
いつもコラムをお読みくださり、ありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会 代表理事の山本まさのです。
私が担当するコラムでは、「自己承認力Ⓡ」に関する項目を中心に皆様の疑問や質問を分かりやすくお伝えしています。
この記事では、子どもの承認欲求の意味や、「見てみて!」とアピールする心理、正しい対応の仕方、そして親の負担にならない工夫について解説します。
子どもの承認欲求を満たすための接し方
基本の対応
子どもの承認欲求を満たすために、次のようなポイントを意識しましょう。
・しっかり関心を向ける:「見て!」と言われたとき、一瞬でも手を止めて子どもと目を合わせ「〇〇ちゃん、すごいね!」と声をかける。
・具体的にほめる:「すごいね!」だけでなく、「ここが上手だね。」「前よりももっと積めたね。」と具体的に伝えると、子どもは「ちゃんと見てくれている」と感じます。
・短時間でもしっかり向き合う:忙しくても、「30秒だけ集中してしっかり聴いてください」それで、子どもの満足度はかなり高まります。
・子ども自身の気づきを変える:「〇〇ちゃんはどう思ったの?」と質問して、子ども自身が自分の気持ちを話せるようにすると、さらに満足度が生まれます。
「見てみて!」への上手な接し方
良い返事の例
- 「すごいね!ここが素敵だね!」(具体的にほめる)
- 「頑張ったね!どうやって作ったの?」(プロセスに注目する)
避けたい返事
- 「後で見るね(言って見ない)」(信頼を追いかけ)
- 「すごいね〜(適当に流れる)」(適当な反応は見透かされる)
「見てみて!」に疲れないための工夫
「何度も『見てみて!』と言われると、正直しんどい・・・」という方も多いでしょう。
しかし、子どもの承認欲求に適切に応じながらも、親が無理をしすぎずに対応できる工夫をすることで、お互いにストレスを減らすことができます。ここでは、「見てみて!」に疲れないための具体的な方法をご紹介します。
親がイライラしないための対処
「見て!」が続くと、親もストレスを感じがちですが、まずは心の持ち方を少し変えるだけで負担が軽いです。
・ 「子どもにとって、今はとても大切なこと」と意識する: つい「またか…」と思いがちですが、子どもにとっては大きな発見や成長の瞬間。 それを共有したいという気持ちを理解すると、気持ちが楽になります。
・ 「全部に100%応じなくても大丈夫」と考えます: 「すべてのリクエストに
完璧に応じなければ!」と思うと、親も疲れます。
・ 「短時間でもしっかり見る」ことを心がける: 長時間続けるのは大変だけど、ほんの30秒でもしっかり見ていたら、子どもは満足しやすいのです。
家事と仕事と両立しながら「見てみて!」に応じる方法
「見て!」のたびに手を止めるのは難しい…。そんなときに使える、アイデアを紹介します。
・ 「実況中継」でリアクションする: 「わぁ、今○○しているんだね!」「すごい高さになったね!」と、手を動かしながらでもリアクションすると、子どもは満足しやすいです。
・ 「次に見せてね!」の約束をしっかり守る: 「今は見られないけど、終わったら必ず見るね」と約束し、必ずいつか関心を向けることで、「後で見てもらえるから大丈夫」となります。
・ 「10秒だけでも集中して見る」: 「今ちょっとだけだけど、10秒ちゃんと見るよ!」と伝えてしっかり見ると、子どもは短時間でも満足しやすくなります。
「かまってもらえない」と思われないための対策
「見て!」に疲れて適当に流れてしまうと、逆に子どもが話しかけてくることもあります。次のような方法で、子どもが安心感を持てるようにサポートしましょう。
・「1日1回はしっかり向き合って時間を作る」: 5分でも、スマホを見ずにしっかり向き合って時間を作ることで、子どもは「ちゃんと見てもらっている」と安心できます。
・「手を止めて目を合わせるだけでもOK」:迷っても、一瞬でも手を止めて「慎重にアクション」することで、子どもは「ちゃんと認めてもらった」と感じます。
・ 「子ども自身が達成感を感じられる環境を作る」: 作品を飾る、おもちゃで自由に遊ぶ時間を大切にするなど、**「誰かに見てもらわなくても満足できる習慣」**を作ることも大切です。
子どもの承認欲求とは?
承認欲求とは何か?大人と子どもの違い
「承認欲求」とは、自分の存在や行動を他人に認めてもらいたいという欲求のことです。 これは大人にも子どもにも共通する心理ですが、その表向きには違いがあります。
・大人の承認欲求:仕事で評価されたり、SNSで「いいね!」をもらえたり、社会での成功で満たされることが多い。
・子どもの承認欲求:「ママ見て!」「パパ見て!」と直接的なアピールをすることで、親の関心や肯定を求める。
幼少期から見られる承認欲求のサイン
- 1~3歳ごろ:「○○できるよ!」「見てみて!」と何かを達成するたびにアピールする
- 4~6歳ごろ:お手伝いや作品を「ほめてもらいたい」気持ちが強くなる
- 小学生以降:学校での発表や友達との関係で、親だけでなく周囲からの承認も求めようになる
このように、子どもは成長とともに「自分を認めてもらいたい」という気持ちを広げていくのです。
子どもの成長における承認欲求の重要性
「ママ、見て!」「パパ、見て!」と、子どもが何度もアピールすることはありませんか? お絵かきをしたとき、ブロックを積み上げたとき、ジャンプができるようになったときなど。
しかし、忙しいときや何度も言われると、「また?」「ちょっと待ってね」と後回しになることもありますよね。そんなとき、「どう対応するのが正解?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この「見てみて!」という呼びかけは、子どもの承認欲求が大きく関係しています。 承認欲求は、子どもが安心感を得て、自信を持ち、自己肯定感を育むためにとても大切な要素です。
承認欲求が満たされることで、子どもは「自分には価値がある存在だ」と感じることができます。この積み重ねが、自己肯定感の向上や社会性の発達につながります。
逆に、十分に満たされないと、「どうせ誰も見てくれない」「頑張っても無駄だ」と感じてしまい、自信をなくし、他人の評価だけ気にする可能性もあります。
「見てみて!」アピールする子どもの心理
「見てみて!」が頻繁に起こる年齢とその特徴
こどもの「見てみて!」が増えるのは、自己表現の発達が進む時期です。
・1~2歳頃:「ママ見て!」と言葉で伝えるようになる。
・3~4歳頃:何かを達成したとき、自信をもって「できたよ!」と報告する。
・5~6歳頃:誰かに認めてもらうことで、自己評価を高める。
特に3~5歳ごろは、 「認めてもらうことで安心する」という心理が強く働くため、「見て!」と何度もアピールするのです。
親の反応が子どもの行動に与える影響
良い反応
- 「すごいね!頑張ったね!」と具体的にほめる
- アイコンタクトをして、しっかり関心を向ける
NGな反応
- 「後でね」と何度も後回しにする
- 見てはいるけど適当な対応をする(例:「うんうん、すごいね」と言いつつスマホ見る)
子どもは、「本当に見てもらえるかどうか」を敏感に感じます。適当に流されると、さらに「見て!」と繰り返し、逆に承認欲求が満たされずに自信をなくすこともあります。
まとめ:親も無理せず、子どもと向き合いましょう

「見てみて!」に何度も対応するのは、親にとって大変なこともあります。完璧でなくても大丈夫。
短時間でも心をこめて向き合うことで、子どもは「大切にされている」と感じ、安心して成長していきます。
子どもの承認欲求を見極め、上手に接しながら、親子で楽しい時間を増やしていきましょう。