
こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
今回のテーマは・・・「部下ハラ」です。パワハラではありません。
「部下からの攻撃的な態度に悩んでいる」
「無視や嫌味をされてつらい」といったお声を、管理職の方から耳にすることが増えてきました。
かつては「上司=強者、部下=弱者」とされがちでしたが、現代ではその構図が逆転するケースも少なくありません。
こちらのコラムでは、部下からのモラハラに悩む上司の方に向けて、
✔ 心がすり減らないための考え方
✔ 自分を守る行動のヒント
✔ 自己承認力を軸にした対処法を5つに分けてご紹介します。
「上司だから我慢すべき」「もっと大人にならなきゃ」とご自身を追い詰めてきたあなたに、 今日から少し心が軽くなるヒントをお届けできれば幸いです。
「部下ハラ」とは?今、上司が抱える“見えづらいストレス”
「部下ハラ」とは、部下から上司に向けられるモラルハラスメントのことを指します。 具体的には、
- 挨拶を無視される
- メールやチャットに反応がない
- 人前で陰口や皮肉を言われる
- 指示をわざと無視される
- 業務連絡をしない、排除しようとする
など、いわゆる“静かな攻撃”を含んだ言動が特徴です。
これらは明確な違法行為ではないため、周囲に相談しても「気のせいでは?」「上司だから仕方ない」と受け取られがち。 結果として、上司が孤立し、心をすり減らしてしまうのです。
部下からのハラスメント対処法5つ
1. 自分を責めるのをやめる
まずお伝えしたいことは、「自分を責めない」ということです。
部下からの攻撃的な態度や無視が続くと、「自分のマネジメントが未熟だから?」「もっと優しく接するべきだった?」と自分を責めてしまう上司が多くいらっしゃいます。
もちろん、ご自身の言動の振り返りや反省は大事です。 ですが、必要以上に自分を責めていては、エネルギーが奪われるばかり。
仕事をスムーズに進めるためにも必要なのは「自己肯定感」です。 自己肯定感とは、「ありのままの自分を認める力」。 完璧な人なんていません。未熟な部分があってもいいのです。
自分のことは自分が一番よく知っています。今の自分の頑張りを肯定する視点を持ってみませんか。
2. 部下の態度に一喜一憂しない
たとえば、挨拶をしても部下から返されなかったとき、あなたはどう受け止めますか。 「無視された」と捉えるのか、「挨拶が返ってこなかった。終わり」と事実だけを受け止めるのか。 この違いが、心のダメージに大きく影響します。
相手がただ機嫌が悪かっただけかもしれない。
他のことに気を取られていたのかもしれない。
声が小さかっただけかもしれない。
様々な理由が考えられるのに、「自分が悪いのかな」と被害者意識を深めすぎるのは、自分を追い詰めてしまう要因になり得ます。 グサっと傷ついた・・・その感情を大切にするのはいいですが、相手の言動に巻き込まれすぎないことも重要です。
ここでぜひ意識していただきたいのは「自他の境界線」を引くことです。
特に部下は「仕事関係者」です。基本的には感情的に接するよりも、理性的に接した方が仕事がスムーズに進みます。
つまり、
- 相手の機嫌=あなたの責任ではない
- 相手の態度=あなたの価値とは関係ない
という視点を持つこと。
あなたもOK、わたしもOKなのです。
部下が感情的に勝手な振る舞いをしているならば、あなたは冷静に理性的な振る舞いをしましょう。
境界線、ぜひ意識をしてみてください。

3. 一人で抱え込まず「信頼できる相談先」を持つ
あなたには相談相手がいるでしょうか。パワハラに比べて部下からのハラスメントはまだ認知が低く、相談しづらい雰囲気があります。「評価に響くのでは」「自分の器が小さいと思われたら…」と心配する方も多いですが、 実は悩んでいる方は多いのです。
役職がどうであれ、ハラスメントで嫌な思いをしていることは事実。
社内外問わず、
- 同じ立場の管理職仲間
- 外部のコンサルタントやカウンセラー
- 家族やプライベートの友人
など、「安心して話せる場所」を持つことで、自分を客観的に見つめ直すことができるようになります。
