こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもお読みいただきありがとうございます!

「部下に何度指導しても同じミスを重ねる…」
「部下がなかなか成長しない…」
「どう部下指導したらいいのかわからない…」

多くの管理職の方が同じように部下育成の壁にぶつかり、その度に挑戦を繰り返しています。
部下育成の難しい部分であり、学びになる面白い部分でもあるのが「正解がない」ということです。

ある程度の傾向は分けられるものの、「この部下にはこの言葉を言えばいい」という簡単な対処法はないのです。

私自身も、管理職として部下を指導していたときに、何度も悩み、メンタル不調になったこともあります。しかし、その経験は自分を大きく成長させてくれたと今では思っています。

今回は、部下育成に取り組んでいらっしゃる方が明日からすぐに実践できる指導法を5つのポイントにまとめました。これらのポイントに、成果を出す土台となる「自己承認力」の考え方を絡めながら、あなたの部下育成がよりスムーズになるヒントをご紹介いたします。


部下育成をする管理職は3タイプに分かれる

管理職の方が部下育成の壁にぶつかった際に、どんな行動に出るか。大きく3つのタイプに分かれると感じています。あなたはどのタイプでしょうか。

1.挑戦型(トライ&エラー)

  • 部下の成長を重視し、新しいアプローチをあれこれ試しながら取り組むタイプ。
  • 特徴:
    • トライ&エラーを繰り返し、相手に最適な方法を試みる。
    • 時には部下に自主性を持たせる「コーチング型」を含む。
    • 結果にこだわり、挑戦し続ける。

2.固定型(同じ手法を繰り返す)

  • 1つの手法や自分のやり方を一貫して使い続けるタイプ。
  • 特徴:
    • マイクロマネジメントや、継続性を重視するスタイルが含まれる。
    • 一定の安定感はあるが、環境や部下の特性に柔軟に対応しにくい。
    • 効率的な反面、部下が成長しにくい。

3.放置型(諦める/見守る)

  • 部下育成に対して消極的で、見守りに徹するタイプ。部下を全く見ていない場合もある。
  • 特徴:
    • 「言っても変わらない」と早々に諦める。
    • 必要以上に関わらないため、部下の自主性を尊重する側面もあるが、支援不足になりやすい。
    • 成果が出ないときに、部下本人や環境のせいにしやすい傾向がある。

私はかつてずっと固定型でした。自己流でしか部下育成をしておらず、伝え方もワンパターン。勉強不足だったとしか言いようがありません。一生懸命やっているのに、伝わらないのです。何度も何度も繰り返し、部下指導するのが本当に大変でした。やがて「何度言っても変わらない」と判断した部下には、放置型になってしまう・・・そんな上司でした。

圧倒的におすすめは、挑戦型です。上司として自分の引き出しを増やして、相手に合わせて手を変え品を変え、あらゆるアプローチ方法を試す方がずっと結果が出るのが早いです。

次の章からは、部下指導のポイント5つをご紹介いたします!


1. 部下の個性と強みを知る

部下育成の始まりは、部下の個性や強みをしっかりと理解することです。

部下の性格や能力を知らずに一律の指導を行うと、どうしても壁にぶつかってしまいます。人にはそれぞれの「得意」や「好き」、そして「価値観」があります。相手の個性に合わせた指導を行うことで、部下の力を最大限に引き出すことができるのです。

例、以下の質問を自分に問いかけてみましょう:

  • 「どんな仕事が得意なのか?」
  • 「どんなことに興味を持っているのか?」
  • 「どんな価値観を持っているのか?」

自己承認力の観点で言えば、まずはあなた自身が「自分の個性を認める力」を育てつつ、「部下の個性を認める力」を高めることが大事です。 部下の得意分野を把握し、それに絡めた仕事をお願いする。そうすることで部下の方に達成感とやりがいを感じてもらうことが出来ます。


2. 目標・目的を共有する

部下との間で目標を共有していますか?チーム全体として、そして個々に「何のために頑張るのか」を明確にすることが重要です。

忙しい上司にあるあるなのが、その場しのぎの「とりあえずこれをやっておいてくれ」という指示出しです。「ゴールは何か」「何のためにやるのか」を省いた指示を繰り返すと、作業のみを実行する部下になります。自分の仕事の重要度がわからずに作業をするため、自分で考える力が衰えて、本人が元々持っているパフォーマンス力も低下します。

目標・目的を共有すると、部下自身の「自己承認力」が育まれることにもつながります。自分で設定した目標に向かって努力を積み重ねることで、「やればできる」という感覚が得られるからです。

