こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みくださりありがとうございます!

「なんだか今日は部下の機嫌が悪そう・・・」
そんな態度を目の当たりにしたとき、あなたはどんな行動をとっていますか。

日によって、誰でも気分の浮き沈みはあるものです。「そんな日もあるよね」と、放っておくのもひとつかもしれませんが、仕事はチームで行うもの。あからさまに不機嫌な態度の仲間がいれば、他のメンバーにも影響が出ることも考えられますよね。上司としてどう対応していけばいいのでしょうか。

今回は、「不機嫌な部下へのタイプ別対応法」と、「適切なコミュニケーションのためのポイント」をご紹介して参ります。私自身の経験もご紹介しながら進めていきますね!一緒に対応策を考えていきましょう!

「その不機嫌、本当?」 まずは自分の判断基準を見直そう

「部下が不機嫌そうで感じが悪い!これではチームの雰囲気が悪くなるから注意しなくては!」
ちょっと待ってください。一旦、ストップです。
部下の方が不機嫌な態度をとっている・・・それは本当でしょうか?
何を見て・聴いて「不機嫌そうな態度」だと判断したのか、ご自身の基準を一度確認しておきましょう。

1.表情に表れる不機嫌

  • 無表情またはイライラした表情
  • 眉間にしわが寄った嫌そうな表情
  • 口をとがらせる
  • 目線だけをジロっと動かす
  • 目を合わせない、睨む、冷たい目線

2.話し方に表れる不機嫌

  • ぶっきらぼうな口調になる(例:「別に」「分かりました」など)
  • 不自然に黙り込む、無視をする
  • 言葉が攻撃的、言葉遣いが悪くなる
  • 質問に答えるのを避けたり、話題をそらす
  • 舌打ちをする、ため息をつく

3. 身体動作に表れる不機嫌

  • 腕を組む、貧乏ゆすりをする、落ち着きのない動き
  • 頬杖をつく、髪の毛をいじる
  • 背を向けるなど、距離をとる
  • 乱暴に物を扱う、大きな音を立てて動く

4. 行動に表れる不機嫌

  • 業務を放棄する
  • チームメンバーや他の人とのコミュニケーションを避ける
  • 会議や集まりで無言を貫く、または強く反発する
  • 他人に対して八つ当たりのような態度

いかがでしょうか。いつもと様子が違う部下の方に気がついたら、まずは観察をすることをおすすめします。いきなり注意してしまい、早とちりなんてことにならないようにしたいものです。


不機嫌な部下に注意するべきか?判断基準3つのポイント

「仕事=人間関係」です。あからさまに不機嫌な態度で仕事をする方は、少し未熟なのかもしれません。上司としてはすぐにでも注意をしたい、その気持ちもわかります。しかし、上司が部下を強く指導するとさらにチームがピリつく原因となるので要注意です。前項のいくつかの不機嫌さを出している部下の方に対して、プラスで見ていただきたい3つのポイントがあります。

1. 不機嫌の原因が職場に関係しているか?

部下の不機嫌が、業務上のミスやチーム内でのトラブルが原因の場合、そしてその態度が他のメンバーや業務に悪影響を与えている場合には、チームと本人のために早めに指導をしましょう。しかし、プライベートな理由(家庭の問題や健康状態)で一時的に態度が不安定になっているときには、しばらく見守り、話をするタイミングを待つことがおすすめです。どちらにしても、本人と話をする場を設けることで解決策が見えてきます。


2. 不機嫌な態度がチーム全体に影響を与えるか?

部下が不機嫌でも、それが個人的な範囲で済んでいる場合は、状況を静観するのも一つの方法です。例えば、デスクで小さくため息をついたり、舌打ちを打ったりするのは無意識の可能性も大きいです。一方で、お客様対応、取引先様の対応などの業務への影響があったり、チームのメンバーが気を遣っているなど人間関係に影響を与える場合には、早めの指導が必要になります。


3. 指導・注意が本人の成長につながるか?

指導・注意することで部下が成長できると判断できる場合は、アドバイスとして態度の改善方法を伝えてみましょう。「仕事のプロ」として自身の行動を見直し、社会人としての成長を促します。「指導」とは、より良い方向に導くこと。怒鳴ったり、相手を責めたりすることではありません。
反対に、指導や注意をすることで本人が感情的になったり、態度が悪化すると予想される場合は、まず観察し、話を聴きながら丁寧に伝えていくことが重要です。部下の方の様子、性格を見極めたうえで動く必要があります。

【体験談】タイプ別対応で改善した2つの事例

私自身もこれまで、上司として「不機嫌な態度の部下」にどう対応すべきか悩んだ場面が何度かありました。ここでは、特に印象深い2つの事例をご紹介します。

1.言葉で伝えたケース:プライベートの感情を職場に持ち出した部下の場合

いつもは元気で笑顔がいっぱいのアルバイトさんが、ある日突然、朝から不機嫌さが全開になっていることがありました。ぶすっとしている、返事は口をとがらせて「ハイ」だけ。普段はニコニコ話しかけてくるのに、しばらくだんまり状態で作業をしていました。
事態がよく掴めなかったので、様子を見ていたのですが、みんなが「なんかあの子おかしいね?」という雰囲気になって来たので、呼び出して少し話をすることにしました。しかし、冷静に「なにかあったの?」と尋ねてみても、答えてくれなかったのでこれだけ伝えることにしました。

