こんにちは!
自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「リーダーシップはなぜ必要か?」と問われたら、私の結論はシンプルです。
変化の中で立ち止まらず、チームが前に進み続けるため。

正解が一つに定まらない時代に、私たちは迷いながらも仮説で動き、修正しながら歩みを進めていきます
そのプロセス全体を推進する力こそがリーダーシップです。

今回は、現場で実際に使える視点として「変化対応と成長の原則3選」を軸に、
リーダーシップがなぜ必要かをわかりやすく整理していきます。

私自身の体験も交えながら“誰でも・いつでも”発揮できるリーダーシップ像を一緒にみていきましょう。


結論:なぜ今、リーダーシップが必須なのか

働き方が多様化し、世代や価値観、技術、顧客ニーズが恐ろしい速さで変化しています。「昨日までのやり方」が通用しない場面も今後ますます増えていくことでしょう。

そこでリーダーに求められるのは、「ミスのない完璧な判断力」や「圧倒的カリスマ性」ではないと思うのです。チームの迷いを“次の一歩”へと変える推進力、それがリーダーシップと言えるのではないでしょうか。

目的を言語化し、メンバーの関係性を整え、挑戦する背中を押す。
結果として、変化の波に飲み込まれず、学び・成長し続ける組織へとアップデートできます。


リーダーシップの定義と「さまざまなかたち」

簡単に言えば、リーダーシップとは「人や組織を目標達成に導く影響力」のこと。
肩書きや立場に限定されず、周囲に良い影響を与える関わり方の総称です。

だからこそ、リーダーシップにはさまざまなかたちがあります。

  • 前に立って引っ張る人
  • 静かに背中で示す人
  • 対話で方向を整える人
  • 場を調整して機能させる人

どのスタイルも立派なリーダーシップです。
大切なのは、「今の状況に合う関わり方を選び、使い分けられる柔軟性」

なお、基本の定義や用語整理は、以前のコラムでも詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

原則①:変化を止めない方向づけの力

リーダーの最初の仕事は「どこへ向かうか」を示すこと。
正解が断定できなくても、仮説で動き、学びを重ね、修正を繰り返しながら目的に向かって進みます。

ここで意識したいのは、次の3つです。

  1. 目的を言葉にする
     何のためにやるのか。成果の定義は何か。背景や期待値まで含めて共有する。
  2. 共に考える
     一人で決めない。現場の知見を集め、参加感を高めるほど実行力が上がる。
  3. 修正を恐れない
     「やってみて違ったら変える」を堂々と宣言する。間違いを認める姿勢は信頼の源です。

今は、完璧主義よりも可動主義。
意思決定の速度と、フィードバックからの修正能力が、変化に強いチームをつくります。


原則②:人を動かす信頼関係の力

役職が付き始めたころ、張り切った私は大きな間違いをしてしまいました。
「私がチームを動かすんだ」と、周りの方々に指示を出しまくっていたのです。
人を動かすのに大事なことは、指示ではなく「信頼」です。

信頼は日常の小さな積み重ねでしか育ちません。
細やかに声をかける、小さな約束を守る、進捗や困りごとをこまめに聴く、感謝を言葉にする。
こうした“当たり前の積み重ね”が、誰もが安心して能力を発揮できる職場をつくります。

ミスは責めずに、再発を防ぐ対策をみんなで考える。価値観が異なる意見も否定しない。
結果だけでなくプロセスを承認する。これらが揃うと、メンバーの自発性は確実に高まります。


原則③:成長を支える挑戦支援の力

壁にぶつかった部下に対して「なぜできないの?」ではなく、「どうすればできるか考えよう」と声をかける。こうした上司の言葉かけ一つで、相手の思考が未来に向きます。

挑戦支援は、次の3ステップで設計すると効果的です。

Step1:小さな目標から始める
いきなり大仕事ではなく、到達可能な中間ゴールで手応えを積ませる。

Step2:変化を言葉で見える化する
「前より早くなった」「判断の質が上がった」など、過去比の成長を具体的に承認する。

Step3:任せて見守る
口を出し過ぎない。失敗のリスク範囲を想定したうえで、裁量と責任を渡す。

「できた」という体感の連続が、さらに前に進む自信を育みます。
支援とは、先回りして正解を与えることではなく、自走できる力を高めアプローチです。


私の体験:日常に宿るリーダーシップと「見守る上司」

20代で役職についたときには、「私が前に立って引っ張らなくちゃ」「私がやらなくちゃ」と、かなり力んでいました。しかし、今は「リーダーシップは誰でも・いつでも発揮できる」と実感しています。

たとえば、数名で作業をしていて全体に疲れが出始めたとき、
みんなの様子に気づいて「そろそろ休憩しようか?」と声をかける。

会議で発言が止まったときに、「〇〇さんはどう思う?」と促す。
複数人が集まる場で、「少しでも良い方向に進めよう」と自分の動き方を工夫する。

どなたもご経験があることではないでしょうか。

これらはすべてリーダーシップの一部ですし、自分がリーダーでなくても、「協力しよう」と思って動くことも立派なリーダーシップです。

私が飲食店で勤務していた頃、父親くらいの年齢の尊敬する上司がいました。
その方のスタイルは、部下には細かい指示を出さずに、成長を見守っていくというもの。
温かい環境のもと、おかげさまで私は伸び伸び働かせていただきました。

その上司は、誰かが困っていたらいち早く気づき、フォローしてくれましたし、トラブルがあったときには誰よりも先に頭を下げてくれました。頼もしく、家族のようにチームを包み込む雰囲気でした。

その上司のもとで、何人もの社員が育ち、アルバイトからの社員登用も増えました。
「大声をあげて引っ張らなくても、人はついていく」。
信頼という在り方そのものが、人を動かすのだと学びました。


明日からできる5つのリーダーシップ

いかがでしたでしょうか。
さらにリーダーシップを高めたい方におすすめの5つです。
できそうなものから、ぜひ実践してみてください。きっとお役に立つはずです。

  1. 目的の一言化:「なぜ・何を」を30秒で伝える練習をする
  2. 感謝の見える化:今日中に3名へ、具体的に感謝を伝える
  3. 仮説で動く:「まずやってみて、後日見直す」サイクルを作る
  4. 任せ方の見直し:小さな裁量+確認ポイントを事前に決める
  5. 成長の言語化:「この1か月で変わったこと」を部下に伝える

目的を明確に示し、メンバーに感謝をしながら、行動のスピードを上げ、仕事を任せる。
そして、進捗確認と「承認」をこまめに行う。

これらの実践が少しずつチームの空気を変え、信頼の循環を生み出します。

リーダーシップは「人や組織を目標達成に導く影響力」
その形は一つではなく、状況に応じて選び、使い分けるスキルです。

変化に立ち止まらないための方向づけ、信頼にもとづく関係づくり、
挑戦を可能にする支援。この3つの原則を回すことで、チームは自走し始めます。

あなたのリーダーシップは、もうすでに始まっています。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)