こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
今回のテーマは、「部下に嫌われているかもしれない…」という不安についてです。
職場で部下との関係に悩む管理職の方は少なくありません。
『あれ?嫌われてる?』と感じたとき、どう対応したらいいか分からず、
距離が広がってしまうこともありますよね。
今回はそんな不安を抱える方に向けて、
部下に嫌われているかもしれない“兆候”と、
関係性を改善するための“対処法”をお伝えしていきます。
それでは、さっそく見ていきましょう。

上司として「伝えるべきことは、伝える」
まず、これを先にお伝えさせてください。
嫌われることは「誰にでもあります」
そして、それは「悪いことではありません」
管理職というのは、立場上、時に部下に指摘をしたり、言いにくいことも伝えなければなりません。
それを「ダメ出しされた・怒られた」と受け取られてしまえば、誤解や距離が生まれることもあります。
仕事仲間である部下との仲がこじれるのは、正直厄介ですよね…
しかし、それが理由で「指導しない」「注意しない」上司になるのは×です。
未来の部下のことを考えるならば、伝えるべきことは伝える。これが上司の優しさ。
そのときに「嫌われることがある」のは、仕方がないと私は考えています。
私が部下指導のときに、意識しているのは
「自分が納得できる伝え方」をしているかどうかです。
自分が自信を持って「言葉を選んで伝えた」と言えるか?
相手の受け取り方は、コントロールできませんが
指導や指摘をする際の「言葉選び」は、自分で出来るはずです。
・相手の状況に合わせた言葉を選んでいるか?
・感情的に言葉を発していないか?
・わかりやすく伝えられているか?
・上から目線の言葉ではないか?
ここを確認したいですね。
部下に嫌われているかもしれない10の兆候
なんとなく「嫌われてるかも…」と感じるのは、もやもやしますよね。
単純に、相手の機嫌の問題かもしれませんし、深刻に考えることはあまりおすすめしません。
しかし、これら10個の兆候が見られるのであれば、早めに対策をとるといいかもしれません。
まずは、チェックしてみましょう。
- 挨拶で目が合わず、表情も硬い
- 雑談の輪に自然に入れてもらえない
- チャットやメールの返答が極端に事務的
- 報連相が必要最低限
- 質問しても単語で返ってくる
- 指示に対して無反応、無言で従う
- 会話の途中で何かを遮断される感じがする
- 面談で本音を言ってくれない
- 他の上司の方にばかり相談している
- 自分の前で話題が止まる
当てはまる項目がいくつかあれば、関係性を立ち止まるタイミングです。
次の背景と対処法を確認なさってみてください。

嫌われる背景と対処法5つ
1. 部下が「指摘=否定」と捉えられてしまっている
正論を伝えたつもりでも、「ダメ出しされた」と感じる部下は意外と多いものです。
特に、自己肯定感が低めの部下は、些細なアドバイスを過剰に受け取ってしまうこともあります。
上司としては「誤解されたくない」と思いながらも、避けて通れないのが“伝える責任”。
だからこそ、伝えた内容だけでなく、“伝え方”に納得できているかを大切にしたいですね。
対処法:注意・指摘をする場合
・「具体的にしてほしいこと」+「~だから(理由)」
・「具体的な事実」+「~するともっとよくなる(アドバイス)」
・「具体的な承認」+「~するともっとよくなる(アドバイス)」
こういった指導の基本が出来ているか、を確認してみましょう。
「ここがダメ」「なぜ出来ないのか」
これは、相手を責めるダメ出しです。指導になっていません。
2. 清潔感が足りない(見た目の工夫が足りない)
あなたは「清潔感」がありますか。人は「見た目」でまず判断します。これは事実です。
仕事でも恋愛でも友情でも、最初に好感を持つ基準は“清潔感”。
婚活の場面でもよく言われるこのポイント、職場でも外せません。
あなたはいかがでしょうか?以下の項目、ぜひセルフチェックしてみてください。
- 髪の毛(寝ぐせ、フケ、整っていない)
- スーツ(サイズが合っていない、しわ)
- シャツ(襟や袖が黄ばんでいないか)
- におい(香水・柔軟剤・体臭)
- 爪(長くないか、黒ずんでいないか)
- 靴(くたびれていないか、かかとの減り)
- 手元(乾燥、手荒れ、ネイルの清潔感)
実は、私自身も企業の教育担当になったときに「見た目」を変えることにしました。
「見た目は“信頼”と“安心”をつくる」からです。
ピシっとした見た目の上司とヨレヨレの上司、どちらの指導が説得力があるでしょうか。
「見た目で不快に思われたら、せっかくの指導が届かない」のです。

