こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みくださりありがとうございます!

突然ですが、部下の方との面談でこんなご経験はありませんか?

「面談が始まったけど、何から話せばいいか分からず気まずい…」
「ノウハウ本に書いていた天気やニュースの話を振っても微妙…」
「雑談がよくわからず、相手が緊張したまま…」

わかります!そのお気持ち、よくわかります。私もお互いに緊張感のあるままで面談をしてしまい、最後まで部下の本音を聞くことが出来ずに終わった経験があります。消化不良となり、あまり意味のない時間を過ごしてしまいました。

1on1ミーティングが流行した数年前は、特にこの「アイスブレイク」につまずいて、1on1自体を止めてしまった管理職の方も多かったように思います。

部下との会話・面談は、双方の気持ちが大きく影響します。上司だけが盛り上げようとしても、うまく行かないのは当然なのです。そこで、今回は「心理的安全性」を意識した、面談で使える「アイスブレイクのコツ」をご紹介いたします。
元々コミュニケーションが苦手な私が結果が出せた、どなたでも出来る簡単な10個のスキルです。こちらは、部下とのコミュニケーションに限らず、商談や婚活にも使える内容ですので、ぜひお試しになってみてくださいね。


心理的安全性を意識したアイスブレイクのポイント

アイスブレイクの目的は、相手が「ここなら安心して話せる」と感じてもらうことです。そのために、重要なのは以下の3つです。

  1. 相手の緊張を和らげる穏やかな雰囲気づくり
    声のトーンや話し方をゆっくりとし、やわらかい表情で接することが大切です。
  2. 話のきっかけを与えるが、無理に話させない
    沈黙があっても「何か話さないと!」と焦らず、相手が自然に口を開けるのを待つ余裕を持ちましょう。
  3. 相手の負担にならないシンプルなテーマから始める
    返答に考え込む必要のない話題を選ぶことで、相手もリラックスできます。

会話を盛り上げよう!と意気込むのではなく、相手に安心してもらうことを考えながら表情や声のトーンなども意識してみましょう。

自然に始められるアイスブレイクのコツ

1. 相手と同じ視点で話してみる

会話のきっかけとして、何か共通の対象物の話を振ってみましょう。相手と同じ物を見ながら話をするのです。

  • 部屋の中のちょっとしたもの
    「久々にこの部屋に入ったけど、明るくていいよね。〇〇さんはいつぶり?」「この観葉植物、最近元気になったと思わない?」など、目に入ったものを軽く話題にしてみましょう。
  • 面談用に用意した資料やメモを使う
    あらかじめ話をする内容を資料として渡しておくのもおすすめです。目的を事前に共有できるので、相手も不安にならずに済みます。「この資料見てもらえた?ありがとう」と、感謝を伝えながら自然に話をスタート。そこから「このポイント、どう思った?」と広げてもOKです。

2. お菓子や飲み物を用意する

可能であれば用意することがおすすめなのは、物理的に緊張感を和らげる効果があるお菓子や飲み物です。飲み物を何種類か用意して「どれがいい?」と、相手の好みで選んでもらうのもいいです。

  • お菓子を一緒に選ぶ・開ける
    「これ、最近コンビニで見つけたんだけど食べたことある?」と話しかけることで、相手も「え、初めて見ました!」などと反応しやすくなります。お菓子を選ぶ時間が自然と雑談の場になります。
  • 季節感を取り入れたもの
    季節限定のお菓子や飲み物を用意すると、「この時期のこれ、毎年楽しみなんだよね」など、話題が作りやすくなります。

3. 自分の軽い話題を先に話す

コミュニケーション上手な人は、何でもない話を気楽に相手に話します。面白い話をしよう、相手が興味がある話をしよう、と気負う必要はありません。

  • 「今日、寝違えちゃったみたいなんだよね」「昨日から肩が痛くてさ~」
    自分の軽い不健康エピソードを明るく話すことで、相手も「そんなことありますよね」と気楽に反応できます。反対に、「なんか今日、めちゃくちゃ体調良いんだよね!」も雰囲気が良くなります。
  • 「昨日、子どもの宿題見てたけど全然わからなくてさぁ」「最近、料理にハマってるんだよ」
    仕事と関係ない話題を入れることもおすすめです。

