いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。
自己承認力コンサルタント協会の尾形さくらです。

今回は「部下の残業」について一緒に考えていきましょう。


部下の皆様の残業状況はいかがでしょうか。

・残業時間が多い
・残業をしたがる


そんなお悩みを持つ方もいらっしゃれば

反対に、部下に残業を頼みたいけれど
お願いすると嫌がるので困っている・・・という方も
いらっしゃると思います。

「サービス残業は当たり前」
「長時間勤務はやる気がある証拠」

そんな価値観はとっくに終わりを告げ、
部下の勤務時間管理も上司の大事な仕事のひとつになりました。


仕事が時間内に終わらない。
早く帰るよう指示を出しても、一向に改善しない。


「部下の仕事が遅い?やる気がない?意識が低い?」
それは思い込みかもしれません。

今回は、部下の皆さんの残業を少しでも減らすために、
上司としてできるサポート方法を一緒に考えてみましょう。

部下の残業が多い理由とは? 残業をしたがる心理を読み解く

残業が多い部下の皆さんをサポートするためには、
その原因をしっかり理解することが大事です。

ただ単に「残業時間を減らして」とお願いをしても、
根本的な解決にはならないことが多いです。

では、どのように原因を探っていけばいいでしょうか?

部下の方が残業をする理由は、人それぞれ異なります。

・仕事の量が多すぎる
・苦手な業務で効率が上がらない
・責任感が強すぎて頑張りすぎている
・騒音、おしゃべりなど職場環境
・睡眠不足、体調不良


他にも
・もっと成長したい!という熱意がある
・上司が定時で帰らない
・家庭がうまく行っておらず自宅に帰りたくない
・残業代を稼ぎたい


など、様々です。

このような背景を理解するためには、
まずは部下の方と率直に話をすることが大切です。

残業対策をしたいのなら、状況を把握することから始めましょう。

部下の残業が多いと生産性は上がる? 残業のデメリットと影響

残業のデメリットについて、部下の方々に伝えていらっしゃいますか。
企業として人件費がかかるだけではありませんよね。

長時間勤務は集中力を低下させ、ミスが増える可能性が高まります。
生活習慣が乱れてストレスが溜まったり、健康を損なうリスクもあります。

残業することが常態化しているチームは、
疲労が蓄積して作業効率が悪く、仕事の生産性が低くなることが多いです。

私自身も経験があることですが、
時間内に仕事を終わらせる意識がなくなり
「1~2時間残業して終わらせればいいか」と、考えて
作業スピードが下がってしまうのです。

残業をすることで生産性が低くなり、また残業を生む。
そんな悪循環は断ち切りたいですよね。

失敗から学ぶ!部下の残業を減らすコミュニケーション術

ではここで、部下の残業を減らすコミュニケーションに関しての
私の失敗経験を紹介させてください。

かつて、私は残業が多い部下の方に対して、
正しいサポートができなかった経験があります。

まず、私が考えたのは部下への声がけを増やすことでした。

「今日は何時くらいに終わりそう?」
「残業するの?もう少し計画的に仕事していくといいよ」
「もう帰社時間だよ、早く帰ってゆっくりしてね」

こんな感じでこまめに声をかけるようにしました。

出来るだけプレッシャーや嫌味にならないように
声のトーンや表情にも気を付けて声をかけたので、
アプローチとしては悪くないと思っていました。

しかし・・・
結果は全く改善が見られませんでした。

正直なところ、そのときは部下が
「時間通りに仕事する気がないのかな?」と考えていたのですが

実は私のアプローチが間違っていたのです。


何を間違えていたと思いますか?


それは・・・
「声をかけるタイミング」です。



当初、私が声をかけていたのは終業時間が近づいてきたころ

部下の方の様子を見て
「このままだと残業するだろうなぁ」と感じたときでした。


終業間際は、本人も心の中では
「もうこんな時間だ、早く終わらせなきゃ」と焦っているはずです。

そんなタイミングで上司から声をかけられても
状況は改善しませんよね。

まるで夏休みの最終日に、
宿題早く終わらせてねって言われるようなもの・・・

今振り返ると、あれは完全にNGなアプローチでした。


部下の残業を減らしながらモチベーションアップさせる方法

失敗経験は、成功経験につながります!

あるとき、もしやタイミングが悪いのか?と気がついた私は
【先手を打ってアプローチ!】に切り替えました。


すると・・・驚くほどの効果が現れました。

その日から部下の方の残業時間が徐々に減り始め、
3か月後には残業ゼロが当たり前となりました。(繁忙期は除きます)

残業がなくなれば、プライベートが充実します。

仕事の後にデートや家族との時間、飲み会などの
楽しみがあれば、業務の効率も上がるものです。

部下の仕事に対するモチベーションも自然と向上していきました。


実際に行った具体的な私のアプローチ方法は、こんな感じです。

朝礼が終わったときに
「今日のスケジュールはどんな感じ?」と声をかける。

11時頃に
「今日はお昼前にこれを終わらせて、午後はこの予定だよね?
じゃあ18時に一緒にパソコン切るの目標にしよう」と
具体的な目標を共有する。

一日のゴールを早めに設定すれば、
午前中から逆算して動いてもらうことが出来ます。

部下の残業を劇的に変える上司の2つの確認事項とは?