3. 「嫌われているかも?」と思ったとき、ギクシャクしていないか?
意外に多いと感じるのが、上司の被害妄想です。
部下に嫌われているんじゃないか?と思い始めてから、態度がギクシャクしていませんか。
例えば、部下が一度挨拶を返さなかったからといって、妙に勘ぐって自分から話しかけにくくなったり…
部下に気を遣いすぎることも逆効果となります。
あくまでも上司と部下は、「仕事関係者」です。相手の態度に引っ張られずに、仕事として変わらない姿勢を貫くことも重要です。
「たとえ嫌われていたとしても、相手を嫌い返さない」
これは、私が大事にしている考え方です。
私も以前は、「あの人、きっと私のこと嫌ってる…」と感じて、無意識に相手に壁を作ってしまったことがあります。今考えると、それは“仕返し”に近い感情なのですよね。
無視されたから、こちらも無視する。嫌われたから、こちらも嫌う。
気持ちはわかりますが、これでは人間関係を築くことはできません。
あなたの感情・行動は、あなたのもの。部下を嫌っても何のメリットもないはずです。
しっかりとコントロールしていきましょう。
4.部下が「あなたをよく知らない」
これもあるあるです。部下に嫌われる理由のひとつに、「よく知られていない」というケースがあります。
部下に対して「自己開示」をしていますか。
例えば
・部下に失敗談や弱みを話したことはありますか。
・仕事観や大事にしている価値観を伝えたことはありますか。
・嬉しい!ありがとう!素晴らしいね!などわかりやすい反応をしていますか。
人は、よくわからない存在に対して無意識に防衛本能を働かせます。
それが、距離を置く・構える・避けるといった態度に現れるのです。
特に最近は、心理的安全性が重視される時代。
・表情が乏しい、反応が薄い
・口数が少ない
こういったタイプの方は、特に注意が必要です。
部下に対して、「自分を知ってもらう努力」も欠かさずしていきましょう。
5.上司と部下の接触回数が少ない
4つめの「上司をよく知らない」という原因にもなることです。
あなたは日々、部下と関わっているでしょうか。
もし、そうでないのであれば、接触回数をできるかぎり増やしていきましょう。
「〇〇さん、あの取引先様どんな感じかな?」
「〇〇さん、いま業務の進捗はどうですか?」
笑顔で、軽く、話しかけてみてください。
「そうか、ありがとう。引き続きよろしくね」
さらっと終わる会話で良いのです。
「話しかけてくれる」「気にかけてくれている」
それだけで、相手の心は少しずつ少しずつ開いていきます。
ぎこちない、話しかけづらい、たしかにそうかもしれません。
しかし、お仕事です。仕事をスムーズに進めるためには、人間関係は不可欠。
その前提を忘れずに、毎日の小さな会話から積み重ねていきましょう。

最後に:「自分が理想に思う上司像」の行動を選ぼう
嫌われたかもしれない…その感情に向き合うのは、勇気がいりますよね。
しかし、そこから逃げずに「今の自分ができること」を一つひとつ実行することで、関係性は確実に前進していきます。
大事なことは、
「自分が好きだと思える自分でいること」
それは、「自分が理想に思う上司像」の行動を選べたときではないでしょうか。
伝えるべきことを、伝えるべきタイミングで、伝える。
自信を持って「自分が行動を選んだ」と思えるなら、それでいいのです。
たとえ嫌われても、相手を尊重し、
誠実に関わり、自分の信念を持ち続ける。
上司としてのあなたの行動は、部下本人に伝わるまでに時間がかかったとしても、
周りの方には確実に伝わります。
私も多くの方に嫌われた経験があります。
挨拶を無視されたり、嫌な顔をされたり、さっと隠れられたり、うざいと言われました。
それでも、諦めずに伝え続けました。それが私の役割だったからです。
少しずつ人間関係は良好になり、チーム力が高まり、成果を出すことが出来ました。
粘ったもの勝ちです!(笑)
あなたにも出来るはず。応援しています!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)