いつもコラムをお読みくださり、ありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会 代表理事の山本まさのです。
私が担当するコラムでは、「自己承認力Ⓡ」に関する項目を中心に皆様の疑問や質問を分かりやすくお伝えしています
「自己承認」と「自己実現」、どちらも人間の成長において重要な概念です。
このコラムでは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「欲求5段階説」をもとに、自己承認と自己実現の違いを明確にし、自己承認力を高める方法についてもお伝えします。

自己承認と自己実現のちがいとは?
自己承認とは?
自己承認とは、他者からの評価や承認を求めるのではなく、自分で自分を認めることを指します。
具体例: 例えば、仕事で上司に褒められなかったとしても、「自分はベストを尽くした」と思える人は自己承認力が高いと言えます。一方、上司の評価がなければ「自分は価値がない」と感じてしまう場合、自己承認力が低い状態です。
自己承認力が高い人は、他者の評価に依存せず、自分自身を肯定し、困難な状況でも前向きに行動できます。一方、自己承認力が低いと、周囲の評価に振り回され、自信を失いやすくなります。
自己実現とは?
自己実現とは、「自分の持つ能力や可能性を最大限に発揮すること」を意味します。自己実現に至るためには、自己承認が十分にできていることが前提となります。
具体例: スポーツ選手が自己実現を果たすには、まず「自分にはできる」という自己承認が必要です。もし「自分は才能がない」と思い込んでしまえば、練習へのモチベーションが下がり、自己実現に至ることは難しくなります。
自己承認ができていない状態では、「自分には無理だ」「評価されなければ価値がない」といった考えが足かせとなり、本来の能力を発揮することが難しくなります。自己承認ができることで、自分の可能性を信じ、挑戦を続けることができるようになります。
自己承認と自己実現の違い
項目 | 自己承認 | 自己実現 |
定義 | 自分を認め、信じること | 自分の可能性を最大限に発揮すること |
マズローの階層 | 承認欲求の一部 | 自己実現欲求 |
他者との関係 | 他者の評価に依存せず、自分自身を受け入れる | 社会に貢献しながら自分の理想を追求する |
結果 | 精神的安定、ストレスの軽減 | 充実感、自己達成感 |
マズローの欲求5段階説で解説
アメリカの心理学者 アブラハム・マズロー は、人間の欲求を5つの階層に分類し、低い階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を求めるという理論を提唱しました。これは 「欲求階層説」 と呼ばれ、モチベーションや自己実現に関する心理学の基礎理論のひとつです。

人間の欲求を5つの階層に分類
欲求はピラミッド型に構成されており、下から順に満たされることで上位の欲求が芽生えるとされています。
生理的欲求
生命維持のために必要な基本的な欲求
- 食事、水、睡眠、空気、排泄、性欲など
- これらが満たされないと、人間はそれ以外のことを考える余裕がない
➡ 例:「お腹がすいていると、勉強や仕事に集中できない」
安全・安定欲求
身の安全を確保し、安心して生きるための欲求
- 身体的な安全(災害や事故、戦争の回避)
- 経済的な安全(安定した収入や職業)
- 健康の維持(病気やケガの予防)
- 住居の確保(安心できる家に住む)
➡ 例:「収入が安定しないと、将来が不安で落ち着かない」
帰属・社会的欲求
他者とつながり、愛情を求める欲求
- 家族や友人との関係
- 仲間やコミュニティへの所属
- 孤独を避け、愛されたいという気持ち
➡ 例:「友人や家族との関係が良好でないと、寂しさや不安を感じる」
承認・尊厳欲求
他者から認められたい、自信を持ちたいという欲求
- 他人から尊敬されたい(名誉、地位、賞賛)
- 自己評価を高めたい(達成感、自己効力感)
- 自信を持ちたい
➡ 例:「仕事で成果を出し、周囲から評価されると自信がつく」
➡ 承認欲求は2種類に分かれる
- 他人からの評価や賞賛を求める
- 自己評価を重視し、自分自身を認める
自己実現欲求
自分の能力や可能性を最大限に発揮し、理想の自己になることを目指す欲求
- 自分の夢や目標を達成する
- クリエイティブな活動に取り組む
- 人生の意味や使命を見出す
➡ 例:「好きな仕事を追求し、社会に貢献できると充実感を得られる」
「マズローの欲求5段階説」の重要なポイント
下位の欲求が満たされると、上位の欲求が強くなる
- 例えば、食べ物や住む場所が確保できたら、次に社会的なつながりや承認を求めるようになる。
必ずしも順番通りではない
- 人によっては「社会的欲求」よりも「自己実現の欲求」が先に強くなることもある。
- 例えば、芸術家が極貧の状態でも創作活動に没頭する場合など。
現代では6段階目「自己超越の欲求」も提唱されている
- マズローの晩年には、「自己実現のさらに上に、他者や社会のために貢献する欲求」があるとされる。
- 例:「社会貢献」「精神的な成長」「無私の愛」
マズローの欲求5段階説は、人間のモチベーションを理解する上で非常に有用な理論です。ただし、必ずしも順番通りに進むわけではなく、個人の価値観や状況によって異なることもあります。現代の社会では、「自己超越の欲求」まで含めて考えると、より深い理解につながります。
「今の自分はどの欲求が強いのか?」を考えることで、より充実した人生を送るヒントになるかもしれません。
自己承認力を高める方法

「自己承認力Ⓡ」とは
「自己承認力Ⓡ」とは、「自分を認め、信じて前に進めるチカラ」
自己承認力が身につくと、自分に対して厳しい批判をしたり、
他者の期待に過度に振り回されることがなくなります。
自分に自信が持てなかったり、誰かと比べてストレスを感じている方は、
自己承認力が低いから物事がうまく行きにくいのかもしれません。
自己承認力を高めることで、次の一歩を踏み出す勇気が生まれ、自ずと結果がついてきます。
※「自己承認力」は、当協会の登録商標です。定義やトレーニング方法については、当協会の認定講師・カウンセラー・アドバイザーから学んでいただくことを推奨しております。他サイトや情報について、当協会は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
自己承認力を高める方法
- 自分を労う
- 「今日も頑張った」「自分なりにやれた」と、自分に対してねぎらいの言葉をかける。
- 褒めるポイントを見つける
- どんな小さなことでも「自分なりにできたこと」を認識し、肯定する。
- 自己対話を大切にする
- 「自分はどう感じているか?」「本当にやりたいことは何か?」を意識的に考える。
- 寝る前にポジティブなことを3つ書く
- その日にあった良かったことを振り返り、ポジティブな感情を増やす。
具体例: 例えば、「今日は仕事でミスをしたが、最後まで責任を持って対応できた」と記録することで、自己承認につながります。
まとめ
自己承認と自己実現は、マズローの欲求5段階説において異なる段階の概念ですが、自己承認がなければ自己実現には至れません。自己承認力を高めることで、他者の評価に左右されず、自分の可能性を信じて行動する力が育まれます。そして、その延長線上に自己実現があるのです。
心理学では「自己効力感」という概念があり、「自分はやれる」という信念が高い人ほど自己実現しやすいことが知られています。自己承認力Ⓡを高めることで、自己効力感も強化され、結果としてより大きな目標達成につながります。 自分を認めることから始め、一歩ずつ理想の自分に近づいていきます。
自分を認めることから始め、一歩ずつ理想の自分に近づいていきましょう。