こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

上司として部下との関係を深めたいと思うとき、「食事や飲みに誘うことは効果的」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、かつての飲みにケーションは時代と共に薄れつつあります。

特に異性の部下とのサシ飲み(1対1の飲み会)について、「OKかNGか?」と悩む方もいらっしゃると思います。

結論から申し上げれば、基本的にはNGと考えることをおすすめします。
たとえ仕事の延長線上であっても、部下との関係性や職場の雰囲気によっては誤解を招きやすく、時には想像以上のリスクを伴います。

「絶対にNG」というわけではなく、関係性や状況によってはメリットもあるかもしれません。ただし、そのリスクを正しく理解し、慎重に判断することが重要です。今回は、「異性の部下とのサシ飲み」をテーマに、そのリスクと適切な関わり方について詳しくお話ししていきます。


1. 基本的にはNG!サシ飲みがもたらすリスクとは?

同性・異性関係なく、部下と二人きりで飲みに行くことを安易に考えることはやめましょう。ワークライフバランスが重要視される中で、仕事終わりの部下の1~2時間を奪うことになります。さらに、以下のようなリスクがあります。

① 周囲からの誤解を招く

「上司と部下が二人で飲みに行く」という行為自体が、社内や周囲の人から誤解を招く原因になりかねません。
特に、上司が男性で部下が女性の場合、またはその逆のケースでは、「特別扱いをしている」「個人的な関係があるのでは?」といった憶測を呼ぶ可能性があります。

実際に私の経験ですが、私は男性管理職の中で数少ない女性でしたので、男女関係なく誰とでもよくサシ飲みに行っていました。それは仕事の延長線上で、情報収集も必要だったからです。ほとんどプライベートな話はしなかったと記憶しています。しかし、異性とサシ飲みの場合「あの2人、飲みに行ったらしいぞ」と、社内で噂が立つこともありました。

男性の中で働く以上、覚悟はしていましたので当時は痛くも痒くもなかったですが・・・今は時代が違います。写真もメッセージのやりとりもあっという間に拡散されます。常にリスクを考えて行動することが大事です。

② 部下が断れない状況を作ってしまう

上司から誘われたとき、部下が本当に気軽に断れる関係性なら問題は少ないかもしれません。
しかし、そうでない場合、部下にとっては「断ると印象が悪くなるのでは?」「評価に響くかも」とプレッシャーを感じることになります。

上司の誘いは、部下にとって「選択肢」ではなく「指示」に感じられることが多いのです。
「行きたいかどうか」ではなく、「行かないと不利になるのでは?」と考えてしまうケースが多く、気を遣わせる結果になりがちです。

上司がせっかく誘ってくださったのに、「行きたくない」とは言えない…というのは多くの部下が思っていることだと私は考えています。

③ セクハラ・ハラスメントのリスク

「お酒の席だから」と軽い気持ちで話した内容や、冗談のつもりで言った言葉が、相手にとっては不快に感じることがあります。
また、たとえ意図的でなくても、部下が「不適切な関係を求められているのでは?」と不安を抱くような状況になってしまう可能性もゼロではありません。

お酒が入ると人格が変わってしまったり、失言をする管理職をたくさん見てきました。友人のように笑って許せる関係性が築けているという自信がない限りは、デメリットが大きいのではないでしょうか。

「女性上司から食事に誘われるのが怖い…」という男性部下の意見も結構耳にします。たしかに、1対1は上司は気軽であっても部下からするとかなり気を遣う場面かもしれません。


2. それでも部下と食事をしたいなら?代替案を考えよう

部下との関係性を深める方法は、サシ飲みだけではありません。むしろ、リスクを避けつつ、自然な形で交流を図る方法はいくらでもあります。

① 面談を活用する

業務の悩みやキャリアの話をじっくり聞くなら、定期的な面談を活用するのがベストです。
オフィスや会議室などでしっかり時間を確保して話すことができます。

② ランチで十分

どうしても食事をしながら話したいなら、ランチの方が適しています。
昼間の時間帯であれば、余計な誤解を生むことも少なく、業務時間内で調整しやすいというメリットもあります。

③ 複数人での食事を検討する

どうしてもみんなで盛り上がる飲みの場を設けたい場合は、他の社員も交えて複数人で行くのが理想的です。そうすることで、誤解を招くリスクを減らし、より健全な形で交流を深めることができます。


3. サシ飲みに行く前に、まずはチェック!

「本当にこのサシ飲み、必要ですか?」
次のチェックリストを使って、一度考えてみましょう。

自分が部下の立場だったら、本当に心から楽しめますか?
 ➡ 気を遣わせていませんか?上司の説教の場になりませんか?「立場を変えて考えてみる」ことが、誤解を防ぐ最善の方法です。

サシ飲み(1対1のお酒の場)でないとダメですか?
 ➡ 面談・ランチ・複数人での飲み会では解決できませんか?

お酒が入っても、うっかり失言をしない自信はありますか?
 ➡ 普段は理性的でも、アルコールが入ると意外な発言をしてしまうことも。

ハラスメントにならないと断言できますか?
 ➡ 部下が少しでも「嫌だな」「断りづらいな」と思っていたら、それはハラスメントのリスクあり!

噂される可能性があることを理解していますか?
 ➡ 社内やSNSで「特別な関係?」と誤解される可能性を考えてみましょう。

部下から飲みに誘われた場合、それを上司として断る勇気がありますか?
 ➡ 「じゃあ、今度ランチにしよう!」「みんなで飲み会開くか!」と代替案を出せますか?


まとめ

いかがでしたでしょうか。異性の部下とのサシ飲みは、リスクが高いので基本的にはNGです。
SNSの時代、たった一度の判断ミスが後々まで影響することもあります。

しかし、「部下とのコミュニケーションを深めたい」というお気持ちはとてもよくわかります!

まずは面談・ランチ・複数人での食事など、他の方法を検討してはいかがでしょうか。
これらの場でも十分にコミュニケーションはとれますし、判断力も鈍らずに建設的な対話ができます。

実際に、お酒が苦手な管理職の方は「サシ飲み」という手段以外で部下との交流を図っています。
ご自身の選択肢を広げながら、部下の方との信頼関係を築いていきましょう。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)