こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「部下と信頼関係を築きたい」
「もっと本音で話せる関係になりたい」
「チームの雰囲気は悪くないけれど、業績は伸び悩んでいる」
「部下が指示待ちで、自発的に動いてくれない…」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?そう思いながらも、なかなか距離が縮まらない…。そんな風に感じている上司の方は少なくありません。

実は、部下との信頼関係は、「特別な才能」や「深い関係性」がないと築けないものではありません。
日々の小さな行動習慣の積み重ねが、信頼という大きな絆に育っていきます。

部下との信頼関係が強まると、部下の自発性・協力性・モチベーションが格段に上がり、結果としてチームの業績も伸びていきます。

今回は、部下との信頼関係を深めながら、業績アップを目指せる7つの行動をご紹介します。
どれも明日から実践できる内容ばかりですので、ぜひ取り入れてみてください。


1.「部下を理解する」ことからすべてが始まる

信頼関係を築く最初のステップは、部下を「理解しようとする姿勢」です。普段から、部下に興味を持って接していますか。

・どんな性格か?
・どんな働き方に価値を感じているか?
・何に悩んでいるか?

これらを把握していますか。相手のことをよく知らずに、突然「成果を出せ」と言って動いてくれる人はどのくらいいるでしょうか。
部下のパフォーマンスを確実に上げる上司は、部下一人ひとりの特性を把握して適切なアプローチをしています。

自己承認力の土台には、「相手を否定せずに受け止める力」があります。
相手の価値観や状況を理解しようとする姿勢が、信頼される上司の第一歩です。


2.1on1ミーティングで“人となり”に寄り添う

1on1は、業務報告の場ではなく、信頼を深める“対話の場”です。部下と話す場を設けていますか。

「最近、どんなことでやりがいを感じましたか?」
「何か困っていることはないですか?」

こうした質問をして部下から回答をもらうことで、本音が少しずつ見えてきます。定期的な対話の場があると、相手の表情や声色・態度・癖などもよくわかりますのでおすすめです。
この対話の積み重ねが、“気持ちの通じる関係”を築き、部下のやる気と主体性を引き出します。

結果的に、指示を待たなくても自ら動く部下が増え、チーム全体の生産性が上がるのです。


3.「一貫性ある言動」で安心感を生む

信頼される上司は、「言ったことを守る」「態度にムラがない」「誰に対しても公平」です。

部下からお願いされたことを「わかった、やっておくよ」と返事しておきながら、放置してしまうことはありませんか。その場しのぎの言動や感情的な対応をしてしまうと、部下は上司に不安や不信感を抱きます。

よくあることですが、「あの人にはいい顔して、私には厳しい」「あの時はダメって言ったのに、今回は何も言わない」そんな一貫性のない行動も信頼を失います。

上司が信念を持った言動を意識すると、チームの「心理的安全性」が生まれ、部下が自由な発言や行動をしやすくなります。
その結果、チーム内にアイデアが出やすくなり、イノベーションや業務改善の提案も増えるのです。


20代の頃、私は年上のパートさんがたくさんいる職場で社員として働いていました。役職をいただいた当時、気を付けていたのは「言うべきことは言う」です。アルバイトさんに注意することは、ベテランパートさんにも注意する。そんな私の姿を見て、パートさんが「誰にでもちゃんと言ってくれるから凄い」と、褒めてくださったことがあります。とても有難い言葉でした。一緒に働く仲間、従業員さんはちゃんと見ているのですよね。一貫性のある言動はとても重要です。


4.“当たり前”の行動に感謝を伝える

「出張ご苦労様」「資料、提出期限通りで助かったよ」
そんな一言をかけているでしょうか。
スケジュールをこなすのは当たり前、期限を守るのは当たり前、仕事の精度を上げて当たり前・・・
そんな上司のもとでは、部下のやる気は上がりません。

成果に対してだけでなく、プロセスや日々の努力に目を向けて感謝を伝えることで、部下のやる気と自信が育ちます。感謝の文化が根づいたチームは、雰囲気が良く、離職率も低い傾向があります。

