こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもお読みいただきありがとうございます!
ちょっと注意をしただけなのに・・・
面談で大事な話をしただけなのに・・・
「すぐに泣く部下」の対応に困ったご経験はありませんか?
私はもちろんあります。社員さんとの面談も多かったので、様々な涙を見てきました。
悔しい、悲しい、寂しい、恥ずかしい、中には「自分では理由がわからない」というものもありました。かくいう私自身もかなりの泣き虫でしたので、上司の前で涙を流す部下の方の気持ちもよくわかります。
とはいえ、急に泣き出されてしまうと困ってしまいますよね。そこで本日は、「部下がすぐ泣く理由」と「めんどうくさいと感じたときの対処法」を5つのポイントをお伝えしていきます!
涙の種類あれこれ
まず、はじめに「涙の種類」について考えていきましょう。
・基礎分泌の涙:瞳を潤すもの
・反射性の涙:玉ねぎや花粉などの刺激による涙
・情動性の涙:感情に伴って流れる涙
3番目の「情動性の涙」の中でも、さらに種類が大きく分かれます。
- ポジティブな感情の涙:期待を超えた感情。うれし涙、感動など
- ネガティブな感情の涙:期待を失った感情。悲しみ、悔しさ、辛いなど
- うそ泣き:人をコントロールしたいという感情。
涙を流す理由は様々ですが、ざっくりと「キャパオーバー」と捉えておくといいかと思います。我慢できないほど、感情があふれているイメージです。
「涙を流すこと」は心と体に良い!
ここで触れておきたいのは、涙を流すことは「心と体に良い効果がある」ということです。涙とともにストレス物質が流れ、涙には脳内モルヒネ(ストレス解消に良い)が含まれるのです。
悲しいことがあったとき、思い切り泣いたらスッキリした!というご経験がある方もいらっしゃると思います。涙は悪いものではなく、むしろ積極的に流した方が良いとされています。
「すぐに泣く部下」の涙が必ずしも厄介なものとは言えないかもしれません。
泣く機会があまりない方は、感動モノの映画を観たり、悲しいドラマを観て涙を流して、涙と共に日頃のストレスを流してみてはいかがでしょう。
部下が泣く理由とは?
涙が心と体に良いとわかったところで、ここからは「なぜ部下がすぐに泣くのか」その背景を考えてみましょう。 部下が泣く理由として、次のようなものが考えられます。
- 生活の乱れ:睡眠・食事・運動のストレスマネジメントの基礎は出来ているでしょうか。睡眠がろくにとれていない、食事をまともに食べていない…こんな状況では、感情が乱れて当然です。
- 業務量の過多:部下の方が担当しているのは、適切な業務量でしょうか。やってもやっても追いつかないほどの仕事があることがプレッシャーとなり、ストレスが大きくなっているかもしれません。
- 自信の欠如:自分の能力や仕事への自信が持てず、上司の言葉が「否定」や「攻撃」に感じられるケースもあります。過去の経験から、注意=自分を否定されたと感じる方もいます。
- ホルモンバランスの乱れ:ホルモンバランスが乱れることで、感情がコントロールできないこともあります。
その他、感情コントロールの経験不足によりすぐに涙が出る若手社員さんもいますので、相手の背景を想像しながら対応したいものです。
泣き出した部下へのNG行動3つ
対処法の前にぜひ先に押さえておきたいのが、こちらのNG行動3つです。
- 動揺する 「え、え、え、どうした?どうした?」
- 質問攻め 「それは何の涙?」「俺なんかした?」
- 不機嫌になる 「すぐに泣くんじゃない」「泣いても解決しない」
あるあるの行動ではないでしょうか。部下に急に泣き出されて動揺する気持ちはよくわかりますが、これらの言動は信頼関係を崩してしまいかねません。
実は、私はかつて「は?なんで泣くの?それは何の涙?」に管理職の方に言われて、その方が大嫌いになってしまったことがあります。涙が出た理由は、その方に対して蓄積したストレスでした。理不尽な注意をされているのに、言い返せない自分の立場が情けなく、悔しかったのです。「あなたに対するストレスです!」なんて、言えるはずがありませんw