前項でお伝えした通り、上司からのアプローチは「午前中」がおすすめ。
部下の方も心に余裕があり、指示を受け止めやすい時間帯です。

部下指導・育成は、部下の成長のための支援

指示の出しっぱなしにならないよう、
導き、確認し、評価する。導き、確認し、評価する。
ここまでで1セットです。

部下の方の残業を減らしつつ、
仕事に対するモチベーションを高めたいならば

1.優先順位の確認
2.進捗状況の確認


この2つの確認は、必ず行いましょう。
毎日面談をする必要はありません。

「今、〇〇さんが取り掛かっている仕事は何件くらいある?」
「〇〇さん、週末締切の提出書類なんだけど何割くらい出来てる?」
「〇〇さん、Aの仕事は何日くらいに完了しそう?」

すれ違いざまにちょっとした会話をするだけで、
部下の方の思考は整理されます。

2つの確認が出来たら
「わかった!よろしく頼むね、ありがとう」
「ありがとうございます!引き続き、お願いします」
状況を教えてくれたお礼を伝えましょう。

業務を多数抱えている部下には
仕事を事前に調整するサポートをして差し上げてください。


常態化した残業時間を改善させるには、
部下を焦らせるよりも
「心に余裕を持たせること」がカギとなります。


部下の方の気持ちが切り替わり、残業が改善されてきたら
ご本人がかなり頑張った証拠です。

一緒に喜ぶ、感謝する、褒める、評価することもお忘れなく。

あなたは部下の残業を適切に管理できている?セルフチェック

ここまでの内容を振り返り、残業時間に対する意識が高いチーム作りが出来ているか
あなたの上司力をチェックをしていきましょう。

No. チェック項目
1部下の現在の残業状況を定期的に確認し、把握していますか?
2部下と慎重に会話をし、業務の進捗や抱えている問題を認識していますか?
3部下が残業する理由について、丁寧に聞き、解決策を見つけましたか?
4部下と一緒に業務の優先順位を確認し、
効率よく仕事を進めるための指導を行っていますか?
5朝や午前中に声かけやタスクの整理をして、
部下のの一日のスケジュールをサポートしていますか?
6「これやっておいて」といった急な仕事の依頼が午後に偏らないように意識していますか?
7部下に負担が偏らないよう、業務の分担やチーム全体の調整を行っていますか?
8残業が発生しそうな場合、事前に調整やサポートを行い、
残業を減らすための対策をしていますか?
9部下の疲労やストレスを正しく観察し、必要なフォローをしていますか?
10自分の残業を減らし、模範となる働き方を部下に示していますか?

いくつ当てはまりましたか?チェック結果

6個以下:残業の多さや仕事の進め方について、部下の方にとって改善できる点がありそうです。
定期的な面談や業務の進捗確認を通じて、部下の方が効率的に仕事を進められるように、上司としてのアプローチを見直してみてはいかがでしょうか。

7~8個:上司として良い働きかけができています!さらに良くするならば、「午前中の声かけ」や「負担の分散」に目を向けると、部下の方の業務がさらに円滑に進みそうです。

9~10個:あなたは部下がスムーズに仕事を進められるよう、十分なサポートをしている理想的な上司!引き続き、部下とのコミュニケーションを大事にしながら、ワークライフバランスの良い職場作りを目指しましょう。

まとめ:部下の残業時間を減らし、チームを守ろう

いかがでしたでしょうか。

今回は、部下の残業をテーマに
上司としてどんな働きかけが出来るか?をご紹介いたしました。

残業をすることが必ずしも悪いわけではありません。
もっと成長したい!もっとチームの役に立ちたい!という熱意があるから
残業時間が増える方もいらっしゃると思うのです。

私自身も「絶対に結果を出したい!」と、
時間を気にせずにバリバリ働くこともあります。

寝食を後回しにして、夢中で朝から深夜まで働いて
成果を出した時の達成感もよくわかります。

しかし、それは長続きはしない働き方です。

今回ご紹介したのは、ほんの一例です。
部下の方が持っているスキルや性格によって
効果的なアプローチの仕方は変わりますので
いろいろと試してみてくださいね。

あなたのチームの心身を守るために、
勤務時間管理に積極的に取り組む上司でありたいものですね。

明日から意識したい3つのこと
・朝に部下に声をかけ、スケジュールを確認する
・仕事の進捗具合を確認する
・仕事の優先順位を一緒に確認、すり合わせをする

一緒に挑戦していきましょう!
本日もあなたを応援しております!
では、また次のコラムで(^^)/