こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「最近、部下がやる気を出してくれない…」
「声をかけても反応が薄い。信頼されていないのかな…」

そんな風に感じて、戸惑ったことはありませんか?

上司から見ると「やる気がないように見える部下」は、
どう扱ったらいいのか困りますよね。

しかし…実は、その背景には
心身の疲れ・不安・自信喪失・病気など様々な理由があるかもしれません。

このコラムでは、やる気が見えにくい部下との関わり方を、
自己承認力の視点から【7つの具体策】として整理しました。

過去の人気コラムからも実践的なヒントを振り返り、ご紹介しています。
“やる気に関するお悩みの総まとめ”としてお役立ていただけますと幸いです。

やる気がない…は、「次のステージに進むサイン」?

やる気の低下について、最近私はこんなふうにも捉えるようになりました。
「やる気がなくなるのは、≪新たなチャレンジが必要≫というサイン」の場合もある。

例えば、職場に入りたての新人さんのときには、
多くの方が必死で仕事を覚えようとやる気満々で取り組みます。
その後、ある程度仕事を覚えたら、心と体に余裕が出来てきますよね。
それがマンネリにつながったり、やる気の低下になることもあると思うのです。

これは、必死に仕事を覚える時期を越え、ひとつ成長したということ。
“次のステージ”に進むタイミングともいえるのではないでしょうか。

誰にでも気分の波はあるものですし、下がったときにこそ
「新たなチャレンジ」を自分に課すことも必要かなと私は考えています。

やる気がない部下の原因と対策7つ

ここからは、「やる気がない部下」に対する対策を7つご紹介していきます。
原因を分析しつつ、上司として冷静に対処が出来るといいですよね。
それでは、1つずつみていきましょう!

1.態度だけで“やる気の有無”を決めつけない

「部下がやる気ない…」それは本当でしょうか?
まずは、ここからチェックです。
表情が暗い、声が小さい、返事がない…
こうした表面的な態度だけで「やる気がない」と判断していませんか?

以前のコラムでお伝えした通り、 上司は“見た目”ではなく“行動の事実”に注目する視点が必要です。

たとえば、
✔︎ 成果物は仕上がっているか?
✔︎ 期限を守って提出しているか?
✔︎ 指示に対して何らかのアクションをしているか?

職場の仲間は、「仕事をするためのチーム」です。
「事実」として、部下が仕事の成果を出しているのであれば、何も問題はないといえるかもしれません。

反対に、仕事に悪影響が出ているのであれば、早急に対処が必要になります。


2.「信頼しているから任せる」と“言葉”で表現をする

自分を信頼していない上司のもとでは、仕事のやる気は低下していきます。
「部下に仕事を振る」このひとつの行動をとっても、部下を信じて仕事を任せる上司と、ただ仕事を丸投げする上司では、受け止め方が全く異なります。

上司の表現力は、とても重要です。
✔︎ 「この仕事、〇〇さんに任せたいと思ってるよ。理由は…」
✔︎ 「〇〇さんがやりやすい方法で進めてほしい。いつでもフォローするから」

こうした言葉が、部下のやる気を引き出す“起爆剤”になります。
任せる=信頼の表現として、部下に期待を伝える具体的な例文は、こちらのコラムで多数ご紹介しています。


3.「強み」「変化」「工夫」を見つけてフィードバック

部下のやる気を引き出すフィードバックを行っていますか。
やって当たり前と思っている、部下の仕事を把握していない、報告に対して反応しない…
こんな上司では部下のやる気は低下していきます。

結果を評価するのはもちろんですが、
「資料の構成が前より伝わりやすくなってるね」
「報告が要点だけで簡潔でありがたかった」

このような結果に至るまでのプロセスにも注目をすることも重要です。
「ただ結果を出せばいい」のではなく、「仕事に取り組む姿勢」が成長につながることを伝えていきましょう。
上司からの承認がある環境は、部下の自己承認力も高まり、行動が前向きになります。


