こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「目標管理シートはあるんです」
「面談もちゃんとやっています」
「でも……部下が育っている実感がないんです」
数字は達成している。目標未達の振り返りもしている。
なのに、なぜか“部下が成長している実感”が得られない。
その足踏みしているような違和感、よくわかります。
私自身も、部下として目標管理を経験し、上司・教育担当として人材育成に悩み、何度も試行錯誤してきたからです。
今回は、人材育成の目的と目標管理について掘り下げていきます。
それでは、一緒に見ていきましょう。

人材育成における「目的」と「目標」の違い
まずは、言葉の違いから整理していきます。
部下との目標管理面談の際にも、まずは言葉の整理から始めることをおすすめします。
例えば、人材育成においては、
目的は、「何のために人を育てるのか」
目標は、「目的を達成するための通過点」
目標管理とは、「目標までの成長を可視化する仕組み」です。
目標管理のやり方やツールを見直す前に、
「目的を明確にして、目標を立てているか」
ここが重要なポイントとなります。
もちろんチームとして、売上や件数、利益率は大切です。
だからこそ、それぞれ具体的な目標数値があると思います。
その先にある本来の私たち上司の人材育成の目的は、
・自ら考えて動ける人を育てること
・チームで成果を出せる土台をつくること
・どこでも通用する心あるビジネスパーソンを育てること
こういったことではないでしょうか。
目的が曖昧なまま、数字目標だけを管理すると、管理はできても部下は育ちにくいのです。
目標管理シートが“ただの書類”になっていませんか?
目標管理シートは、使い方を間違えると「書くための目標」になります。私も部下時代に経験しました。
目標を設定し、進捗をまとめ、面談で報告し、上司がコメントをする。
形式はあっています。
しかし、その場しのぎの「目標」を定期的に書くだけとなり、全く自分ごとになっていなかったのです。
せっかくの目標管理面談を活かせるかどうかは、上司の関わり方で決まります。

目標管理で部下が育つ7つの視点
1.目標は“数字だけ”にしない
「成長はプロセスに現れる」
数字は結果です。そこに行動目標や姿勢目標を加えます。
「何を達成するか」だけでなく「どう成長するか」を含める。
例えば、「契約件数◯件」に加えて「毎週1回振り返りをする」「自分から提案を1日1回する」など、成長につながる行動を具体化します。プロセスを見える化することで、成長を実感できます。
2.上司が答えを決めない
「問い」が人を育てます。
「あなたはこれが課題だ。次はこれを頑張ろう」と結論を出していませんか。
人は自分で決めた目標にこそ本気になります。
「今回の経験から何を学んだ?」「次はどこを伸ばしたい?」問いかけで引き出す。
上司は正解を与える人ではなく、思考を深める人です。
3.目標の背景を共有する
何かを伝えるときには、「目的」をセットにする。
「なぜその目標が必要なのか」を伝えていますか。
背景が分からない目標は「やらされ感」になります。
「このスキルが身につくとチーム全体の対応力が上がるよ」と未来を描く。
意味づけがある目標は、自分ごとになります。
4.過去と現在を承認する
相手の「自己肯定感」を高めることを土台にしましょう。
自己肯定感とは、ありのままの自分を認めること。
いきなり未来を語らせるのではなく、まずは「これまで頑張ってきて、ここまで出来るようになったね」と承認すること。多くの部下は自分の成長を客観視する余裕がありません。上司が言語化することで、自己肯定感が高まります。
自己承認力とは「自分を認め、自分を信じて、前に進める力」です。この土台が整っていないと、目標はプレッシャーになります。
5.未来を描いてもらう
相手の「自己効力感」を高めるアプローチをする。
自己効力感とは、「自分ならできる」と未来を信じられる力のことです。
例えば、「もしそれが出来たら、どんな自分になっている?」と問いかける。未来を具体的にイメージしてもらうことで、「自分ならできる」という自己効力感が高まります。
イメージが鮮明になると、人は自然と動き始めます。
6.未達成は学びに変える
どんな結果であっても、相手を責めずに、振り返りをすること。
未達は失敗ではありません。未達は学びの材料です。
「なぜできなかった?」と過去を掘り下げるのではなく「次に活かせることは?」と問いを変えるだけで空気が変わります。責められると守りに入り、学びに変えると前を向きます。
7.上司自身も成長目標を持つ
「上司が整うとチームが整う」
部下にだけ目標を課していませんか。
上司自身が「どんな上司でありたいか」「今期何を伸ばすか」を持つことが重要です。自己承認力は自己肯定感・自己効力感・スキルの三要素で成り立っています。
精神的に安定し、能力向上に励んでいる上司は良い見本となります。

まとめ|部下の目標は「一緒に仕上げる」もの
7つの視点、いかがでしたでしょうか。
目標は個人のもの、と捉えるのを一旦手放してみるのもひとつです。
部下の目標は、上司の目標であり、チームの目標。
目標の仮設定は部下自身で作成してもらい、面談で一緒に仕上げていく。
この姿勢に変えるだけで、日常の関係性は確実に変わります。
「この三つの目標、少しずつ進んでいるね」
「今の行動、目標にちゃんと近づいているよ」
そんな言葉が、自然と増えていくはずです。
目標管理は、単なる数値管理ではありません。
相手の成長を支える“対話”です。
目標を通して育てたいのは数字ではなく、
・自分で決める力
・やり抜く力
・振り返る力
そして何より
・自分を信じて前に進める力
これこそが、自己承認力につながっていきます。
次の面談で、ぜひ問いかけてみてください。
「入社してから今までで、自分が成長したと感じるのはどこ?」
部下の過去と現在のプロセスを一緒に見ていく。
そこから自然と、次の目標は生まれます。
そして忘れないでください。
部下のプロセスを見るときは、ご自身のプロセスも振り返ることを。
ここまで育成に向き合ってきたあなた自身も、確実に成長しているはずです。
目標管理は、部下を育てる時間であり、
同時に上司が自己承認力を高める時間でもあります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)