こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「どうすれば、部下のモチベーションが上がるんだろう?」
「一生懸命伝えても、いまひとつ反応がない…」
最近、職場で“やる気の波”に悩む声をよく聞きます。
心理的安全性や働きがいが注目される今こそ、日常的な動機付けの工夫が求められています。
部下のモチベーションを上げたいと考えているあなたへ、 今回は「日々の関わりの中で、部下のやる気を引き出す上司になるための動機付け術」をお伝えいたします。
ちなみに、以前のコラムでは「部下のモチベーションが低いと感じたときにどう対応するか?」という視点で、3つのアプローチをご紹介しました。
✔部下のやる気が見えない
✔話しかけても反応が薄い
✔表情や行動がどこか沈んでいる
そんな“やる気の低下”が心配なときには、 まずはこちらのコラムをご覧ください。
今回はそこから一歩進んで、 “日常的に部下のモチベーションを高め続ける関わり方”について深掘りしていきます。

モチベーションとは?上司が知っておきたい基本
モチベーションとは、行動を起こすための「エネルギー」。 つまり、「やる気」の源泉です。
このエネルギーは、
- 外部からの刺激(報酬や評価)で一時的に高まることもあれば、
- 自分の内側から湧き上がる「やりたい」「成長したい」という思いから生まれることもあります。
この2つは、心理学では「外発的モチベーション」と「内発的モチベーション」と呼ばれます。
外発的モチベーション | 内発的モチベーション |
---|---|
外からの報酬・評価が原動力 | 自分の中の価値や意義が原動力 |
短期的に効果を発揮 | 長期的に持続しやすい |
賞与・昇格・表彰・叱責などが影響 | 楽しさ・成長・達成感・やりがいが影響 |
ポイントは、この2つを“バランスよく活用すること”。
部下のモチベーションが下がっているなら、「褒めればいい」「給料を上げればいい」果たしてそうでしょうか。それだけではうまくいかないこともあります。
外発的・内発的、どちらか一方では不十分なのです。
上司の思い込みが空回りすることもある
ここで、ひとつ大事な視点をお伝えします。
「部下のモチベーションを上げたい」 その想いが強すぎるあまり、空回りしてしまうこともあるのです。
たとえば、
- 表情が暗いからやる気がない
- 声が小さいから自信がない
- 動きが遅いから意欲が低い
こんな風に“見た目の態度”から、部下のモチベーションを判断してしまっていないでしょうか?
でも実際には、
- 静かでも仕事は期限内に丁寧に仕上げている人
- 必死にやっているのに「余裕そう」と誤解されている人
- 過去の失敗を経て、あえて「今の自分にできる範囲で無理せず働いている人」
もいます。
事実(やっている・やれていない)と、態度や感情の表れ方は別物です。
だからこそ、「モチベーションが低い」と感じたときに、 何を見てそう判断しているのか? 自分の中にある“基準”を一度見直してみることも大切です。

モチベーションを高め続ける上司になる!動機付け術10選
それでは、日常の関わりの中で部下のモチベーションを上げる上司が実践している「動機付け術」を10個ご紹介します。
1. 目的と意義を伝える
「この仕事は何のためにあるのか?」 部下が“意味”を感じることで、やる気は大きく変わります。 「この業務が、誰の役に立っているか」「どんな成果につながるか」を具体的に伝えることが、内発的モチベーションを引き出す第一歩です。
2. 達成経験をつくる
「できた!」という実感は、やる気を支える最強の土台です。 無理のない範囲で成功体験を積ませ、少しずつ自信を育てていく関わりが必要です。
3. プロセスを見て、承認の言葉や態度で表現をする
成果だけでなく、途中の頑張りや工夫を見つけて伝えましょう。 「昨日より早く仕上げられていたね」「その対応、丁寧だったよ」 こうしたフィードバックや笑顔で穏やかに見守ること。こういった表現が「見てもらえている」という実感を与え、モチベーション向上につながります。
4. 仕事の任せ方で“信頼”を示す
細かく口を出すより、「任せる」という姿勢が大きな動機づけになることもあります。上司が指示を出したことをただ実行してもらうのではなく、部下が自ら目標を立て、計画を立てて、実行できる機会をつくる。
信じているからこそ任せる。その上司の姿勢が部下の背中を押します。
5. 感謝を伝える習慣を持つ
「ありがとう」と伝えていますか。褒めるのが苦手な方は、特別な言葉でなくてもいいのです。「今日も本当に助かったよ」「あの件、ありがとうね」この小さな日々の感謝が積み重なれば、大きなモチベーションになります。
6. 個性に合った役割を任せる
得意なこと、好きなことに取り組むとき、人は自然と前向きになります。「この仕事は、〇〇さんの強みが活かせそうだね」 そう声をかけられると、自分の存在意義を感じやすくなります。
7. 定期的な1on1で内面に触れる
雑談や面談を通して、「今どう思っているか」「何を大切にしているか」を聞く時間を設けていますか。部下の話を聴くことで信頼関係が深まり、それが日々のやる気を支える土台になります。
8. “部下の心理的安全”を守る
「失敗したら怒られる」「何を言っても否定される」 あなたの部下はそんな風に考えていませんか。失敗も経験のひとつとして捉え、安心して挑戦できる雰囲気をつくることが、やる気の維持に直結します。
9. 上司自身がやる気を持って仕事をしている
部下は、上司の姿勢を本当によく見ています。上司の影響力は、本人が思うよりも何倍も大きいのです。
上司がやる気なく働いていたら、部下のやる気は上がりません。「上司が楽しそうに仕事をしている」「上司がいつも何かに挑戦している」その姿が何よりの説得力になります。
10. 成長を一緒に喜ぶ“共有”を意識する
部下が成果を出したときに、一緒に喜んでいますか。チームの仲間として成果や成長を“共に喜ぶ”上司の存在が、内発的モチベーションの持続に繋がります。

まとめ:仕事の「意味と価値」を伝えるのが上司の役割
いかがでしたでしょうか。
最後にお伝えしたいのは、モチベーションと深くかかわる「やりがい」についてです。
やりがいとは、自分の行動に「意味」や「価値」を感じられること。
- 「この作業で、チームの役に立てている」
- 「自分の対応が、お客様の満足につながった」
そんな実感があると、人は前向きに動けます。
部下がやりがいを感じるには、上司が“意味”や“価値”を言語化して伝えることが欠かせません。
そして何より、信頼関係こそがモチベーションの土台です。
今日の小さな声かけが、部下の心に大きなエネルギーを生むかもしれません。
今回ご紹介した「動機付け術10選」は、どれも今日からできることばかりです。
一度に10個に挑戦するよりも、まずは1つから始めることをおすすめいたします。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)