泣いている部下にも寄り添えないのか!と腹が立った私は、しばらくその方を無視するという幼稚な態度に出てしまったのでした…。反省しています。
部下が泣き出したとき5つの対処法
ここからは、対処法を5つご紹介いたします。涙が出る理由は、一つではありません。これまでに我慢していたものや自分や他者に対する様々な感情があり、こみ上げて来るから泣くのです。相手の気持ちを想像しながら、寄り添うことが重要です。
1.落ち着いて対応する
まずはご自身が落ち着きましょう。急に泣き出した部下に驚くかもしれませんが、上司が焦ったり、感情的になってしまうと状況は悪化します。どんな表情なのか、どんな話をしていたら泣き始めたのか、穏かな表情で様子をみましょう。
- ポイント:深く呼吸をするように心がけましょう。部下の方の呼吸が浅くなっていたら深呼吸を促したり、近くにティッシュを持って行ってあげるのもおすすめです。
2.相手の感情を否定せず受け入れる
涙が出ることは悪いことではありません。「大丈夫だよ」「ゆっくりでいいよ」「我慢しなくていいよ」など、相手の感情を受け入れる言葉をかけましょう。
- 例:「感情が溢れたこともあるよね。無理しなくても大丈夫だから、落ち着いたら話そう。」
3.話を止めて、待つ
泣いている間に、話しを続けるのは逆効果です。感情が高ぶっている状況で、何を言われても冷静に聴くことは出来ません。一旦、話を辞めることをおすすめします。相手の涙が収まって落ち着いたころに、話を再開しましょう。
- 具体的な対応:穏やかな表情や態度で静かに待ちましょう。しばらく涙が止まらないようでしたら「落ち着いてからまた話そうか」と優しく提案することも良いです。
4.自分の伝え方を振り返る
泣き出したタイミングを振り返り、ご自身の「伝え方」はどうだったのかを確認してみましょう。表情や声のトーン、言葉の遣い方はどうか。必要以上に厳しい言葉やプレッシャーをかけていないか、一度振り返ってみることをおすすめします。注意や指導をするときには、「物事」に焦点を当てます。部下本人・人格を否定する言葉はNGです。
- ポイント:日頃の自分の接し方も含めて、振り返ってみましょう。反省すべき点が見つかったら、素直に部下に謝りましょう。「あのときの自分の言葉がきつかったと反省しています。本当に申し訳なかったです」と、誠意をもって対応してください。
5.フォローアップで信頼を築く
「泣いて終わり」にせずに、最後は前向きな気持ちになるようにフォローをしましょう。「これから●●していこう」「一緒に取り組んでいこう」とサポートする姿勢を見せることが重要です。
- ポイント:感情が溢れやすい方は、日常的にも悩みやすかったりイライラしやすいことがあります。日頃の勤務の様子を注意してみるようにしましょう。
泣き出した部下への対応は信頼関係構築のチャンス
いかがでしたでしょうか。「部下が泣く」という現象は、信頼関係を築くことが出来るチャンスでもあります。上司の腕の見せ所、なのです。
ここで一つ、エピソードをご紹介します。私がまだ10代だったころ、友人と取り組んだイベント準備がうまく行かず、悔しくて2人で泣いたことがありました。自分たちの力不足に情けなさを感じていたところ、ある先輩が「ちょっと話そうよ」と言って声をかけてくれました。一緒にイベントに関わった先輩でしたので、私たちは「迷惑をかけて申し訳ないです。おまけに泣いてしまい、ほんとに恥ずかしいです」と、謝りました。
先輩はそんな私たちに「泣けるってすごいことなんだよ。それだけ一生懸命だってことでしょう」と、笑顔で言ってくれたのです。その器の大きさと優しさに、私たちは一層涙が止まらなくなりました。
「涙は一生懸命の証」
もう何十年も前の話ですが、未だに印象に残っています。本当にその通りで、本気で取り組んでいるから涙が出るのです。
仕事に対して「泣ける」ということは、それだけ一生懸命なはずです。その涙をきっかけに、部下の方がさらに成長できるように上司としてサポートしたいものですよね。
今日もあなたを応援しています!では、また次のコラムで(^^)/