感謝は“信頼の土台”であり、“業績を支える空気”を作ってくれるのです。通常業務の「当たり前」に注目をして、ぜひ感謝の気持ちを表現なさってみてください。


5.「傾聴」と「リアクション」で心の距離を縮める

信頼関係を築く基本です。「話を最後まで聴く。うなずく。目を見て反応する」
とてもシンプルですが、多くの上司がつい忘れてしまうことです。

真面目な上司に多いのがノーリアクションです。本人は一生懸命に相手の話を聞いているのですが、「無表情、うなずかない、相槌を打たない」これでは相手が本当に聞いているのか?と疑問を持ち、非常に話しにくいです。

自己承認力の観点では、「リアクションを3倍にする」ことをおすすめしています。それくらい意識をして表現しないと伝わらないのです。部下が話しているときに「へぇ!すごいね」「そうか、そう思ったんだね」とリアクションをすることで、“聴いてもらえた”“理解してもらえた”という感情が生まれ、信頼が一気に高まります。

コミュニケーションの質が上がると、報連相の量も質も向上し、業務効率が上がる好循環が生まれます。


6.成功も失敗も「共に背負う」スタンスを持つ

部下の成果は自分の手柄にし、失敗は部下のせいにする…。まさかそんな上司はこちらのコラムを読んでいるはずがありませんが(笑)、このタイプの上司は信頼されるはずがありませんよね。

同じチームですから、成功も失敗も一緒に経験していきます。業績が上がれば一緒に喜び、ミスが発生したら一緒に改善をする。「一緒に振り返ろう」「フォローが足りなかったね」と言える上司こそ、部下から信頼されます。

この“責任を共に背負う姿勢”が、部下に安心感を与えます。
部下は「失敗しても挑戦していい」と感じ、挑戦的な姿勢が業績向上につながるのです。

管理職のときに私が伝えるように心がけていたのは、挑戦したその先にあるのは「成功と経験のみ」ということです。失敗と考えるのではなく、経験を積んだと考える。私自身がそう考えたことで楽になったので、部下にも伝えるようにしました。失敗を怖がると挑戦できなくなります。ミスを責める上司にはなりたくないものです。


7.“日常の気づき”を大切にする

信頼関係は、日々の小さな積み重ねから生まれます。

・相手の名前を呼ぶ
・やわらかい表情、穏かな声で話しかける
・表情や体調の変化をよく見る
・趣味や好きなものを覚えている

こうしたコミュニケーションをとる中で、「今日はいつもより元気なさそうだなぁ」「あんまり眠れていないのかな」「機嫌が良さそうだな」などの“気づき”が生まれます。

気づきにあわせて部下に寄り添った声をかけていくことで、「この上司は自分を見てくれている」という安心感が生まれます。

部下が「上司のために頑張りたい」と思うようになれば、自発的な行動・チームワークの強化・目標達成率の向上にもつながっていきます。

自己承認力を高めることが、信頼関係と業績の基盤になる

ここまでお読みいただき、きっとお気づきかと思います。
信頼関係の構築には、スキルやテクニックだけでなく、上司自身の「心の土台」が問われます。

・自分の感情が不安定なときにどう整えるか
・自分を責めず、他者を責めずにどう受け止めるか
・自信が持てないときはどう前に進むか

これらを支えるのが、自己承認力です。

自己承認力とは、「自分を認め、信じて、前に進める力」。
この力を上司自身が高めていくことで、部下への関わり方も変わり、結果として信頼関係と業績の両方を高めていくことができるのです。


最後に:信頼関係は、日々の選択でつくられる

いかがでしたでしょうか。部下との信頼関係を深めるために必要なのは、甘さや過度なやさしさではありません。ご紹介したとおり、上司であるあなたの日々の言動と姿勢なのです。

今できる一歩から始めることは、業績を伸ばすための確かな戦略でもあるのです。

実践のヒント
✅ 1on1で、リアクションをしながら話を聴く
✅ 毎日1回、部下に「ありがとう」を伝える
✅ 毎週1回、「信頼される行動ができたか?」を振り返る
✅ 自分自身の自己承認力を見直し、メンテナンスする習慣を持つ

あなたならきっとできます。
まずは今日、「ありがとう」を伝えることから、はじめていきましょう。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)