こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「年上部下の反抗的な態度に困っている…」
「めんどくさい年上部下との接し方がわからない…」

こんなお悩みをお持ちではありませんか?

職場で年上の部下を持つ管理職の方にとって、年齢差がある部下との関係は悩みの種になりやすいですよね。特に、反抗的な態度を取られると、やりづらくてストレスを感じることもあると思います。

今回は、年上部下の「めんどくさい反抗的な態度」に対応するための5つの秘訣をご紹介します。上司として感情的にならず、適切な対応をすることで、関係性を改善し、より良い職場環境をつくるヒントとなれば幸いです。


1. 相手を尊重する「上司の振る舞い」

真っ先に確認したいのは、ご自身の「振る舞い」です。自分は上、相手は自分の下、という思い込みはありませんか。「上司」「部下」上下という字は使いますが、これは組織図の話で、主に対外的に使うものと捉えると良いかと思います。

「役職=役割」役職が異なるということは、能力や人格の差ではなく、役割が異なることを表しています。役職が上がると急に言葉や態度が大きくなる方がいますが「人としての上下はない」ということを頭に入れておきたいものです。ましてや年上部下は、人生の先輩です。気遣うことはあっても、「部下だから」と横柄な態度をとるのは違いますよね。

私は20代の頃に初めて管理職になりました。周りの誰よりも仕事が出来たかと言えばそうではありません。私よりも能力の高い社員さん、パートさんやアルバイトさんはたくさんいました。役割として、マネジメントをすることになったのです。会社経営をするのが経営陣、管理するのが管理職、現場を任されるのが社員さんやパートさんです。チームの管理者として、何かトラブルがあったときには矢面に立ったり、皆さんを守る責任はありますが、私は一緒に働く仲間を「部下」「自分の下」と考えたことはありません。

「役職=役割」この認識を持っていれば、上から目線で指示をしたり「やらせる」「動かす」「使う」という言葉は出てこないものです。もしも、あなたがこれらの言葉をつかっているのであれば、そこから見直すことをおすすめします。

年上部下の多くは、「偉そうに指示されること」に抵抗を感じます。反抗的な態度をとる背景には、あなたの「言葉や態度」が原因としてあるのかもしれません。

  • 過去の経験や実績を認めていますか
    「◯◯さんのご経験があるからこそ、この仕事がスムーズに進んでいます」と伝える。
  • 敬意をもってコミュニケーションをしていますか?
    「~してもらえますか?」「~をお願いできますか?」と依頼形で指示を出す。
  • 上から目線の言葉や態度になっていませんか?
    「◯◯さんの意見を聞かせてください」と、相談する姿勢を見せる。

2. 日々の積み重ねで信頼関係を築く

新たに上司になったばかりのときや、これまで相手との関係が浅かった場合「この人の言うことを聞いていいのか?」と距離を置かれてしまうことがあります。どんな上司かもわからないのに、あれこれと指示をされると不愉快になる気持ちもわかります。

これまでご自身が、感じの良い【自己紹介】をして、【自分がどんな人間か】【どんな目標があるか】など、情報を伝えていただろうか?ということも確認をなさってみてください。

ある管理職の方が部署異動になったときのこんなエピソードがあります。初日にバタバタとしてしまい、部署の方全員にしっかりとした挨拶が出来なかったそうです。その日以来、ベテランさんが「新しい上司は、まともに挨拶もしない」と態度が冷たくなったのだとか。徐々に信頼関係を築いていって、その後打ち解けたようですが、やはり「最初の印象」はとても大事なのです。

年上部下の方と距離があると感じている方は、日々のコミュニケーションで信頼関係を築いていきましょう。具体的なポイントは、以下の3つです。

  1. 仕事以外の会話を増やす
    仕事の話ばかりではなく、相手の興味や経験に触れる会話を意識する。例えば、「◯◯さんのこれまでのご経験を教えてください」「〇〇さん、学生時代なにかスポーツとかされてましたか」など。
  2. 細かいことでも感謝を伝える
    「ありがとうございます」「とても助かりました」など、日々の仕事の中で意識的に感謝を伝えます。
  3. 一貫した態度
    言うことが日によって変わったり、人によって対応にムラがあると、相手は「この人は信用できるのか?」と不安を感じます。締め切りを守ったり、約束を守ることも大事です。

このように、日々の小さな行動を積み重ねていくことで信頼関係が築かれていきます。少し時間はかかりますが、あなたの誠実さや思いやりを伝えることで、関係性は変わりますので継続をなさってみてください。


3. 「対応パターン」を用意する

年上・年下関係なく、部下の反抗的な態度に対して上司が一番避けたいのが「怒り」。感情的になり、怒鳴ったり物に八つ当たりをする姿を見せるのは最悪です。そのリスクを回避するために、おすすめしたいのが、「対応のパターン」を用意しておくことです。
部下に何かをお願いしたり、相談をする前に「反抗される・否定される」という前提で、対応を考えておきましょう。

例:これまでの作業を「新しいやり方に変える」ことに対し、否定的な態度をとられたら・・・

  • パターン1:相手を受け入れ、別な提案をする
     「なるほど、そういう考えもありますね。では、こういう方法はいかがですか?」
  • パターン2:相手の気持ちに寄り添い、理由・詳細を伝える
     「確かにこれまでのやり方に慣れていると、新しい方法はやりにくいですよね。お気持ちわかります。では今回、なぜこの新しい方法になったかというと・・・」
  • パターン3:お試し・期間限定でお願いする
    「色々思われると思うんですけど、1回試しでやってみませんか?1週間だけでいいのでお願いします」

めんどくさい反抗的な態度には、感情で返さないことが鉄則です。冷静でいられないときには、「わかりました。では、一旦持ち帰りますね!」と、明るく話を終わらせることもひとつです。


