
いつもコラムをお読みくださり、ありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会 代表理事の山本まさのです。
私たちは日々、誰かに認められたい、評価されたいという気持ちを抱えながら生きています。 この「認められたい」欲求は、心理学において「自己承認欲求」と呼ばれ、私たちの行動や思考に大きな影響を与えています。
私が担当するコラムでは、「自己承認力Ⓡ」に関する項目を中心に皆様の疑問や質問を分かりやすくお伝えしています。今回は、「心理学における自己承認欲求」と「他人の評価に振り回されずに、自分自身をしっかり認め、安定した自己承認を得るにはどうすればよいのか」についてお伝えします。
心理学者アブラハム・マズローの「欲求5段階説」における自己承認欲求
自己承認欲求とは、「自分を認めてほしい」「自分の存在価値を確認したい」という欲求のことを指します。これは、心理学者アブラハム・マズローの「欲求5段階説」において、「承認欲求」に分類されるものです。他者からの承認(外的承認)が一般的に知られていますが、もう一つ、自己承認(内的承認)があり、2種類に分けられます。
- 外部の承認(承認)
→ 他人からの評価や賞賛を求めるもの(例:褒められる、認められる) - 内部の承認(自己承認)
→自分で自分の価値を認めるもの(例:達成感、自己満足)
特に、自己承認(内的承認)は、自己肯定感や自己効力感を育む上で重要な要素であり、これが満たされることで人は自信を持ち、より主体的に行動できるようになります。逆に、自己承認欲求が満たされないと、不安や劣等感を抱え、他者の評価に過度に依存してしまうことがあります。
心理学者アブラハム・マズローの欲求5段階説
生理的欲求(基本的な生命維持のための欲求)
例:食事、水、睡眠、空気、排泄、体温維持、性欲
解説:人間が生きるために最も根源的な欲求です。これが満たされないと、他の欲求に意識を向けることが正義になります。
安全欲求(身体や生活の安全を求める欲求)
例:安定した住居、健康、経済的な安定、犯罪からの保護
解説:生理的欲求が満たされると、次に安全を求められますように。例えば、貧困や戦争、病気のリスクが高いと、人は安心して生活できません。
社会的欲求(他人とのつながりや愛情を求める欲求)
例: 家族や友人との関係、恋愛、職場やコミュニティでの帰属意識
解説:人間は社会的な生き物であり、孤独や孤独を感じると精神的に不安定になります。 家族、友情、恋愛などの人間関係がこの欲求を満たします。
承認欲求(他者からの評価や自己評価を求める欲求)
他者からの承認欲求:名声、尊敬、賞賛、尊敬
自己承認欲求:自信、達成感、自己反省
解説:人は社会の中で認められたいという欲求を持ちます。他人から評価されることで自信を持ち、自己肯定感が湧きます。しかし、他人の評価に依存しすぎるとストレスを感じることもあります。
自己実現欲求(自分の能力や可能性を最大限に発揮したいという欲求)
例:創造的な活動、自己成長、夢の実現、道徳的な追求
解説:「自分らしく生きたい」「本当にやりたいことをしたい」のような欲求です。芸術、スポーツ、研究など、人によって自己実現の形は違います。マズローは「自己実現を達成した人は、より創造的で、倫理的な行動をとる」と考えました。

他者からの承認欲求(外的承認)と自己承認欲求(内的承認)
他者からの承認欲求 | 自己承認欲求 | |
定義 | 他者からの評価を求める | 自分で価値を認める |
特徴 | 賞賛、注目、人気を得たいという欲求 | 努力や成果を自分で評価する欲求 |
満たし方 | SNSの「いいね」、仕事の昇進、賞賛されること | 達成感、成長の実感、自分を肯定すること |
影響 | 他の評価に左右されると不安定になる | 他者の評価に左右されず、自信を持てる |
他者からの承認欲求に依存しすぎると、他人の評価に振り回されやすくなり、自己肯定感が低下することがあります。
心理学者アブラハム・マズローの「欲求5段階説」の活用例
ビジネス・マーケティング
- 商品やサービスを提供する際、顧客の欲求段階を考慮することで、より効果的なアプローチが可能になります。
- 例:高級ブランドは「承認欲求」にあたり、自己投資系のサービスは「自己実現欲求」に関連します。
教育・キャリア
- 生徒や社員のモチベーション向上には、各段階の欲求を意識することが重要です。
- 例:安全で安心できる環境を整える、承認を受け入れることで、自己実現を目指します。
心理学・メンタルヘルス
- 欲求が満たされないとストレスが増大し、心が不安定になります。
- 例:孤独感(社会的欲求の欠如)や評価されない(承認欲求の欠如)と、精神的な不調につながります。
自己承認欲求の満たし方
自分を客観的に認める
- これまでやってきた事を振り返り、自己評価をします。
- 日記や「今日の良かったこと」を書きます。
達成感を積み重ねる
- 小さな成功体験を積み重ねる。
- 完璧を求めすぎず、成長を重視する。
他人と比較しすぎない
- SNSなど他人の成功に惑わされず、自分のペースで進んでください。
- 「過去の自分」と比べて成長を感じる。
自己肯定感を高める
- 自分に対してポジティブな言葉をかける(アファメーション)。
- 失敗しても「学びの機会だった」と前向きにとらえる。
心理学研究における自己承認欲求と幸福感の関係
心理学研究では、自己承認要求が適切に満たされることで「幸福感」が向上すると言われています。 特に、内部の承認要求が満たされると、長期的な幸福感につながりやすいことが示されています。
自己承認欲求を満たすことのメリット
自己承認欲求が適切に満たされると、
- 自己肯定感が高まる
- 仕事や学習のモチベーションが向上する
- 良好な人間関係を築きやすくなる
近年のポジティブ心理学の研究では、承認欲求が適切に満たされることで幸福度が向上し、人生の満足度が高まることが示されています。
心理学における「自己承認欲求」まとめ
- 自己承認欲求は、相手から認められたい(外部的)と自分で認めたい(内部的)の2種類がある。
- 外部の承認欲求に依存しすぎると、周囲の評価に振り回されやすくなる。
- 小さな成功体験を継続することで、自己承認欲求を健全に満たすことができる。
- 自己承認欲求が満たされると、長期的な幸福感につながりやすい。
自己承認欲求を正しく満たしながら、自分らしく生きることが大切ですね。