こんにちは!
自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「業務効率化を進めたいのに、なぜか現場が回らない」
「仕組みは整えているのに、忙しさが減らない」
管理職の方から、こんなお声をよく伺います。
実はその背景には、業務そのものではなく、人材育成との関係性が隠れていることが少なくありません。
業務効率化と人材育成は、別物のようでいて、切り離せない関係です。
今回は、業務効率化を妨げる5つの原因を、人材育成と自己承認力の視点から整理していきます。

業務効率化を妨げる原因① 上司が業務を抱え込んでいる
責任感の強い管理職ほど、「自分がやった方が早い」「任せるのが不安」と感じ、業務を抱え込みがちです。実は、私自身もかつてはその典型でした。
今振り返ると、よく分かります。
部下を信頼できていなかったのではなく、自分を信頼できていなかったのです。
任せて失敗したらどうしよう、評価が下がったらどうしよう。
そんな不安が、無意識にブレーキをかけていました。
上司が業務を抱え込めば、部下は考える必要がなくなります。
判断は上司待ち、確認は上司頼み。結果として、部下が育たず、業務効率は上がらず、上司だけが忙しくなっていきます。
業務効率化を下げる原因② 曖昧な業務指示
「いい感じにまとめておいて」「なるべく早めにお願い」
忙しい現場ほど、こうした曖昧な指示が増えます。しかし、この一言が、後々のやり直しや確認作業を生み、業務効率を下げます。
部下は決してサボっているわけでも、能力が低いわけでもありません。ゴールや判断基準が見えないまま動かされているだけです。指示を具体化することは、部下を縛ることではなく、安心して動ける環境をつくることなのです。
業務効率化を妨げる原因③ 心理的安全性が低く報連相が機能しない
業務効率化を妨げる要因として、意外と見逃されがちなのが心理的安全性です。
「意見が言いにくい」「分からないことを聞けない」「失敗すると責められる」
この空気がある職場では、報連相は確実に遅れます。
その結果、トラブルやクレームは小さいうちに共有されず、大きくなってから表面化します。後手に回った対応は、時間も労力も奪い、業務効率を大きく下げます。
一方、心理的安全性が高い職場では、違和感や不安が早い段階で共有されます。報連相がしやすく、連携が取りやすい。結果として、業務はスムーズに進みます。これは感覚論ではなく、現場で何度も見てきた事実です。

業務効率化を妨げる原因④ 人材育成を止めるコミュニケーション不足
もう一つ、実はとても大きな見落としがあります。それは、コミュニケーション量の不足です。
会話が少ない職場では、「聞いていいのか分からない」「今さら聞けない」「どうせ言っても変わらない」という空気が生まれます。
この状態では、モチベーションは上がりません。やる気の問題ではなく、環境の問題です。人は、安心して話せる関係性があって初めて、主体的に動けるようになります。コミュニケーション量は、精神面の育成そのものです。
業務効率化を妨げる原因⑤ 人材育成と企業理念が結びついていない
企業理念を理解して仕事をしているチームと、そうでないチームでは、仕事の精度がまったく違います。理念は飾りではなく、判断基準です。
方向性が共有されていれば、細かな指示がなくても、人は自分で考えて動けます。逆に、理念や目的が曖昧なままでは、確認や修正が増え、業務効率は下がります。理念を伝えることは精神論ではなく、極めて実務的な取り組みです。
業務効率化の土台は、上司自身の自己承認力
人材育成は、部下を育てる話であると同時に、上司自身が育つ話でもあります。上司が疲弊し、余裕を失っていれば、心理的安全性も、健全なコミュニケーションも生まれません。
自己承認力とは、「自分を認め、信じて、前に進める力」
単なる自信ではなく、自分の現状(不完全さも含めて)をそのまま認める力のことです。
この自己承認力があるからこそ、人は任せ、待ち、育てることができます。
業務効率化の本質は、作業を速くすることではありません。
意見が言え、分からないことを聞け、安心して挑戦できる空気をつくること。
その積み重ねが、結果として業務を軽くし、成果につながっていきます。
今日からできることを、3つだけ
最後に、忙しい管理職の方でも「今日から」取り入れられることを3つご紹介します。
できそうなものを一つ選んで挑戦なさってみてください。
一つ目は、部下からの報告や相談に対して、すぐに答えや指示を出さないこと。
まずは「そう思ったんだね」「そこが気になったんだね」と、一言受け止める。このワンクッションがあるだけで、部下は「話してもいい」「聞いてもいい」と感じやすくなります。心理的安全性は、こうした小さな反応の積み重ねで育ちます。
二つ目は、業務の指示を出すときに、「何のためにやるのか」を一言添えること。
作業内容だけでなく、目的や背景を共有することで、部下は判断しやすくなります。これは業務効率を上げると同時に、人材育成にも直結します。細かな確認が減り、任せられる仕事が増えていきます。
三つ目は、一日の終わりに自分自身を労うこと。
「今日もよく判断した」「忙しい中でも向き合った」。大きな成果でなくて構いません。自分を認める言葉を、自分に向けてかけてみてください。上司自身の自己承認力が整うことで、部下との関わり方にも自然と余裕が生まれます。
まずは、ここまで現場を支えてきたご自身を、少しだけ労ってみてください。その一歩が、人材育成と業務効率化の両立を支えます。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次回のコラムでお会いしましょう。