4. 相手の強みを引き出し、活かす

年上部下が反抗的な態度をとる原因の一つに、「今の職場で自分の価値を感じていない」ことがあります。特に、会社の方針が変わったり、新しいシステムが導入されたりすると、「自分のやり方はもう通用しないのか」と不安を感じ、態度が強くなることがあります。
若い人についていけない、覚えられない、もう体力がない、そんな自信のなさから「そんなことやりたくない」と、指示に反発をする方もいます。

そこを意識したいのが、「相手の強みや価値を引き出し、それを活かすこと」です

  • 「これまでの経験を活かせる場面をつくる」
     「◯◯さんが前のプロジェクトでやっていた方法、今回活かせそうです!」
  • 「頼る・感謝する」
     「◯◯さんのアドバイス、助かりました!やはり経験があるからこその視点ですね」
  • 「指導側に回ってもらう」
     「△△さんがまだ業務に慣れていないので、◯◯さんの経験を相談してフォローをお願いできませんか?」

得意分野の仕事を任せることは、年齢関係なく部下が輝くきっかけとなります。それぞれの得意分野を意識をして、仕事を任せてみましょう。

5. 自分自身の「自己承認力」を高める

最後に、上司自身の自己承認力を高めることです。部下の反抗的な態度に振り回されないためには、自分ん感情をコントロールする必要があります。
ここで、一度考えてみてください。「なぜ、この部下に対して“めんどくさい”と感じるのだろう?」
実は、相手の態度が変わらなくても「自分の受け取り方」が変わるだけで、関係性が変わることがあります。

なぜ自分は年上部下が苦手なのか?を振り返る

苦手な気持ちを振り返って分析してみましょう。嫌だ、苦手、面倒…という感情を「思考」に切り替えるイメージです。例えば、こんな感じです。

  • 「この人は否定してばかりで嫌だ」
    → 「口調が強いが、自分の意見を言っているだけかもしれない」
  • 「昔のやり方に固執していて、頑固すぎる」
    → 「自分のやり方を受け入れてもらえないことに不安を感じているのかも」
  • 「何を言っても反抗的な態度をとる」
    → 「素直に聞いてほしい、と自分がコントロールしようとしすぎている?」

このように、「なぜイライラするのか?」「なぜめんどくさいと感じるのか?」を振り返ることで、自分の感情の癖に気がつけます。実は相手の問題ではなく、自身の「受け取り方」「思い込み」に原因があることも多いのです。

「部下は上司の言うことを聞くべきだ」「部下は反抗してはいけない」など、「~すべき」「~してはいけない」そんな思い込みを強く持っているとイライラしやすくなります。

「部下は上司と意見を言い合ってもいい」「むしろ意見を何も言ってくれなくなった方が困る」「上司と部下、価値観が違って当然」そんな風に少しずつ、ご自身の思い込みを緩めてみてはいかがでしょうか。

相手に振り回されないために「自己承認力」を高める

自己承認力が高い上司ほど、部下の態度に一喜一憂せず、冷静に対応できるものです。では、自己承認力を高めるためにはどうすればいいのでしょうか?

「自分はどう感じているのか?」を客観的に観察する
「まためんどくさい態度を取られた!」と思ったとき、「今、自分は何を感じているのか?」を振り返る癖をつけましょう。「不快だ」「ストレスだ」「否定されているように感じる」など、自分の感情を整理することで冷静になれます。

「相手は本当に悪意があるのか?」を考える
反抗的な態度に見えても、相手が本当に「上司に反抗したい」と思っているとは限りません。「もしかしたら、不安やプライドが原因かもしれない」と考えるだけで、気持ちが楽になります。

「相手を変えようとしすぎていないか?」を振り返る
「こうあるべき」という理想が強すぎると、相手がその通りに動かないとストレスになります。「自分が変えられるのは、自分の考え方だけ」と割り切ることで、無駄なイライラを減らすことができます。

「めんどくさい」と思ったときは、自分をねぎらう
苦手な相手と向き合うのは、誰にとってもストレスです。だからこそ、「今日もよく耐えた!」「自分なりに工夫した!」と、自分自身を労うことが大切です。


まとめ:年上部下は最強の味方になる!

いかがでしたでしょうか。年上部下の「めんどくさい反抗的な態度」は、ストレスが大きくかかりますよね。だからこそ、対処法をいくつか知っておくといいかもしれません。

実は、私も反抗的な60代のパートさんに手を焼いた時期がありました。何をするにも言い返されて、悔しくて泣いたこともあります。当時の私は、感情に振り回されていました。振り返ると、やはり相手を尊重出来ていなかったのだと思います。試行錯誤して、毎日パートさんに話しかけて関係を築きながら、得意分野を任せることにしました。毎日相手の意見を聞いて、自分の意見を伝える。そうするとお互いに性格がわかってくるもので、数か月後にはとても良い関係を築くことが出来ました。

関係性が築ければ「年上部下は最強の味方」になってくれます。経験も知識も豊富で、とても頼りがいがある心強い存在です。イメージとしては、「相手の懐に入る」という感じで接すると良いかと思います。今回、ご紹介した5つの秘訣はこちらです。

  1. 相手を尊重する「上司の振る舞い」
  2. 日々の積み重ねで信頼関係を築く
  3. 「対応パターン」を用意する
  4. 相手の強みを引き出し、活かす
  5. 自分自身の「自己承認力」を高める

特に、最後の「自己承認力を高める」ことは、どんな部下との関係でも役立ちます。「めんどくさい」と感じる相手こそ、自分の成長のチャンスと考え、視点を変えてみることで、部下との関係が劇的に変わることもあります。一緒に前に進んでいきましょう!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう。