こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもお読みいただきありがとうございます!

「最近、部下にイライラすることが多い…」

こんな悩みを抱えている管理職の方は案外多いのではないでしょうか。部下の行動一つが気になると、他のことも目について、またイライラが増えている…そんな状況の方もいらっしゃるかもしれません。

そのお気持ち、よくわかります。実は私も部下によくイライラしていた時期がありました。その部下の方は、私と正反対のタイプ。ガツガツ効率重視で時間と闘いながら動いていた私でしたが、その方は周りをよく見て他の人を優先させて、時間をかけて丁寧に仕事をするタイプの方でした。

「何でそんな動きするかなぁ」
「もっと早く仕事できるでしょう」
口には出しませんでしたが、心の中はこんなイライラでいっぱい。そんな自分も嫌で、その部下と距離をとってしまう時期もありました。当時の私の未熟さを反省しております。

その後、自己承認力に出会い、実践をしていく中で、私はその方と信頼関係を築けるようになりました。自分と真逆の相手だからこそ、相手から学べることも大きかったです。
仲良くなりすぎて、プライベートでも何度も遊んでました( ´∀` )

仕事をする相手が自分と価値観が近ければ、指示も伝わりやすいです。対応に困るのは、「自分と価値観が全く異なるタイプ」ではないでしょうか。「価値観のズレ」がイライラの感情と結びついていませんか。

今回は、部下にイライラしたときの対策と確認しておきたい「5つのチェックポイント」をご紹介いたします。一緒に見ていきましょう♪


部下の個性・性格を理解しよう

イライラ対策にはまずは原因を知ることです。イライラの相手である「部下の個性や性格」を振り返ってみましょう。部下の方はどんなタイプですか?

  • 指示されたことだけをやるタイプ
  • 積極的に行動するタイプ
  • じっくり考えて行動するタイプ

お相手のことを考える際に大事なことは、他者比較をしないこと。「俺が部下だったらこうするのに…」という自分との比較もしないことです。

どんなタイプの方であっても、相手を「ありのままに」一旦、受け入れること。
受け入れると言うのは、無理に好きになれ・評価しろと言っているわけではありません。「こういうタイプなんですね」と、ただ受け入れるだけです。
このときのポイントは、相手の短所だけでなく、強みや個性を含めて認めることです。

例えば
◆指示されたことしかやらない⇒「指示したことを確実にやってくれる」
これは素晴らしい能力で、上司として助かります。

◆勝手に動いて報告がない⇒「自分で考えて動ける、主体性がある」
上司に頼らずに動いてくださる部下は、成長も早く頼もしい存在です。

イライラという感情が邪魔をして、本来部下の方がお持ちの「長所」を見落としている可能性があります。あらためて、冷静に相手を理解する時間を設けてみましょう。


部下の状況を理解しよう

次に、部下の現在の状況を確認してみましょう。職場では、部下の方が抱えている問題がそのままパフォーマンスに影響することがあります。

  • 仕事で問題を抱えている(業務の問題、人間関係の問題、将来の不安など)
  • プライベートで悩みを抱えている(家族問題、経済的な問題など)
  • 体調が良くない(一時的なもの、病気など)

私自身もそうなのですが、季節によってアレルギーがひどく出てしまうことがあります。頭痛やだるさ、集中力の低下、薬による眠気などによって、普段通りに振る舞えないこともあるのです。

経済的な悩みを抱えている場合も同様です。私は20代前半に一時期、親が抱えていた多額の借金の請求が自分に来たことがあったのですが、そのときの日々のストレスと言ったら…恐ろしかったです。(相続放棄をして、事なきを得ました)
その時期は、自分の心に余裕がなかったことを思い出します。仕事もいつも通りではなかったかもしれません。

これはあくまで一例ですが、誰でもそれぞれの事情を抱えています。上司としてイライラする部下の言動は、実は問題を抱えていることが原因かもしれません。


自分の状況を理解しよう

最後に、最も重要なのが自分自身の状況を振り返ることです。あなたご自身の現在の状況はいかがでしょうか。管理職として忙しい日々の中で、自分自身の体調や心の状態に無頓着になっているケースも少なくありません。

  • 睡眠不足ではありませんか
  • 食事、運動はいかがでしょうか
  • 仕事でストレスを感じていませんか
  • 家庭、経済面で問題を抱えていませんか

これらはすべて、物事のとらえ方や感情に影響を与えます。そして部下の方への態度や言葉づかいにも表れるのです。

例えば、ご自身が睡眠不足で疲労が物凄く溜まっているとします。そんな状況の中で、部下の方がミスをしたとしたらいかがでしょう。心身に余裕があるときには冷静に対処が出来る方でも、つい部下にイライラしてしまうこともあると思います。

