になって怒鳴ったくらいでは関係は崩れません。

部下との関係に不安があるときは、
「何気ない日常で自分がどんな言動をしているか」
振り返る良い機会なのかもしれません。

おわりに:部下への接し方の土台は“覚悟”である

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した7つの接し方は、決して難しいテクニックではありません。
重要なのは、その根っこには「自分が部下にどう関わるか」という“覚悟”があることです。

覚悟を決めるには、上司の【自己承認力】が土台。

相手の個性がどうであれ、背景がどうであれ、あなたの部下です。
どう育てるか、そこに価値を見出すのが「育てる側の器」なのかもしれません。

「本気で育てる覚悟」「信じ続ける姿勢」

他者との関係は、自分自身との関係です。
自分を認め、信じて、前に進むことができれば、他者との関係も変わってきます。

コミュニケーションが苦手で、人と関わるのが怖かった私が
今は部下育成を伝える立場にいます。

「もう無理かも…」と感じたときほど、信頼を築くチャンス。
それは部下の成長だけでなく、あなた自身の成長にもつながっています。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)