4. 相手の「持ち物」を話題にする

相手が持っているものに目を向けてみましょう。相手の好みやこだわりが見えたりして、会話が広がるかもしれません。

  • 「そのペン、いいね!小物にも気を遣ってるんだね」
    シンプルですが、相手が使っているものや身につけているものに触れることで、すぐに会話がスタートします。
  • 「使いやすそうな手帳使ってるね。どこのやつ?」
    手帳やスマホカバーなど、相手の個性が出やすいものを褒めると、自然に話が弾みます。

5. 部下の最近の「仕事ぶり」を話題にする

普段の観察力を活かして、「最近の仕事ぶり」に触れるのも効果的です。

  • 「この前、会議で話してた○○の件、良かったね!」
    部下が直近で関わったプロジェクトや発表に触れると、「ちゃんと見てくれているんだ」と感じてもらえます。
  • 「この間、○○会社さんとの仕事大変だったでしょう。お疲れ様」
    共通の同僚や取引先とのやり取りをきっかけにすることで、無理なく会話が広がります。

6. 声をかけながら何か一緒に作業をする

面談を始める前にテーブルセッティングをするなど、何か一緒に出来る作業を入れてはいかがでしょう。

  • 「この〇〇、ちょっと手伝ってもらえる?」
    「空気の入れ替えするから、窓開けるの手伝ってくれる?そっちの窓お願いします」と同じ作業をしてから、面談をするのもおすすめです。手伝ってもらったら、お礼を言いつつ和やかに面談に入りましょう。
  • 「〇〇を一緒に確認しようか」
    「今度使うチェックリスト、一緒に確認してもらっていい?」「この資料、一緒に順番に見ていこうか」面談を始める前に、ささっと手を動かす作業やチェックリストなどを一緒に進めると、自然と会話が続きやすいです。

7. 相手の「変化」に気づいて声をかける

日々の部下の様子を観察し、小さな変化を話題にするのもおすすめです。

  • 「〇〇さん、いつもおしゃれですよね。今日のネクタイも似合います」
    身だしなみや雰囲気の変化に触れると、相手は「気にかけてもらっている」と感じやすいです。
  • 「最近、残業続いてたけど体調はどんな感じ?」
    相手の負担を気遣う一言を添えると、すぐに会話が始まります。

8. 明るいテーマの報告をする

チームの成果、自身のプライベートの明るいニュースなどを軽く報告をしながら場を和ませていきましょう。

  • 「おかげさまで、今チーム全体の数字がよくてね。いつも協力ありがとう」
    チーム全体に向けて、正式な数字や結果の報告をすることはあると思いますが、ちょっとした場で改めて「一人一人のちからがあってこそです。〇〇さん、本当にありがとうございます」そんな気持ちを伝えることも大事です。
  • 「実は最近、▢▢の資格に合格したんだよ」「昨日、娘の誕生日でね」
    明るいトピックなら、相手も「おめでとうございます!お祝いですね」と気軽に反応できます。相手も興味がある内容なら、「どんな試験だったんですか?」「娘さんおいくつになったんですか?」など、質問があるかもしれません。

9. 予定や日常に触れる質問をする

近い未来の予定や日常生活について触れる質問は、相手が答えやすい話題です。考え込まずに気軽に話せるテーマを選びましょう。

  • 「昼ご飯はいつもどうしてるの?」
    シンプルでありながら、プライベートすぎないので話しやすいです。「食堂の〇〇美味しいよね」「コンビニ行ったり、ちょっと外出ると息抜きになるね」など、どんな返答にも肯定的に返しましょう。くれぐれも「自分でお弁当作らなきゃだめだよ」「経済的じゃないね」なんて、お説教モードにならないように注意です。
  • 「最近、〇〇線の混み具合どう?」
    出勤時の道路事情や電車の様子など、毎日の生活に関わる話題は誰でも自然と話しやすいです。「僕は車なんだけど、最近道路が混んでいるから早めに家出るようにしたよ」など、自分の話も伝えましょう。毎日満員電車に長時間乗っている部下の方は、毎朝ストレスと闘いながら出勤していることも把握できます。