そうなのです。「部下にイライラする原因が自分自身だった」ということは案外多いです。そのため、管理職の皆様には特に「セルフケア」にも注目をしていただきたいと私は考えています。

部下にイライラする管理職のチェックリスト

ここで、部下の方にイライラしたときに確認したい簡単なチェックリストをご紹介いたします。以下の5つの項目に注目をしてみてください。

①イライラの根本原因を掘り下げるなぜこの人の行動に自分がイライラするのか? 価値観や他の人との比較から原因を分析する。
➁部下との心理的距離を考える部下との関係性が近すぎないか?仕事関係者として適切かを考える。
③部下に対する自分の期待値を確認する部下に対する期待が現実的かどうかを確認し、本人の成長ペースと折り合いをつける。
④「完璧」を求めすぎていないか振り返る誰でも長所も短所もある。部下や自分自身に完璧を求めすぎていないか?確認をする。
⑤「リーダーとしての余裕」を意識する自身のストレス状態を把握し、ケアをする。部下を見守る心の余裕を持つ。

いかがでしょうか。
上司・部下関係なく、誰かにイライラしたときに私自身も確認をする項目です。例えば、1つめの「イライラの根本原因を掘り下げる」ですが、自分は何にイライラするのか?を掘り下げることはとても大事です。

私は昔から、安易に他者に「出来ない~助けて~」と頼ったり、ぶりっ子をする人が苦手でした。自分で出来ることをテキトーに人に頼む様子を見ると、「自分でやればいいのに」とイライラしていました。これは、成育歴が原因の強い自立心からくるもので、「甘える他者も自分も許せない」という表れです。ここを解消するには、自分が人に頼ったり甘えてみること。少しずつ自分の嫌な面を受け入れる、というプロセスが必要。このバランスを取れるようになってから、苦手意識がなくなっていきました。

このように、他者との関係を良好にしたいのであれば、「自分自身との関係を見直す」ことが有効です。イライラの感情は、相手が引き起こしているのではなく「自分の心の反応」だと捉えてみると良いかもしれません。


自己承認力を活用して、部下の育成に生かす

ここであらためて「自己承認力」の大事さに触れていきます。自己承認力とは、自分の価値を自分で認め、自分を信じて前に進める力のことです。自己承認力が低い状態だと、他者からの評価に過剰に反応してしまい、イライラや不安を感じやすくなります。

管理職にとって自己承認力を高めることは、部下育成の最大の鍵です。自分自身を肯定できると、部下の成長をじっくりと見守る心の余裕が生まれます。反対に、自己承認力が低いと部下の行動が気になり、過干渉になったり、短期的な結果を求めることが多くなります。よくあるのが、自分が指導した内容に対する結果がすぐに出ないと不安になり、怒りの感情が生まれることです。「言っただろう!なんでわからない!」と、よく怒鳴る方はこの典型かもしれません。

一方、自己承認力が高い上司は心の余裕があります。部下が多少のミスをしたとしても、「自分もこれまでたくさんミスをした。乗り越えて成長すればいい」と受け入れることが出来ます。自分を信じるように、他者のことも信じられるのです。自分を信頼し、応援してくれる上司がいれば、部下は頑張れます。上司の自己承認力の高さが部下のモチベーションとなり、部下育成で成果が出やすくなります。


部下にイライラする気持ちを自己成長のチャンスに

最後にお伝えしたいのは、部下にイライラする感情は決して「悪いものではない」ということです。この感情は、あなたが「真剣に部下育成に取り組んでいる証拠」と言えるのではないでしょうか。一生懸命だから、成長が見えれば嬉しいし、うまく行かないと腹が立つのです。部下に無関心の上司であれば、喜びの感情も怒りの感情も芽生えません。まずは、日頃から懸命に部下育成に取り組んでいる自分自身を認め、褒めてみませんか。あなたはすでに十分頑張っています。

そして、イライラの感情を感じたときは「自分自身を成長させるチャンス」
5つのチェック項目を元に、ご自身を振り返ってみることをおすすめいたします。自分を認め、部下を認めながら、心穏やかに日々の業務に取り組んでいきましょう。
人材育成は、時間を味方につけることがポイントです。長い目で、自分と部下の成長を見守っていきましょう。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次のコラムでお会いしましょう(^^)/