こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「部下とは何か?」と聞かれたとき、あなたはどう答えるでしょうか?
・指示を出す相手?
・育成すべき存在?
・チームの一員?
あらためて尋ねられると一言では答えにくいかもしれません。
今回は、部下とは何か?を考えながら、「部下の意味・定義」を見直しつつ、知っておくべき上司の3つの役割をご紹介いたします。

部下とは・・・
まずは、言葉の意味として「部下とは何か」の定義を確認すると、
部下とは・・・「上司の指揮命令に従い業務を遂行する立場にある者」
多くの辞書に、このような内容で記載されています。
確かにそうなのですが、これだけの認識では足りないと思うのです。この定義だけでは、どこか冷たく、命令に従う“下の立場”のようなイメージを持ってしまいかねません。
「部下は上司の指示に従えばいいんだ!」なんて考えの上司は、今の時代チームをうまく導くことは出来ませんよね。
私は、部下とは“チームの思いを実行に移す存在”だと考えています。
たとえば、会社のトップが掲げたビジョンや目標を、各チームで仕事として動かしていくとき。上司はそのチームの方向性を整え、全体をまとめる役割を担います。そして、実際にお客様と向き合い、サービスや商品を通じてそのビジョンを体現していくのが部下の役割です。
つまり、部下は「上司の下の存在」ではなく、成果を生み出す“実行の主役”と言えるのです。
現場に一番近く、お客様や商品に直接触れているからこそ、チームの成果を最も左右する存在でもあります。
この視点を持つことで、「部下との関係の築き方」や「育て方」も自然と変わっていくのではないでしょうか。
次の章からは、部下を育てるうえで知っておくべき「上司の役割」について触れていきます。
「上司の役割」と一言で言っても幅広いですが、今回は軸となる3つをご紹介して参ります。
上司の役割①:部下が成長できる“環境”を整えること
上司の役割として、真っ先に挙げたいのは“のびのびと成長できる環境”を整えることです。
成長とは、スキル面だけでなく心のことも含まれます。
例えば、自由な発想が生まれやすい、意見を言いやすい、行動がしやすい、周りに協力を求めやすい…そんな風に環境が整っているでしょうか。
「部下が成長できる」ということは、チームの仕事の精度が上がり、上司も次のステップに進めるということです。いつまでも部下が上司の指示に従っているだけでは、チームのレベルは頭打ちになります。
まず取り組みたいのは、
・新たな挑戦を応援し、具体的な目標を一緒に立てること
・プロセスに目を向けて、できていることを認めること
・失敗を責めず、改善のきっかけにすること
これは相手の「自己効力感」を高めるアプローチ、つまり部下に「自分なら出来る!」と思ってもらえるような関わり方です。
うまく行かないときには「次こそ、絶対に挽回しよう」
成功したときには「さらによくしよう!」「また新たな挑戦をしよう!」
部下の方がそう思える機会を、上司がつくることが何よりの育成です。
上司の役割②:「心の拠り所」となること
部下にとって職場で自分らしく働くためには、心の安全が欠かせません。
上司は単なる仕事の指導者ではなく、安心感がある存在であることが求められます。
例えば、
・いつも穏やかで冷静な対応が出来る
・チームを率先して盛り上げてくれる
・悩みを安心して打ち明けられる
・多くの知識や経験があり、学び続けている
このような上司のもとで、部下は本来の力を発揮しやすくなります。
大事なことは、“正しさ”を伝える前に“まず受け止めること”。
「そんな風に感じていたんだね」「話してくれてありがとう」
そう声をかけられる上司は、部下にとって心強い存在です。
上司自身が自己肯定感を高め、自分を認めている人だからこそ、相手の感情も丁寧に受け止められるのです。

上司の役割③:「信頼を表現する」こと
部下育成の中で、忘れがちですが大事なことのひとつは“信頼の表現”です。
成長途中の部下に対して、「あなたなら出来るから大丈夫」と言動で伝えることが重要なのです。
・はじめての業務を任せてみる
・途中で口を出さず、任せきってみる
・部下の自分なりのやり方を尊重してみる
これは「コントロールしない勇気」でもあります。
自転車の乗り方を練習している子どもを大人がサポートをするときに、最初はつきっきりでレクチャーしますが、タイミング見て支える手を放して見守りますよね。そんなイメージです。
ずっと口を出して、細かく指導していたら、ひとり立ちが遅くなります。仕事の場合は、お取引先様やお客様がいらっしゃるので、手を放すタイミングが難しいこともありますが、ミスが起きたら上司が一緒に謝ればいいのです。その覚悟があるか、どうか。
上司が先に信頼を示すことで、部下は自ら考え、行動しようとする意欲が湧いてきます。
そして信頼を受け取った部下は、また次の誰かへ信頼をつないでいく。
それが、人が育ち続ける組織の循環です。
最後に:「部下とは何か?」を問い直すことで、上司も変わる
いかがでしたでしょうか。
「部下とは何か?」「部下の意味とは?」
そんな問いは、実は上司自身にとっての大きな学びでもあります。
部下とは――
◎自分の関わりを映す存在であり
◎成長を支える存在であり
◎未来をつなぐ存在です。
そして、部下との関係性を築くうえで欠かせないのが、上司自身の自己承認力です。
自己承認力とは「自分を認め、信じて 前に進める力」
・自分を認めること
・自分と相手の力を信じること
・変化を恐れず一歩前に進むこと
それが、信頼される上司の土台となり、部下の力を引き出す原動力となります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)