こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「大事なことを先に教えてくれなかった…」
「上司が報告しないから、現場が混乱した」

そんな風に、報連相をしてくれない上司に悩んだ経験はありませんか?

部下の立場で仕事をしていると、上司に対して「もっと共有してほしい」「もっと話してほしい」と感じることもあると思います。

一方で上司側も「うまく伝えられなかった」「つい後回しになってしまった」と、別の葛藤を抱えていることもあるかもしれません。

今回は、そんな「報連相をしない上司」の背景を丁寧にひも解きながら、部下としてどう関わっていけばいいのかを一緒に考えていきましょう。


報連相しないのは冷たいからじゃない!上司の裏にある3つの事情

報連相が足りない上司、その表面だけを見てしまうと「自分勝手」「無関心」と感じることもあるかもしれません。私はこれまで多くの経営者・管理職と出会ってきましたが、実際は次のような背景を抱えている場合もあるのです。

1. コミュニケーションが得意じゃない

私自身もそうでしたが、元々コミュニケーションが苦手な方も多いです。「管理職=コミュニケーション上手」とは限りません。
現場で実力を発揮して昇進した方の中には、部下との距離感がわからなかったり、「言葉で伝える」ことに苦手意識を持っている方もたくさんいます。ハラスメントに敏感になりすぎて、部下と距離を置きすぎる上司も増えているように思います。

部下から見ると「無口で不親切」と感じる態度も、上司本人は「何をどこまで話せばいいのか分からない」と悩んでいる可能性が大きいと言えます。


2. 「察して当然」の価値観が残っている

40代以上の上司にいらっしゃるのが、「見て覚えろ」「言われる前に動け」といった、昭和~平成初期の“空気を読む文化”がまだ少し残っている方です。

そのため、
「これくらい言わなくても分かってるよね?」
「そんなに細かく説明しなくてもいいでしょ」

こういった前提があるので、自然と上司からの報連相は少なくなります。
部下は不満に思うかもしれませんが、「わからないことがあれば聞いてくるだろう」と考えている管理職は、ある意味部下を信頼していると言えるのかもしれません。

「指示してくれたらやります」という部下と「言われなくても察して動いてくれ」という上司。お互いに歩み寄るのが一番の近道ですね。


3. 忙しすぎて伝える余裕がない

これもよくあるパターンです。上司が「時間と気持ちに余裕がない」状態ではないでしょうか。

  • 会議ラッシュ
  • トラブル処理
  • 他部署との連携
  • 経営陣への報告資料

プレイングマネージャーは現場の仕事も抱えていますから、どうしても報連相などのチーム作りが後回しになることも。これだけ詰まっていたら、「あとで言おう」がそのまま…になってしまうのも無理もないかもしれません。


上司を変えようとしない!関わり方を変えるほうが早い理由

報連相をしない上司に振り回される部下からは、「事情は分かるけど、現場は困ってるんです!」そんな声もあると思います。
急な変更や情報不足は、部下としてはたまったものじゃありませんよね。

では、ここで提案があります。
「上司を変える」のではなく、「関わり方を変える」ことにトライしてみませんか。
実はこちらの方がずっと現実的で、効果的なんです。

「上司が変われば、部下が変わる」とよく言われますが、逆もそうなのです。
「部下が変われば、上司が変わる」

少しずつ行動を変えてみることで、上司の反応も変わっていくのです。

例えば…不愛想で挨拶もしない上司だったのに、明るくて元気な部下がついたら、少しずつ笑顔が増えて性格も丸くなっていった。そんなこともよくあります。

「相性がいい悪い」のではなく、「どちらかがうまく相手に合わせる」
これも重要なチームづくりではないかと思うのです。


こんなエピソードがあります。飲食店に勤めていたとき、ある日パートさんから「さくらちゃんがいない日は店長がイライラしている」と話を聞きました。私が知っている店長はいつも優しくてニコニコです。しかし、他のパートさん・アルバイトさんも同じ意見でした。私が休みの日に、店長はすぐに機嫌が悪くなるのだそうです。
よくよく原因を考えてみたら、答えは「私の動き方」にありました。私は営業中、あちこち動き回りつつ情報を集めて、「今こんな状況です」とその都度店長に報告をしていました。そして、店長は私や各所に次の指示を出します。
この私が担っていた“橋渡し役”が、休みの日はいなかったのです。店長1人が全体をまわりながら、情報を集めて各所に指示を出すのは限界があります。すると、チーム全体が情報不足になり「なんで言わないんだ」「あのお客様情報を聞いてないぞ」などトラブルが出てくる。そりゃあ、イライラもします。穏やかではいられないですよね。このことが判明したときから、パートリーダーには私が休みの日に“橋渡し役の動き”をお願いしたところ、店長のイライラはだいぶ収まったそうです。
部下の動きが変わると、上司の動きも変わるのです。

次の章では、報連相が回り出す3つの具体策をご紹介します。


報連相が回り出す!部下にできる3つの行動とは?

