こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「リーダーシップ」という言葉はビジネスの現場でよく使われますが、最近は「フォロワーシップ」という言葉も耳にするようになりました。
しかし、「リーダーシップとフォロワーシップの違いを説明してください」と言われると、意外と言葉に詰まる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リーダーシップとフォロワーシップの意味と違いを解説していきます。
言葉の違いを理解して、管理職として現場でどう活かせばよいかを一緒にみていきましょう。

リーダーシップとは?
リーダーシップとは、一般的に「人や組織を目標達成に導くための影響力」を指します。
つまり、単に上に立って命令をすることではなく、
- 方向性を示す
- チームを前に進める
- 信頼関係を築く
といった力の総称です。
リーダーシップのスタイルはさまざまです。
声を張り上げて引っ張るリーダーもいれば、冷静に判断し背中で示すリーダーもいます。
大切なのは「自分に合ったリーダーシップを磨くこと」です。
詳しくは、以前のコラムに書いておりますのでぜひご覧ください。
フォロワーシップとは?
フォロワーシップとは、リーダーやチームを主体的に支える力のことです。
単なる「言われたことをこなす従順さ」ではありません。
- リーダーを補い、実現に向けて動く
- 積極的に意見や提案をする
- チームの雰囲気を整え、成果につなげる
といった姿勢がフォロワーシップにあたります。
たとえば、リーダーが見落としがちな点を指摘したり、会議で沈黙しているメンバーの意見を引き出したり。これは「支えるだけ」というより「チームを前に進める」主体的な行動です。
リーダーシップとフォロワーシップの違い
一般的な整理としては、次のように説明できます。
- リーダーシップ:方向性を示し、人を導く力
- フォロワーシップ:リーダーやチームを支え、成果につなげる力
役割が異なるように見えますが、どちらも「チームを前に進める」という点では共通しています。
学術的には別概念として扱われますが、私は現場での経験から「フォロワーシップはリーダーシップの一形態」と捉えています。なぜなら、人を導くためには「支える力」も多分に必要だからです。
引っ張るのも、支えるのも、結局は「チームを導いて動かす」行為であることに変わりありません。
管理職にとって両方が必要な理由

管理職は「リーダー」だからリーダーシップだけを磨けばいいかといえば、そうではありません。
しかし実際には、管理職も上司や部下を支える力が必要です。上からの方針に誠実に従いながら、部下を導きながら支える。二重の役割を担っているのです。
さらに、部下の立場から見てもリーダーシップ・フォロワーシップが重要です。
部下はリーダーに従うだけでなく、ときに意見を出し、上司を補い、チーム全体を支える役割を果たします。上司も完璧ではありませんから、方向性に疑問を感じたら、一緒に答えを出していくことも必要です。
「上司が部下を育てる」そして、「部下が上司を育てる」
この表現を驚かれる方もいるかもしれませんが、実際にあります。私も多くの上司・部下の方々に育てていただきました。立場に関係なく、支え合いながら仕事を進めることが、健全なチームには欠かせないのです。
実体験から学んだこと
多くの管理職の方にお会いして、そして私自身の経験として、強く感じているのは、「リーダーが一人で何でも抱え込もうとするとチームはうまくいかない」ということです。
「全部自分でやらなければ」と思い、仕事を抱え込みすぎていませんか。
部下を頼れないために上司が疲弊し、結果的に部下を支える余力がなくなってしまう。
そんな悪循環に陥ったことが私もありました。結果、メンタルや体調を崩して部下に多大な協力をお願いすることになります。
反対に、部下を信頼して仕事を任せ、「一緒に前に進める」と実感できたとき、チームはぐっと動きやすくなりました。リーダーシップを発揮するには「任せる勇気」も不可欠だと学んだのです。
リーダーシップ・フォロワーシップ実践のヒント
では、実際にリーダーシップとフォロワーシップをどう現場に活かせばいいのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
- 他者のフォロワーシップに目を向け、承認する
部下が主体的に意見を出したり、支えてくれたときには、積極的に「助かったよ、ありがとう」と言葉にしましょう。承認が部下のさらなる主体性を育てます。
そして、上司からの支えもあるはずです。そのフォロワーシップにも感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。 - 自身のもフォロワーシップを部下に示す
「上司からの方針に真摯に応える姿を部下に見せること」です。上司の言葉にただ従うのではなく、チーム全体がうまく回るように上司をサポートしましょう。上司への姿勢が部下の「フォロワーシップのモデル」になります。 - 引っ張ると支えるのバランスを意識する
状況に応じて「方向性を示す」「支える」に切り替える柔軟さが必要です。主体性のあるベテラン部下であれば、引っ張る必要ないこともあります。少し方向を示しながら、本人のやり方に任せる。これも立派なリーダーシップです。逆に、新人さんであれば強めに引っ張ることも必要かもしれません。リーダーシップとフォロワーシップのバランスをとっていきましょう。 - 抱え込まず、部下に頼る勇気を持つ
小さなタスクから任せ、部下への信頼を示すことも大事です。自身の業務を洗い出し、「誰に何をどのくらい任せるのか」を整理して、仕事を任せていきましょう。進捗確認などのフォロー体制も忘れずに。
まとめ:両方を持ち合わせることが理想
いかがでしたでしょうか。リーダーシップとフォロワーシップは、学術的には別々の概念です。
しかし、実際には引っ張ることも支えることも、どちらも「チームを導く力」であることに変わりありません。「フォロワーシップはリーダーシップの手法のひとつ」ととらえてみると、日常のマネジメントに落とし込みやすくなるかもしれません。
部下も上司を支え、上司も部下に助けられる。
立場に関係なくお互いがリーダーでありフォロワーである、そんな支え合いがチームを強くします。
明日からできる小さな一歩として、ぜひ「他者のフォロワーシップに目を向け、承認する」ことから始めてみてください。自分がどれほど支えられているか、きっと新たな気づきがあります。
その積み重ねが、あなたの管理職としての力をより豊かなものにしていきます。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)