こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「最近、部下が雑談をしなくなった…」
「職場の雰囲気が冷たい気がする…」
「どうしたら部下が話してくれるのだろう…」
こんなお悩みを抱えていませんか?
部下との雑談は、単なる会話ではなく、信頼関係を築くための大切なコミュニケーションの一部です。業務には関係ないことを話す「雑談」ですが、このコミュニケーションが減ることによって報連相の質が落ちたり、チームの空気が重くなったりすることもあります。
では、なぜ部下は雑談をしなくなったのでしょうか?その理由と解決策を徹底解説します。

部下が雑談しなくなった5つの理由と解決策
1. 上司との距離感を感じている
最近、部下と距離が出来るような出来事はありましたか。何かがきっかけとなり、「上司に話しかけにくい…」「上司と何を話せばいいかわからない…」と感じているのかもしれません。特に、権威的な上司や指示中心のコミュニケーションが多いと、部下は萎縮して距離を感じてしまいます。また、新入社員など役職や経験に差があるほど、距離感を感じることも多いものです。
【解決策】
- 自分から頻繁に話しかける:「最近どう?」など、気軽に話しかける習慣をつける
- フラットな関係を意識する:自分の意見を伝えるだけでなく、「〇〇さんはどう思う?」と部下の意見を積極的に聞く姿勢を持つ
- 笑顔と相槌を増やす:やわらかい表情・声色・態度で話しかけやすい雰囲気を作る
2. 「雑談=業務時間外のもの」と思っている
仕事に真面目な人ほど、雑談は「無駄なもの」「サボっていると思われる」と感じることがあります。特に、評価制度や職場文化が「成果主義」に偏っていると、雑談を避ける傾向が強まります。チームの雰囲気はいかがでしょうか。ちょっとした雑談はOKなチームになっていますか。
ある新入社員の方からこんなエピソードを聞いたことがあります。上司から話しかけられてお話しをしたら、後で先輩から「仕事中の無駄なお喋りは控えてね」と注意をされた…自分が話したかったわけではないのに…。この日から周りを気遣って「出来るだけ雑談をしない」という選択をするようになったそうです。上司の思いが全く伝わっていないチームの事例です。
【解決策】
- 「雑談は生産性を上げる」と伝える:「雑談があるチームほど、報連相がスムーズになる」とメリットを説明する
- 雑談の時間を意識的に作る:「ランチミーティング」「おやつの時間」を設けるなど、カジュアルな時間を設定する
- チームビルディングの機会を増やす:ちょっとした社内イベントやオンライン雑談会を取り入れる

3. 人間関係のストレスを感じている
職場の人間関係がギスギスしていたり、過去に嫌な経験をした部下は、「余計なことを話すとトラブルになる」と考えて雑談を避けます。本来は雑談を重ねていくことでお互いを知り、仲が深まっていくのですが、その前にシャッターをおろしてしまうタイプもいます。「あなたを承認しています」というサインを日頃出しておくことも重要です。
【解決策】
- 部下の心理的安全性を確保する:「雑談を否定されない」「意見を言っても攻撃されない」環境を作る
- 雑談のテーマを工夫する:「最近のニュース」「趣味」「好きな食べ物」など話しやすい話題を振る
- 対話の習慣をつける:「仕事の合間にちょっと話す」ことを日常にする
4. 業務に忙殺されている
部下の業務管理はしていますか。労働時間はいかがでしょうか。仕事が忙しすぎると、雑談どころではなくなります。納期に追われ、常に時間に余裕がない状態では、「雑談している時間があるなら仕事をしなくては…」という心理になりがちです。
【解決策】
- 業務の見直しをする:「本当に必要な仕事か?」を上司と部下で一緒に考える
- 雑談の時間を短くして取り入れる:「会議の前に1分だけ雑談」など、短時間で気軽に話す習慣をつける
- 適度な休憩を促す:「少しリフレッシュした方が仕事が進むよ」と、上司が率先して休憩をとる姿勢を見せる
5. そもそも「雑談が苦手」な性格の人がいる
人によっては、もともと雑談が得意ではない人もいます。特に、内向的な性格や、プライベートを仕事に持ち込みたくないタイプの人は、自ら雑談しようとしません。元々、雑談が苦手で最初は無理をして話していたのかもしれません。信頼関係が築けた相手に「本来の自分」を少しずつ出すことはよくあります。
私自身、以前は雑談が得意ではありませんでした。20代前半の頃は上司と会話をしていても、すぐに話が途切れて「シーン…」となっていました。プライベートの話題は苦手でしたが、仕事の話ならあれこれ情報交換として話せたなと思います。話題の選び方も大事ですね。
【解決策】
- 無理に雑談を強要しない:「話したいときに話せばいいよ」と安心感を与える
- 話しやすいテーマを選ぶ:「仕事の話」「休日の過ごし方」「好きな食べ物」「最近のニュース」など、相手の負担の少ない話題を振る
- チャットやメールで雑談する:直接話すのが苦手な人には、テキストベースでコミュニケーションを取るのも一つの手
まとめ:部下との雑談は上司からアプローチを!
いかがでしたでしょうか。部下が雑談をしなくなった理由は、さまざまな要因が絡んでいます。主な理由としては、
- 上司との距離感を感じている → フラットな関係を意識し、自分から話しかける
- 「雑談=業務時間外のもの」と思い込んでいる → 雑談のメリットを伝え、雑談の時間を意図的に作る
- 人間関係のストレスを感じている → 安心して話せる環境を整える
- 業務に忙殺されている → 業務の見直しや短時間の雑談を取り入れる
- そもそも雑談が苦手 → 無理に雑談を強要せず、チャットなど別の方法も活用する
その他に、付き合いが長くなったから「雑談をしなくても大丈夫」という関係になったことも考えられます。好む会話の量は人それぞれです。自分のことをあまり話さないから、と言って心を開いていないとは限らないのですよね。
どうしても心配な場合はあれこれ考えるよりも、一度時間をとって尋ねてみることです。もしかしたら、ストレスによって「メンタル不調」に陥っている可能性もあります。
時間を設けたら、「最近、どんな感じ?あまり話していないなぁと思って」と切り出してみましょう。部下の様子を観察しながら、感情・思考・行動・身体に変化が生じていないかを確認します。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
そもそも、仕事の人間関係は「業務をスムーズに進められる」ことが前提です。無理に仲良くする必要はありません。困るのは、仕事の話が出来なくなることです。雑談の量よりも、チームのみんなが仕事がしやすい関係性が築けているかを確認していきましょう。
大事なことは「雑談しない=悪いこと」と決めつけず、部下の心理を理解したうえで、環境を整えていくことです。まずは毎日のコミュニケーションを増やしてみてはいかがでしょうか。例えば、「おはよう!」「お疲れ様!」の挨拶の一言に「仕事どんな感じ?」と添えて、部下の方の近況を尋ねてみる。
日々の積み重ねが相手との信頼関係を構築していきます!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう。