こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「リーダーシップを発揮したいのに、思うようにできない」
そんな葛藤を抱えている方…
部下の前でうまく言葉が出なかったり、いざ行動しようとすると自信がなくなったり。
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
過去に私自身も、「上司だから頑張らなきゃ」と、気持ちだけが先走り、空回りしていた時期がありました。結果が出ずに焦るほど、誰もついて来ない…あの時期はとても辛かったです。自分の理想の上司像を追いかけて、頑張るほどにチームとの距離が広がっていきました。
心身ともに疲弊していた私が、少しずつ学んで気がついたのは、「良いチームを作るには、リーダー自身が心を整えること」。そこから、リーダーとしての私の在り方が少しずつ変わり始めました。
今回は、リーダーシップを発揮するための土台となる「心を整えるカギ」をご紹介いたします。

なぜリーダーシップが発揮できないのか?
私たちは、成果を求められる立場であればあるほど、
「やらなければ」「結果を出さなければ」と自分を追い込みがちです。
しかし、どんなに時間と労力を使っても
うまくいかない時期に共通しているのは、“心が整っていないこと”なのです。
具体的には、こんな3つの状態が重なっていることが多いです。
- 自分へのダメ出しが止まらない(自己否定)
「自分なんて」「またミスした」と自分を責める思考が続くと、
行動のエネルギーがどんどん削られていきます。 - 失敗を恐れて動けない(完璧主義)
「上司だから失敗できない」という気持ちが強すぎると、
挑戦よりも“無難さ”を選びがちになります。 - 一人で抱え込んでしまう(自己犠牲)
「自分がやらなければ」と背負い込み、
相談も頼ることもできなくなってしまう。
「自己否定・完璧主義・自己犠牲」
どれも真面目で責任感の強い人ほど陥りやすい傾向にあります。
心が不安定になることで、長所が短所として現れることもあるのです。
ここからは、ご自身の長所を十分に活かしながら、
心を整えていくことで、「成果につながる行動に変えるための5つの鍵」をご紹介いたします。
① 自分をねぎらう : 心に余白をつくる
リーダーの頭の中には、いつも「誰か」がいます。
お客様のために、取引先様のために、仲間のために、会社のために。
日々誰かのために動いているからこそ、自分を責めやすいのです。
「もっと頑張らなきゃ」「これくらいで満足してはいけない」「迷惑をかけられない」
そんな思考が続くと、知らず知らずのうちに心がすり減っていきます。
私は役職がつきたての20代の頃、多少体調が悪くても「自分が抜けるとみんなが困るから」と思い、ごまかしながら働くのが日常化していました。自己犠牲ですね…。
しかし、そんな無理はいつまでも続きません。
ある日、どうしようもない吐き気に襲われ動けない状態になり、やっと病院にいきました。診断は疲労、ストレス、貧血…。やむを得ず、数日間休みを取ることになったのです。
連日シフトに穴を開けてしまい、結局仲間に大きな迷惑をかけてしまいました。対応してくださった皆さんには感謝しきれません。
当時の私には、リーダーが元気でいること・自己管理の大事さが欠けていました。
メンタルケアとして、日々自分の状態をよく確認して、「今日もよくやった」と声をかけることがおすすめです。小さなことかもしれませんが、それだけで感情が落ち着き、心に余白ができ、周りを見る余裕が戻ります。
② 完璧を手放す :「マシにすること」に価値を置く
リーダーシップとは、「リーダーが完璧にやること」ではなく「チームを前に進めること」。
失敗を恐れて立ち止まるより、“できる範囲でまずやってみる”方がずっとチームは前進します。
やるからには、ミスなく完璧を目指したくなる気持ちもわかります。
しかし、今よりも少しでも「状況をよくすること」が大事ではないでしょうか。
自己承認力を学びはじめたときの私の思考は、「白か黒か」にこだわっていました。
出来てる、出来ていないを重要視していたのです。
