はじめに

いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
一般社団法人自己承認力コンサルタント協会 代表理事の 山本まさの です。

「自信が持てない」
「評価されないと不安になる」
「役に立っていない気がする」

こうした悩みの背景には、自己肯定感・自己有用感・自己効力感という、
よく似た言葉の混同があることが少なくありません。

この3つは、どれも“自信”に関係する大切な心理要素ですが、
実は 役割も、育ち方も、働く場面もまったく異なります。

今回は、混同しやすいこの3つの概念を、
5つの視点で比較しながら、わかりやすく整理していきます。

比較①|意味の違い

まずは、それぞれの意味を整理してみましょう。

自己肯定感

「ありのままの自分でいい」と、
自分の存在そのものを肯定できる感覚
できる・できないに関係なく、
「私は私で大丈夫」と思える 心の土台 です。

自己有用感

「自分は誰かの役に立っている」と感じられる感覚。
家庭・職場・地域など、
他者との関わりの中で育つ感情です。

自己効力感

「自分ならできる」「やれば達成できる」と思える感覚。
行動への一歩を後押しする、未来志向の自信と言えます。

つまり

  • 自己肯定感 = 存在への安心感
  • 自己有用感 = 役割への実感
  • 自己効力感 = 行動への確信

この違いを押さえることが第一歩です。

この3つは、
「心の土台」「人とのつながり」「未来への一歩」
それぞれを支える、役割の異なる自信なのです。

比較②|生まれるタイミングの違い

次に、「いつ生まれる感覚か」という視点で見てみましょう。

  • 自己肯定感:今ここにいる自分をどう感じているか
  • 自己有用感:人との関係性の中で感じるもの
  • 自己効力感:これから行動する前に芽生えるもの

たとえば、

  • 「失敗したけれど、それでも自分を責めすぎない」→ 自己肯定感
  • 「ありがとうと言われて、嬉しかった」→ 自己有用感
  • 「次はうまくできそうだ」→ 自己効力感

同じ出来事でも、
どの感覚が働いているかは違うのです。

比較③|下がりやすい場面の違い

この3つは、下がりやすい場面も異なります。

自己肯定感が下がりやすい人

  • 他人と比べやすい
  • 完璧主義
  • 過去の否定体験が多い

自己有用感が下がりやすい人

  • 感謝や承認を受け取れない
  • 自分の役割が見えにくい環境にいる

自己効力感が下がりやすい人

  • 失敗体験が続いた
  • 成功体験が少ない
  • 挑戦の機会が少ない

「自信がない」と一言で言っても、
どの感覚が弱っているかによって、必要な関わりはまったく違うのです。

比較④|高め方の違いとやりがちなNG事例

ここが、とても重要なポイントです。

自己肯定感を高めるには

できた・できないではなく、
「そう感じた自分」「頑張ろうとした自分」を認めること。

自己有用感を高めるには

小さな貢献に目を向けること。
「やって当たり前」と流さず、
役に立っている事実を言葉にすること

自己効力感を高めるには

小さな成功体験を積み重ねること。
目標を細かく分け、
「できた!」を実感すること。

同じ「褒める」「認める」でも、
どの感覚を育てたいかで、アプローチは変わります。

やりがちなNG事例

  • 自己肯定感:結果だけを褒めようとする
  • 自己有用感:評価や感謝を他人任せにする
  • 自己効力感:いきなり大きな目標を立てる

比較⑤|人生への影響の違い

最後に、人生への影響という視点でまとめてみましょう。

  • 自己肯定感が育つと
     → 心が安定し、人の評価に振り回されにくくなります。
  • 自己有用感が育つと
     → 人とのつながりを感じ、孤立感が減ります。
  • 自己効力感が育つと
     → 行動力が高まり、挑戦できる自分になります。

この3つは、どれか一つだけでは不十分です。
**バランスよく育つことで、初めて「しなやかな自信」**が育ちます。

おわりに|違いがわかると、関わり方が変わる

自己肯定感・自己有用感・自己効力感。
似ている言葉だからこそ、混同すると
「努力しているのに苦しい」状態に陥りがちです。

しかし、

  • 今は心の土台を整えたいのか
  • 役に立っている実感が必要なのか
  • 行動への自信を育てたいのか

自分の状態を正しく見極めることができれば、
必要な一歩は必ず見えてきます。

これら3つをバランスよく育てていくことが、
私たちが大切にしている 【自己承認力Ⓡ】の土台 でもあります。

このコラムが、
ご自身や大切な人の
「今の心の状態」を見つめ直すヒントになれば幸いです。