こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
部下の方との日々のコミュニケーションはいかがでしょうか?
職場の雰囲気やチーム全体の成果に直結する部下とのやり取りに悩まれている方も多いかと思います。
こうすれば絶対にうまく行く!という「正解」があればいいのですが、そうではないのが難しいところです。
しかし、コミュニケーションは「スキル」です。持って生まれた才能ではありません。元々人嫌いで人見知りで、コミュニケーションが苦手だった私も身に着けることが出来ましたので断言できます。
コミュニケーションには、「型」があるのです。
今回は、部下との関係を良好にするためのポイントを10個ご紹介いたします。一緒にひとつずつ見ていきましょう。
あなたは出来ている?コミュニケーション10のポイント
1.話を最後まで聴く
シンプルですが、なかなか出来ていないのが「相手の話を聴くこと」です。さえぎらず、腰を折らず、否定せずに最後まで聴いているでしょうか。興味がない話にもリアクションをとっているでしょうか。「傾聴」は相手の存在を認める行動です。 「話を聴いているサイン」を出しながら、穏かな表情でよく話を聴くようにしましょう。
2.相手の名前を呼ぶ
部下の名前を意識して呼んでいますか。話しかけるときに「ねぇ」「あのさ」「悪いんだけど」と、いきなり用件を言い始めることも多いのではないでしょうか。名前を呼びかけるのも大事なコミュニケーションです。何か用事があるときには、「〇〇さん、お願いがあります」「〇〇さん、1分いい?」こんな風に、相手の名前を呼ぶようにしましょう。
3.否定・批判ではなく、アドバイスを伝える
ミスを指摘する際は、ダメ出しをするのではなく「具体的な改善案」を伝えましょう。「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考える姿勢は、部下の前向きな行動を引き出します。部下の考え方ややり方を頭ごなしに否定するのもNG。相手を受け入れる姿勢を意識しましょう。
4.いつも感謝の言葉を伝える
感謝の言葉を伝えていますか。「ありがとう」「いつも感謝しています」「本当に有難い。助かるよ」毎日顔を合わせる部下だからこそ、こまめに言葉で伝える必要があります。「ありがとう」を積み重ねることが、職場全体のエネルギーを向上させます。
5.認める、褒める
相手を認め、褒める言葉を伝えましょう。大きな成果を上げたときだけでなく、日常の細かな気配りや態度、仕事への姿勢など、部下を評価している点を言葉にして伝えます。例えば、「〇〇さん、いつも期日を守ってくれてるね!流石だね」「〇〇さんは△△が得意だから、頼りになるよ」このようなポジティブなフィードバックは、部下の自己肯定感を育む土台となります。
6.相手の価値観を尊重する
相手の価値観を受け入れることは、「あなたを大事にしている」という表現です。自分の価値観を受け入れてもらえる環境は、安心感が生まれます。部下が自由に発言が出来たり、創造性を引き出すことが出来るのです。例えば、部下の好きな物や趣味を大事にしたり、自分とは意見が異なる際には「いい意見だね」「面白い意見だね」と受け入れること。無理に自分と同じ価値観を押し付けないようにしましょう。
7.こまめに声をかける
コミュニケーションの回数を増やしましょう。ハードルの低い、簡単な声かけでいいのです。挨拶をして、「〇〇さん、ーーの仕事どんな感じ?」と進捗を尋ねてみるのもおすすめです。日頃からこまめに上司から話しかけていれば、いざトラブルが起きたときや部下が悩んだときなど、相談をしてもらいやすくなります。
8.一緒に目標を設定する
目標を共有することで、部下の「未来を考え、前に進める力」が高まります。一人で目標を設定して進めていくよりも、チームで目標を共有しながら進捗確認を行い、軌道修正をしていく方がグッと達成率が上がります。そして、目標を達成した際にはチームで一緒に喜びましょう。部下の成長は、上司やチームの成長であり成果なのです。
9.自分の弱みを見せる
こちらは「自己開示」と呼ばれるアプローチです。バリバリ仕事をこなしている方ほど、自分の弱みや失敗談を語ることを意識なさってみてください。部下から尊敬されることも大事ですが、相手との信頼関係を築くには親近感を持ってもらうことも重要です。特に、自分に厳しく他者にも厳しい完璧主義の上司は、部下との距離も生まれやすくなりますので要注意です。
10.相手の自己承認力が高まるアプローチをする
部下が自己成長を実感できる職場環境を作りましょう。他者と比較するのではなく、自分自身の過去と比べて成長を実感してもらえることが大事です。新たな仕事への挑戦の機会を設け、進捗を確認し、承認しながら、成功体験を積める環境を整えましょう。進捗確認の際は、上司からの声がけもポイントです。例えば、「▢▢も出来るようになっているね」「この1か月でだいぶスピードが上がってきているね」というように、確実に部下の方が成長している部分を伝えます。「そろそろ△△を任せたいと思うんだけど、どうかな?〇〇さんなら出来ると思う」と次へのステップも提示すると効果的です。