そのときに、協会で教わったのは「今の状況が黒だとしたら、少しでもグレーになれば凄いじゃない」ということ。昨日よりも「少しでもマシにする」これが大事。前に進んでいる証なのですよね。
“完璧”より“進化”を。そのプロセスを見ることの大切さを教えてもらいました。
できるところから一歩ずつ進めば、道は必ず開けるものです。
③ 感情を整える :反応ではなく対応を選ぶ
不安、焦り、イライラ…大きな目標や責任があるほど、こういった感情が芽生えやすくなりますよね。
そこで大事なのは、感情を押し殺すことではなく、「感情に飲み込まれない」ことです。
心がざわつくときに、ぜひ試していただきたいのは「深呼吸」です。
そして、「ブロッコリー、ブロッコリー、ブロッコリー…」10回ゆっくり唱えてみてください。
ネガティブな感情から自分の意識をそらす効果があります。
(ブロッコリーでなくても構いません。好きな食べ物でも、スポーツでも、ほかのものでもOKです)
例えば、子どもが大声で泣いているとき…
音を鳴らしたり、ぬいぐるみを見せたり、アニメをみせて
意識を別のことにそらす、といったアプローチをしたことがある方もいると思うのです。
それと同じ手法です。段々と感情が落ち着いてきます。
冷静になったら、あとは言葉や行動を選ぶだけです。
“ただ反応するのではなく、自分の対応を選ぶ”
そのほんの数秒の間が、人間関係を守り、信頼を積み重ねる時間になるのです。
感情を整える力は、チームの安定を生み出すリーダーの土台です。

④ 自分を信じる :行動のスイッチを押す
心が整ってくると、少しずつ行動のエネルギーが戻ります。
そこで、もう一歩勇気を出して前に進むためには、未来の自分の力を信じることが重要です。
「私にできるだろうか」ではなく、
「きっとできる」と考える。
この小さな思考の違いが、結果を大きく変えていきます。
自己承認力でいうところの自己効力感。
「自分ならできる」と信じる力は、
部下にも伝わり、チーム全体のモチベーションを高めます。
失敗を不安視して、なかなか挑戦しないリーダーよりも
「とにかくやってみよう」と前進するリーダーでは、与える影響も変わってくるものです。
⑤ 素直でいること: 信頼でチームを動かす
リーダーはつい「強くあらねば」と思いがちです。
肩ひじ張って、頑張りすぎてしまうことも有ると思います。
しかし、本当に人を動かすのは“強さ”ではなく“誠実さ”です。
「一人で出来ます」と強がるリーダーよりも、「どうか皆さんの力を貸してください」と周りを巻き込めるリーダーの方がチームを強くします。
誰でも得意・不得意があります。素直に自分の短所や弱さを認められる方は、魅力的です。
「この人のために頑張ろう」と思わせる力を持っています。
私は不器用で、忘れ物も多く、方向音痴で、間違いも多くてポンコツです。
そんな自分を改善するためにスキルアップを図ってはいますが、苦手なものは苦手。
昔は、それを認めることすら恥ずかしくて隠していました。
自己承認力を学び始めてから、人に頼ることができるようになり、人間関係が良好になって、随分と働きやすくなりました。周りの方を頼ったり、頼られたり。それが信頼関係を作ってくのですよね。
まとめ:心を整えれば、リーダーシップは自然に発揮される
いかがでしたでしょうか。
リーダーシップをうまく発揮できないと感じるとき、
それは意志や能力の問題ではなく、心の疲れのサインかもしれません。
そんな時には、ぜひ思い出してみてください。
① 自分をねぎらうこと
② 完璧を手放すこと
③ 感情を整えること
④ 自分を信じること
⑤ 素直でいること
この5つの鍵を意識することで、心が整い、行動が変わり、チームが動き始めます。
リーダーシップとは、“自分を大事にすること”から始まります。
心が穏やかでいるとき、あなたの言葉には自然と力が宿ります。本来の力が発揮できます。
あなたの中には、すでにリーダーの種が育っています。
焦らずに、まずはご自身のの心を整えながら、その花を咲かせていきましょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)