4. スルースキルを身に着けつつ、記録をする
モラハラをする部下の中には、「反応を引き出すこと」を目的にしている人もいます。
焦っている姿を見たい、イライラさせたい、ご機嫌取りをするように仕向けたい…など様々です。
だからこそ、淡々と対応する「スルー」をひとつのスキルとして身に着けることをおすすめします。
- 嫌味に過剰反応しない
- 必要最低限の業務連絡だけにとどめる
- 感情的なやりとりは絶対に避ける
嫌な態度をとる部下とは仕事がしづらいですが、無理に仲良くなる必要はありません。
挨拶を無視されるなら、こんな対応はいかがでしたでしょう。
上司「〇〇さん、おはようございます!」
部下「・・・・」無視
上司「〇〇さん、おはようございます!今日もよろしくお願いします」
部下「・・・・」無視
上司「聞こえていたら嬉しいです。よろしくお願いしますね」
あなたが感じよく挨拶ができたらOKです。自分にOK!自分にGOODです。
私は実際こんな場面が何度か経験しましたが、相手の嫌な態度に飲まれないことを意識しました。
“自分が良いと思える行動を選ぶこと”
あなたが自分を貫いていれば、そのうち相手が折れることも多いです。
また、もし相手のハラスメント行動が継続・悪化している場合には、
- 発言や態度の記録
- 日時や状況のメモ
- 第三者がいる状況でやりとりをする
こういった記録をしておくことも大事です。いざというときに、自分を守る盾になります。
5. 自分の「自己承認力」を高めて、人間関係の主導権を取り戻す
ここで厳しい話しをしますが、部下ハラを受けやすい方には「自分に自信がない」「遠慮がちに仕事をしている」「部下に気を遣いすぎる」などの傾向が見られることがあります。
かつて、私がパートさんやアルバイトさんに無視をされていたのも、簡単に言えば「なめられていた」のです。自信がない、遠慮しているのを見透かされたのだと思います。
要するに、「こんな人を上司と認めない」という意思表示だったのですよね。業務上の責任者として強くなれ!というメッセージだったのかもしれません。
実際に、当時関係がギクシャクしていたアルバイトさんに困り果てたとき、私は意を決して彼女にこんなお願いをしました。
「とても仕事がしにくいです。好き嫌いの問題ではなく、お客様に喜んでもらうために、チームとして役割を果たしていきましょう」
そんな風に毅然とした態度で伝えたら、その時から彼女の態度は和らぎました。
その他にも「仕事への向上心が低い」「仕事のスキルが低い」など、部下から仕事の成果が見えない上司も部下ハラを受けやすくなります。
人間関係は、自分が蒔いた種がやがて自分に返ってくるもの。 その部下が誰に対しても同じようにハラスメントをするのか?と考えたとき、 やはり“相手を選んでいる”ケースが多いと感じます。
仕事をバリバリしていて、自分の芯を強く持っている人は部下ハラにはあいにくいものです。
自己承認力を高め、
- 自分を労い
- 自分の行動を振り返り
- 自分の意志で変化を起こす
このサイクルを回すことが、部下との信頼関係を築く大前提です。
もちろん、全員に好かれる必要はありません。 しかし、「この人は頼れるな」 「この人の言うことなら協力しよう」そう思ってもらえる信頼される上司でいることは、あなた自身を守ることにもつながります。

まとめ:部下からモラハラを受けたら「あなたの価値を守る行動」を選ぼう
いかがでしたでしょうか。部下の態度にひとりで悩んで、我慢をしすぎてきた方もいらっしゃるのではないかと思います。 あなたには、自分自身を守る権利があります。
人間関係に悩んだときには、「自分を責める」のでもなく、「相手を責める」のでもなく、メンタル面と行動を変えること。それが、最も効果的な対処法です。
部下に対しても、「お互いに敬意を持って働こう」と伝えていいのです。 そして、チームの目的は「仲良し」ではなく「成果を出すこと」だと再度意識をしましょう。
自己承認力は、そんなあなたの強力な武器になります。 ぜひご自身を認め、信じて、一歩前に進んでみてください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)