「嫌なこともあると思うけど、ここはみんなで働いている職場だから。仕事として会話をしたり、笑顔で働いたり、割り切ることはできる?」

感情を否定するのではなく、職場での振る舞いについて考えてもらう言葉を選びました。お客様にサービスするお仕事でしたので、もし難しそうだったら「その日は仕事が出来ない」と判断して帰ってもらうつもりでした。この話し合いの結果、彼女は感情を整えて、態度を和らげてくれました。若いアルバイトさんでしたので、感情が揺れやすいのは当たり前だなと、今では思います。頭ごなしに、何その態度!なんて言わなくてよかったです。


2. 態度で伝えたケース:ミスの悔しさから涙を流した部下の場合

不機嫌とは少し違いますが、自分の仕事のミスが悔しくて職場で泣いてしまった2人のアルバイトさんのエピソードがあります。私自身、負けず嫌いで泣き虫だったので、この2人の悔し涙を流した気持ちがよくわかります。それだけ一生懸命だったのです。私は彼女たちに、特に慰めの言葉をかけませんでした。そのかわり・・・

プリンを渡して「2人で休憩しておいで」

行動したのはこれだけです。ミスは周りがフォローすればいいし、悔しい気持ちを次に活かせればいい。泣けるときには、美味しいものを食べて気持ちを落ち着けることが一番です。(持論ですw)
その後、休憩時間から戻った彼女たちは気持ちを整理し、前向きな姿勢で業務に戻ることができました。


部下の不機嫌を「成長のチャンス」に変える3つのアプローチ

ここからは、部下の不機嫌な態度をただ注意して終わらせるのではなく、部下の成長につながるアプローチ方法をご紹介します。3つのアプローチは、部下の方をよく観察して、性格と状況に合った対応をするという前提でお読みくださいね。

1.言葉や行動で小さな気遣いを示す

あなたは相談しやすい上司ですか?
仕事の悩みはもちろん、プライベートでトラブルがあったときに、話せる相手になっているでしょうか。もしそうでないならば、不機嫌そうな部下の方から理由を聞き出すのは難しいかもしれません。あなたとの関係が不機嫌の理由になっている可能性もあります。少しずつ声をかけて、様子をみながら信頼関係を築いていきましょう。部下を無理やり褒めたり、ご機嫌を取るのではありません。

2.共感を示す

共感とは、「相手の気持ちを認め、寄り添うこと」です。もちろん100%相手のことを理解はできないけれど、相手の背景や気持ちを想像することは出来ます。「きっとこういう気持ちだろうな」と想像します。辛いだろうな、悲しいだろうな、悔しいだろうな…想像が出来ると寄り添うことも出来るようになるのです。

3.具体的なアクションを提案する

信頼関係が築けている相手なら別ですが、ある程度距離のある部下への指導・注意をする際には、「さっきの行動ダメだったよ」という過去へのダメ出しは禁物です。アドバイスをするならば、「どうしてほしいか」を具体的に伝えることが一番です。指導の基本は、「人格」ではなく「物事・行動」に対するアドバイスをすることです。

不機嫌な部下へ絶対に避けるべきNG対応

あるあるなのですが、絶対に避けたいNGな対応を簡単に4つご紹介します。
1.無視・無関心・放置する
一番よくない対応です。

2.感情的に注意する
「不機嫌そうにするなよ!」

3.一方的なアドバイス
「ブスっとしないで、にこっとしなよ!」

4.周りとあれこれ話す
「なんかあの人、最近機嫌悪いよね~」

誰でも機嫌が良いとき、悪いときがあります。体調もそうですよね。
間違っても不機嫌な方を責める言動はやめましょう。チームの雰囲気がますます悪くなっていきます。


まとめ:相手は鏡!普段の「自分の振る舞い」を見直す機会にしよう

「部下の不機嫌な態度にどう対応するべきか?」
今回はこんなテーマでコラムを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

上司と部下の関係は、業界や企業文化によって異なりますので対応の正解はありません。「こんな例もあるよ」という感覚で引き出しが増えるヒントとなればとても嬉しいです。

最後に私がご提案したいのは、この機会に「自分自身はどうだろう?」と振り返ることです。 普段の自分の言動は、部下の方々から見て、他の方から見て、「不機嫌そうに映っていないだろうか?」と、今一度考えてみるのも良いですよね。職場は一つのチームであり、上司としての自分の態度や言葉が、周りの方に大きな影響を与えているのは事実です。

部下のため息より、上司のため息の方がよっぽどチームに悪影響を及ぼします。
「自分も部下も完璧ではない」という謙虚な気持ちを持ちながら、立ち居振る舞いを整えることは大事ですよね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
一緒に挑戦していきましょう!
本日もあなたを応援しております!
では、また次のコラムで(^^)/