4.上司の“対話力”で信頼構築する

何気ない対話の中で、「あなたに関心を持っています」というメッセージを伝えます。

✔︎ 「最近、昨日残業お疲れ様。今日はどんな感じかな?」
✔︎ 「あの案件、大変だったよね。少し落ち着いた?」

こういった気遣いの言葉をかけているでしょうか。
「この前の連休は何をしたの?」とか「どんな友達がいるの?」といった、プライベートのことまで気軽に話せる仲になった方が良い、とは言いません。探られるのが嫌な方もいらっしゃるからです。
しかし、「仕事仲間」として相手に関心を持つことが大事です。

5.「部下の可能性」を伝える

自分の力に限界を感じたとき、他者から応援されることで勇気をもらった経験はありませんか。
「期待」というとプレッシャーを感じる方もいるかもしれませんが、「信頼」「希望」「応援」は人にパワーを与えます。

✔︎ 「大丈夫、あなたならできるよ」
✔︎ 「この仕事を通して、もっとあなたは成長できる」

「あなたを見ている・信じている」そんなメッセージを活用しましょう。

実際、過去に私が自信を失っていた時期に、「よくやってるよ」「尾形ならどこででもやっていける」と承認してくださった上司がいました。新たなことにしり込みをしていた私に、「能力あるし、できるんじゃない?」「好きなようにやっていいよ」と仕事を任せていただけたことで、「この上司の期待に応えたい」と前向きに挑戦するエネルギーが湧いた経験があります。
「やはり上司の言葉の影響力は大きい」と感じた出来事です。

6.“目標”と“ゴールまでのステップ”を一緒に明確化する

やる気が出ない原因のひとつに、「ゴールがあいまい」なことが挙げられます。特に、若手社員や経験の浅いメンバーは、「何を達成すればいいのか」「今の自分は何点なのか」がわかりにくいと、将来が見えなくなっていきます。
部下には、「常に次のステップを示すこと」が重要なのです。

✔︎ 「今、ここまで出来るようになっているね。来週からは〇〇の作業を覚えていこう」
✔︎ 「この作業を1人で出来るようになったら、次の業務に進めるね」

山頂を目指して山を登っているときに、周囲に何の表示もなく進んでいくのと、「山頂まであと〇メートル」と書いているのとでは、全く足取りが異なります。仕事も同様です。

現在地の把握、ゴール・そこまでの道のりを明確にすることは、やる気を高めることに非常に有効です。


7.「やる気の波」を支える“環境と関係性”を育てる

あなたがやる気を失うのは、どんなときでしょうか?
やる気は、個人の性格や資質というよりも「環境」に大きく左右されます。
だからこそ、上司として次のような日々の関係性づくりが必要です。

✔︎ 部下の努力を見逃さず、伝える(=見てくれている安心感)
✔︎ 失敗を許容し、振り返りの時間を持つ(=安全性)
✔︎ 成果を一緒に喜ぶ(=共感と一体感)

こうした積み重ねが、心理的安全性を生み、やる気を“持続”させる土台になります。
こちらのコラムにも、長期的なモチベーション維持のヒントが詰まっています。
ぜひチェックなさってみてください。

まとめ:自分と部下の「やる気」を攻略しよう!

「部下のやる気が低下している…」そう感じたとき、
まず最初に振り返りたいのは、「上司である自分のやる気」です。

チームの風は、上から流れます。上司からの影響はとても大きいものです。
ここで、「ご自身のやる気」を簡単に5つチェックしていきましょう。

1. 最近、自分の仕事に「意味」や「やりがい」を感じられているか?
2. 小さな成果や変化を“喜べる心の余白”があるか?
3. 「ありがとう」「助かったよ」の言葉を日常的に使っているか?
4. 「新しいこと」に挑戦しているか?
5. 「上司としての自分」を褒めているか?

部下のやる気を引き出す立場の上司自身がパワー不足では、元も子もありません。
自分自身のやる気を維持しながら、チームのメンバーをケアしていきましょう。

ぜひ、本日ご紹介した「7つの対処法」の中から
いいなと思われたものから一つずつ取り入れてみてください。

社会人1年目は、誰もがやる気がみなぎっていたはずです。
希望や期待を抱きながら、日々を過ごしていたのではないでしょうか。

仕事に慣れて余裕が出てきたり、反対に業務に追われて余裕がなさすぎることも
やる気が見えなくなる原因となることがあります。
重要なことは、否定せずに前向きな対処法を考える姿勢です。

一緒に取り組んでいきましょう!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)