10. 時期や時間を話題にする

時間に関連する話題も、気軽に始めやすいテーマです。特に「過去」「未来」「その日のスケジュール」に関連した質問が効果的です。

  • 「今日の面談は大体〇〇分くらいかな。終わった後は、どんな予定?」
    面談が終わったあとに部下の方に予定がある場合は、早めに切り上げる工夫が出来ます。今後の予定を確認することで、仕事の指示出しもしやすくなりますね。
  • 「この前の面談は先月だったね」「あっという間に1か月経ったね」
    前回はこの話題だったよね、と過去を振り返りながら自然に面談に入っていける流れを作れます。季節の移り変わりに触れることもおすすめです。

自己承認力がアイスブレイク成功のカギ

アイスブレイクをうまく活用するには、実は上司ご自身の心の状態がとても大切です。例えば、「これを言って嫌われたらどうしよう」とか「話をちゃんと盛り上げなくては!」と考えすぎると、どうしてもその緊張感が相手に伝わってしまい、結果的に会話がぎこちなくなりがちです。
逆に「自分は何を話しても大丈夫」「相手にとっても有意義な時間となる」といった自己承認の感覚を持ちながら、話をすると自然と会話が弾みます。

面談は、完璧なトークを求める場ではありません。むしろ、ちょっとした沈黙や言葉選びのミスも、「人間らしさ」として相手に安心感を与えることがあります。大事なのは、自分を否定せず「自分はこのままで大丈夫」と思えること。そして、部下との会話が完璧でなくても、穏やかに相手を受け入れようという気持ちを大切にすることです。

アイスブレイクの本質は、相手の緊張を和らげることですが、そのためにはまず自分がリラックスすることが一番の近道です。「うまくやらなければ」と気負わず、できる範囲で一歩踏み出す心構えが、面談の成功につながります。

まとめ:自己承認力を活かした会話術を!

  1. 「相手と同じ視点で話してみる」(資料や観葉植物を話題に)
  2. 「お菓子や飲み物を用意する」(一緒に選んだり、季節感を楽しむ)
  3. 「自分の軽い話題を先に話す」(明るいエピソードで笑顔を引き出す)
  4. 「相手の持ち物を話題にする」(ペンや手帳など、身近なアイテムを話題に)
  5. 「部下の最近の仕事ぶりを話題にする」(会議やプロジェクトの貢献を褒める)
  6. 「声をかけながら何か一緒に作業をする」(書類チェックや簡単な準備を手伝ってもらう)
  7. 「相手の変化に気づいて声をかける」(髪型や服装、仕事の忙しさを気遣う)
  8. 「明るいテーマの報告をする」(チームの成果や明るいトピック)
  9. 「予定や日常に触れる質問をする」(週末の予定や通勤の話)
  10. 「時期や時間を話題にする」(その日の予定や食事の話題で軽く始める)

いかがでしたでしょうか。アイスブレイクは、あくまで「相手の心を開くきっかけ」です。プライベートな話題が苦手な場合は、仕事の話題から始めましょう。「感謝」「承認」「共感」の3つを意識していくと、心理的安全性の高い面談ができるはずです。
アイスブレイクは、形式張ったものや深い話ではなく、「目の前のもの」「その場の空気」「身近な話題」をさりげなく使うことがポイントです。

面談は、「相手のことをより知るための時間」です。上司が部下の方に興味を持って、「穏やかさ」「微笑み」「心の余裕」を意識して話を聴いていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!
本日もあなたを応援しております!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)/