1. 情報は“待たずに取りに行く”が基本

  • 「この件、何か連絡事項があれば教えていただけますか?」
  • 「来週の予定で変更はありますか?」
  • 「今の時点で気をつけることはありますか?」

こうした“先回り確認”は、部下の重要業務です。
「教えてくれなかった」「指示してくれなかった」ではありません。情報は自ら取りに行くのです。
このスタイルは、上司とのコミュニケーションも高まるので大変おすすめです。


2. 上司の“報連相のタイプ”を見極める

あなたの上司はどんなタイプですか。

  • 結論から聞きたいタイプ
  • 雑談の中で拾う方が好きなタイプ
  • メールだと既読スルーになりやすいタイプ

などなど・・・
上司によって“受け取りやすい報連相”が異なります。
電話が好きな方もいれば、形に残るメールが好きな方もいます。
上司のタイプに合わせて「投げ方」を変えることも、実は立派なコミュニケーションスキルです。
ぜひ分析をしながら、あなたの上司に合ったボールを投げてみてください。


3. 「上司の余裕をつくる」意識で動いてみる

“上司の仕事はどんどん奪え”です!
上司から仕事を振られるよりも、先に動く。これは若手時代に教わったことで、何も大きな目標がなかった私が会社から評価していただけたのは、この考えがあったからだと思っています。

たとえば・・・

  • 会議資料のたたき台をつくる
  • タスクを整理して「こちらで引き受けます」と伝える
  • 上司の漏れそうなポイントを先回りしてチェックする

こうした部下の積極的なサポートが、チームの信頼関係を強めていきます。
自身も成長出来て、上司も業務が楽になる。一石二鳥です。そして、心に余裕ができた上司は、自然と部下との会話や報連相が増えていくのです。

行動力のカギは“自分を認める力”!自己承認力3つの磨き方

「よし!行動するぞ!」そう感じた今がチャンス!
行動力を継続させる鍵は、“自己承認力”です。自分を認め、信じて前に進んでいきましょう。

1. 小さな行動を自分でねぎらう

  • 「自分から気付いて上司をサポート出来た!」
  • 「勇気を出して上司に情報を取りに行けた!」
  • 「話しにくい上司に業務確認できた自分、すごい!」

誰かに褒められるのを待っているのではなく、自分で自分に「よくやった」と声をかけましょう。


2. 他者と比べるのをやめる

「あの部署の上司はやりやすそうでいいよな…」
「他の人より私に冷たい?信頼されてないかも…」

上司のことも自分自身のことも、他者と比べるのはやめましょう。
人それぞれ様々な能力があり、価値観も成長度合いも異なります。

もしも、羨ましいなと思ったら
「あの部署の上司部下の信頼関係を目指そう!」
「今より信頼されるようにアピールしていこう!」
未来に焦点を当てることをおすすめします。


3. 行動に“意味”や“価値”を持たせる

どんな小さな行動でも、意味や価値を感じながら動くことが出来れば「やりがい」になります。

  • 何のために行動するのか
  • この行動で誰が喜ぶのか
  • 目指すゴールは何か

情報を取りに行くこと、上司のタイプを見極めること、仕事をサポートすること。
これらに意味や価値を感じたあなたが行動することで、チーム全体が変わっていくきっかけになります。


報連相は「誰かの責任」じゃない!あなたの一歩が空気を変える

報連相が足りない上司に対して、「もっとちゃんとしてほしい」と思う気持ち、よく分かります。
しかし、チームの報連相というのは、本来一人の責任で完結するものではありません。

情報を伝える人
情報を受け取る人

お互いの行動が重なり合って、はじめてスムーズな報連相が実現します。

つまり、上司が動かないからといって、部下も待っているだけは、現場は何も変わりません。どちらかが一歩踏み出すことで、流れが変わっていくのです。

それは、“自分の行動で職場をよりよくできる” リーダーシップのあり方なのだと思います。

どの役職の方であっても、自分が動くことで誰かの仕事がしやすくなったり、職場の空気が整ったり。
そんな体験をしたとき、「この行動をとってよかった」と心から思えるものですよね。

自己承認力とは、自分を信じて前に進む力。
相手が変わらなくても、自分が動けば未来は変えられる。

そう信じて、一歩を踏み出してみましょう。
それが、チーム全体の風通しを変える、確かな第一歩になります。

あなたの小さな行動が、きっとチームの空気を変えていきます。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)