面談や日々の会話で、部下の方に以下のことを確認してみましょう。

  • 「どんな成果を達成したいのか?」
  • 「どのようなスキルを身に着けたいのか?」
  • 「どのくらいの期間で目標を達成するのか?」

また、定期的に目標の進捗を振り返りながら、一緒に次のステップを考えることで、部下が迷わず前進できるようサポートしましょう。


3. 具体的な指示を出す

部下に「やってほしいこと」を伝える際は、抽象的なわかりにくい指示ではなく、具体的に伝えることを意識しましょう。

例えば、「早めに資料をまとめてほしい」

「明日の15時までに社内向けの発表資料を、過去のデータをもとに作成して提出してほしい」

こんな感じで具体的に言い換えます。
「ここまで言わないといけないの?」「面倒だな」とお感じになった方は、日頃の指示出しの言葉が足りないかもしれません。

部下がミスをしたり、進捗が遅れたりする原因の多くは、上司の指示が不明確であること。普段から具体的に丁寧な指示を出すことで、部下のミスは減少し、主体的に動く部下が育つため、結果的に効率化が図れるのです。


4. 認める・褒める・感謝する

部下が目に見える結果が出たときには、多くの上司が功績を褒めていらっしゃることと思います。しかし「結果を出すのは当たり前の事」と、部下をめったに褒めないタイプの方もいらっしゃることも事実です。自分に厳しく、他者にも厳しい。私もかつてそんなタイプでしたので、お気持ちはよくわかります。

しかし、失礼を承知で申し上げると・・・時代遅れです。
厳格型の上司についていける人材はごく少数。どの業界も人手が足りない今の時代には、合っていないのです。時代に合わせて自分の部下育成方法をアップデートできるかどうか、が今後の上司力につながります。

褒める際のポイントは、通常の褒め言葉に「具体的に」をプラスして伝えること。例えば、「いいプレゼンだったね!」だけではなく、「会社の要望をざっくりと捉えた内容が素晴らしかったよ」とプラスして伝えることで、部下は「どこが評価されたのか」を理解し、さらに磨きをかけていきます。

さらにおすすめなのは、日頃から「承認の言葉」を活用することです。目立った大きな成果を出していなくても、コツコツと仕事を頑張ってくださる部下がいてチームが成り立っています。

  • 「〇〇さん、出張お疲れ様!遠方まで行ってくれて助かります。ありがとう」
  • 「〇〇さん、期限通りの書類の提出ありがとうございます。助かります」
  • 「〇〇さん、いつも仕事が丁寧なので安心して頼めます。ありがとう」

出張に出る、期限を守る、仕事を丁寧にやる、報連相を行う、定時に帰るなど・・・「日常の当たり前」は、実はそうではありません。それぞれの日頃の頑張りがあるから、チーム全体の仕事が成り立ちます。そこに気がついて、承認ができる上司でありたいものですよね。


5. 信頼関係を構築する

最後に、部下との関係を築くための重要性についてお伝えいたします。信頼関係を築くことで、部下は安心して上司へ相談や意見を言えるようになり、仕事の効率が大きく向上します。

ではどうしたら信頼関係を築くことが出来るのでしょうか。年に何度か、面談で1~2時間話を聞けばいいのか?月に1度、飲み会を開いて腹を割って話せばいいのか?

残念ながら、答えはNOです。日頃のコミュニケーションが重要なのです。
ポイントとなるのは、「接触回数」です。短い時間でも構いません、部下の方とのコミュニケーションの量を増やしてみましょう。

そして、上司としていつも「自分は見られている」という意識を持ってください。お取引先様やお客様のうわさ話をしたり、会社への不平不満を口にしたり、舌打ちをしたり、ネガティブな発言をしたり・・・そんな上司を部下は信頼しません。

自分自身が部下の見本となる人間か、発言や振る舞いを一度見直してみましょう。
部下育成をすることは、自分を育成することとも言えます。

部下育成は管理職自身の成長のチャンス

いかがでしたでしょうか。部下育成は、簡単なものではありません。しかし、部下を育てていくことは管理職としての成長のチャンスです。少しずつ前に進んでいきましょう。

部下育成がうまくいかないとき、それは「自分自身を見直すとき」でもあります。部下に対してイライラしたときは、自分の器の小ささがわかるときです。部下が失敗を繰り返すときは、自分の指示出しが下手だと自覚するときです。

部下を育てるときには「部下をよく知ること」が重要です。同様に、自分を育てるときに重要なのは「自分を良く知ること」です。

今回の部下育成5つのステップを自分自身にも当てはめてみてください。
1.自分の個性と強みを知る
2.自分の目標・目的を明確にする
3.自分がすべき具体的な行動を考える
4.自分を認める・褒める・感謝する
5.自分との信頼関係を構築する

自己承認力が高い上司は、部下育成が得意です。自己承認できるから、他者承認ができる。
まずは、上司としてこれまで頑張ってきた自分を認めて、ねぎらうことから始めてはいかがでしょうか。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ではまた次のコラムで(^^)/