あなたもやっているかも?上司のありがちNG行動3つ
ここで、管理職の方が部下の方と距離を縮めようとする中でやってしまいがちな「NG行動」を3つご紹介いたします。実は私も何気なくやってしまっていた行動です・・・。なかなか自分では気がつかないものです。
1. 昔話・過去の栄光を語る
「自分が若い頃は…」「俺の時代はこうだった」という話をついしてしまうことはありませんか?過去の経験を伝えたい気持ちは理解できますが、部下の方は興味を持っているでしょうか。時代は大きく変わりました。過去の栄光や自慢話をするよりも、現在の話や目標に向けた話の方が有益です。
心理学的には、ノスタルジア(懐かしさ)はドーパミンやセロトニン、オキシトシンなどのホルモンを分泌し、心の安定や幸福感をもたらします。多くの方が何度も「昔は・・・」と同じ話をするのは、上司自身が良い気分になるからなのです。ご自身は気持ちがいいかもしれませんが、それが部下に響いているかは別問題です。
2. 部下を言い負かす
部下の提案や意見に対して「それは違う」「こうすべきだ」と論破したくなることはありませんか?正論で論破する快感は、脳内でドーパミンが分泌されるため、ついやりがちな行動です。しかし、論破された部下のモチベーションを下げてしまうことも少なくありません。
私は、上司と部下の関係はwin-winが理想だと考えています。組織の中では、どうしても上司の方が周りから気遣いをされますから、上司は「部下を勝たせる」意識を持つことが重要です。部下の意見を否定せず、「なるほど、良い視点だね。その考えをもとにもう少し広げてみよう」といった受け止め方をすることで、部下は「自分も十分価値のある意見を出せる」と実感します。上司としては、別の視点で物事を見られる部下からの情報やアイデアは宝です。自分が気分が良くなること以外、部下を言い負かすことには何のメリットもないのです。
3. 余計なお世話
「結婚はしたほうがいい」「将来どうするつもりだ?」など、部下の個人的な選択や将来像について、上司の価値観を押し付けることも、部下にとって負担になります。特に若手社員は、目の前の仕事に集中する時期です。「将来どうしたい?」という抽象的な問いかけは、部下にストレスを与えるだけでなく、「また説教が始まる」と身構えさせてしまいます。しかし、多くの方がやりがちですよね・・・。
重要なのは、部下が今現在取り組んでいることを認め、目の前の仕事で成果を感じられるようサポートをすることです。その積み重ねが部下のキャリアを作ります。
ちなみに私は20代前半の頃に、面談である上司から「どんな管理職になりたい?」と質問をされて、「全く管理職にはなりたくない」という言葉をグッと飲み込んで心を閉ざした記憶があります(笑)。今思えば、
管理職を目指してほしかったのだろうと想像は出来ますが、上司の理想を部下に押し付けるのは違いますよね。余計なお世話、となる話題は控えておきましょう。
NG行動を3つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。これら3つの行動の共通点は、「あなたのためにやってあげている」という発想です。この考え方が信頼関係を築くうえで邪魔になります。少し厳しい表現ですが、気がつかないうちに「上司として自分が気持ちの良い振る舞い」をしていないか?今一度、確認をしてみましょう。
まとめ:コミュニケーションはスキル!取り組めば必ず向上する
今回は、コミュニケーションのコツを10個ご紹介しました。どれも一つ一つは簡単なことですが、習慣として身についている方は案外少ないのではないでしょうか。部下との関わりにお悩みの方は、まずはご自身にとってハードルが低そうなものからチャレンジしてみることをおすすめします。
コミュニケーションは、誰でも身に着けられる「スキル」です。対人関係に苦手意識があった私は「仕事のスキル」として、学びました。部下の話を聴くことも、褒めることも、全てチームづくりという仕事に繋がります。何度もトレーニングをして型を身に着け、仕事に活かす。そんな風に捉えていただけるといいのでは、と私は考えています。
これもよくあるのですが、部下全員に好かれることをゴールにはなさらないでください。個人の好き嫌いは好みがありますので、それは難しいです。上司として描くゴールは「仕事をスムーズに進められること」です。部下の方が気持ちよく仕事が出来て、チーム全体が協力できる体制づくりを目指したいですね。
本日も最後までお読みくださりありがとうございます!
今回の情報があなたの部下育成のヒントとなりましたらとても嬉しいです。
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)