こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「突然、部下から退職の申し出があった…」
「何も相談されず、すでに転職先まで決まっていた…」
「引き止めたいけど、もう気持ちは固まっているようで…」
こんな経験はありませんか?
あまりに急な退職の話を聞いた方は、ショックを受けるのは当然です。
それだけ部下の方を大事に想ってきた証でもあります。
少しだけ視点を変えてみましょう。
退職は「終わり」ではなく、関係性の“次のステージ”とも言えるかもしれません。
今回は、自己承認力の視点から「気持ちを整理」し、「部下との信頼をつなげるための5つの対応ポイント」をご紹介します。
「部下の退職」というテーマに関する過去のコラムを振り返りながら、
まとめとしてお読みいただけたらと思います。
まず、最初におすすめしたいのは
部下が突然辞めやすい職場環境の確認をすることです。
たとえば
「忙しさで面談が後回しになっている」
「上司がいつも忙しそうで話しかけにくい」など、
そんな職場環境になっていないでしょうか。
詳しくは、こちらのコラムに紹介しています。

感情の整理と“振り返り”から始める
相談がなかったショックは自然なこと。「自分の振る舞い」も見つめてみる
退職の申し出をいきなり受けると、「え!なんで相談してくれなかったのか」「もっと早く話してくれたら…」そんな気持ちが湧いてくるかもしれません。
しかし、ここで大事なのは、感情を否定せずにしっかり味わったうえで、自身の振り返りに変えることです。
✅日頃の自分の言動に「退職の相談をしにくい要素」はなかったか。
✅部下と接する中で、退職のサインを受け取っていなかったか。
✅部下と信頼関係を築き、適切に距離を縮めていたか。
部下が辞めやすい上司の言動については、こちらのコラムで詳しく取り上げています。
こうして一度自分の振る舞いを見直すことで、上司力の向上に繋がるヒントが得られます。
信頼している上司だからこそ、距離が近い相手ほど、「言い出せない」と考える方もいます。
自分を責める材料にするのではなく、冷静に振り返ってみたいものです。
そして、同時にぜひ思い出していただきたいのが
「自分なりに一生懸命、その部下と向き合ってきたこと」です。
これまで、あなたにとっても部下にとっても学びとなる貴重な日々を過ごせたはずです。
そんな自分自身も部下の方もねぎらい、認めてみるのはいかがでしたでしょうか。
部下の退職の意志を確認する
“部下の意志の確認”を冷静に行う
退職を申し出られたら、引き止める余地があるのか、それとも本人の意志が固いのか、を確認しましょう。それ次第で対応が大きく変わってきます。
「部下を引き止める際に気を付けたいポイント」に関しては、こちらのコラムに書いています。
こんな問いかけをしてみましょう
- 「退職については、もう具体的に進めていますか?」
- 「次の会社はもう決まっているんですか?」
- 「気持ちとしては、もう固まっていますか?」
本人の選択を否定するのではなく、「どう考えたのか」を丁寧に聴く姿勢が大事です。
ちなみに、私が退職の意志を上司に話したのは、退職予定の半年ほど前です。
「すべての段取りを決めた後」でした。
引継ぎをするには十分ですし、後継者を探すのであれば、それくらいは必要かと考えました。
物件探しも引っ越しも、引継ぎも、非常にスムーズに進められました。
私のようなタイプは引き止める余地はないので、対応が変わってきますよね。
部下の退職を引き止めるより、応援が必要なことも
部下の背中を押す応援と承認の言葉を
引き止めたい気持ちがあっても、すでに部下の次の道が決まっているなら、気持ちよく送り出すことが正解の場合もあります。
私自身、かつて退職の話が社内に広まった頃に、あらゆる方から「やめてどうするんだ」「もったいない」「裏切るのか」などと言われ、心が痛んだ経験があります。
しかし、直属の上司にかけていただいた言葉は…
「尾形なら、どこに行っても大丈夫だな」でした。
この一言は、本当に力になりました。
自分の決断を信じていただけたことが、私の背中を押してくれたのです。
\おすすめ!背中を押す応援の言葉/
- 「寂しくなるけど、〇〇さんらしい選択だと思います」
- 「この職場で頑張ってくれたこと、私はちゃんと見てきたよ」
- 「ここでの経験、きっと次に活かせるよ」
- 「あなたならどこでも大丈夫。また会えるのを楽しみにしてるよ」
退職後に、「あの職場、温かかったなぁ」「良い上司に恵まれた」と思ってもらえたら、嬉しいですよね。

部下の退職最後の日まで、丁寧に向き合う
送り出すまでの関わりも“育成”の一部
退職が決まったからといって、冷たくなったり、気まずくなったりするのはもったいないことです。
寂しい気持ちもわかりますが、感情で動くのはおすすめしません。
むしろ、部下の方の出勤最後の日まで大活躍していただきましょう。上司として、部下の方から学ぶことも多いはずです。
- 「最後の1か月一緒にしっかり走り切ろう」
- 「引き継ぎ、わからないことがあれば何でも聞いてね」
- 「退職をみんなに伝えるタイミング、一緒に考えようか」
退職の過程も、育成のひとつ。 その姿勢は、周囲の部下たちにも伝わっています。
部下の退職後も関係をつなぐ姿勢を持つ
部下の卒業=終わりじゃない
仕事の関係者は、たしかに退職をきっかけに連絡を取らなくなることが多いです。
しかし、実際は退職=「さようなら」ではありません。
「同じ会社の枠から出るだけ」であって、人間関係が終わるわけではないのです。
私は退職後に、よく各地にいらっしゃる上司に会いにいきます。
職場の仲間から、友達に関係が変化した方も多いです。
どなたも人として尊敬しているので、お付き合いが続いているのです。
お仕事で出会うことが出来て、本当によかったな、と思います。
- 「いつでも、何かあったら連絡くださいね」
- 「また一緒に仕事できるといいですね」
- 「〇〇さんのこれからを、心から応援しています」
退職をする方にどんな温かい言葉がかけられるか、自分が言われたら嬉しい言葉を心を込めてかけて差し上げたいものです。
部下の退職対応力を磨こう
いかがでしたか?
「部下が何の相談もなく退職を決めていた…」
これは上司として、心に残る出来事ですよね。突然のことに驚いても仕方がありません。
「部下が辞めるかもしれない」
そのサインに気づけていたら…とお考えになることもあると思います。
部下が辞めそうな兆候とその対策をまとめた
こちらのコラムも一度確認をなさるといいかもしれません。
ここで一つ、重要なのは
・仕事や職場が嫌だから辞めるのか?
・ステップアップのために辞めるのか?
この違いでも対応が大きく変わってくるということです。
前者だった場合、過去を振り返り「自分を責める」のではなく、
「今後、自分には何が出来るか」を具体的に考えていく必要があります。
部下が退職するという経験を上司力に変えることができたら
あなたはさらに強く、しなやかな上司に近づきます。
そして同時に、これまでその部下を育ててきた自分にも、ちゃんとOKを出してほしいのです。
関わってきた日々があったからこそ、部下は羽ばたこうとしているのかもしれません。
あなたの上司としての誠実な対応が、きっとチームの未来を明るくしていきます。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)