こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
「上司である自分の前で、部下が萎縮している・・・」
そんな風にお感じになったご経験はありませんか。
「萎縮」とは・・・
1: しぼんでちぢむこと。また、元気がなくなること。2 :正常の大きさに達した生体の器官などが、小さく変化して、機能しなくなること。(出典:デジタル大辞泉)
部下が萎縮する状態というのは、「部下が自分の前で元気がなくなり、能力を発揮できない」ということです。これは上司として非常に困りますよね。
しかし、ここで焦ってはいけません。「おいおい、元気出せよ!」と声をかけたり、「そんなに緊張するな」という言葉が逆に相手にプレッシャーをかけたりして、逆効果になることがあります。今回は、部下が萎縮しているときに有効な5つの具体的な対応策をご紹介します。
(1) 「威圧感」が強くないか?確認
役職や経験を重ねると、本人の意図とは関係なく言葉や態度に「圧」がかかります。別の表現をすると「影響力」「存在感」「迫力」です。お仕事をする上で重要なものですよね。経験を重ねるほどご自身が以前よりも「部下にかける圧」が増している、と自覚していますか。
ご自身が部下に与えている威圧感に気がつかずに、部下との接し方をしてしまうと相手との距離は広がるばかりです。まずは次の3点を確認してみましょう。
- あなたの表情は柔らかいですか?
- あなたの声は柔らかいですか?
- あなたの言葉は柔らかいですか?
よくあるのが無意識の上司が発する「無表情」の威圧感です。表情がない状態は「何を考えているのかわからない」ので、怖いものです。よほど顔立ちが優しい方でない限りは、ご自身の表情に意識を向けることをおすすめいたします。
(2) 部下の話を聴いているか?確認
部下を委縮させる上司の共通する特徴に「部下の話を聞かない」というものがあります。1対1の対話であっても、上司が8~9割話をしている状態。これでは、会話をしていると言えません。一方的に話をする上司には、どうしても「威圧感」が出てしまいます。
- 「〇〇さんはどう思う?」と、部下の意見を求めていますか?
- 部下の話を途中で遮らずに、否定せずに最後まで聴いていますか?
- 相槌やうなずきなど、リアクションをとりながら聴いていますか?
「あなたの話を聴いていますよ」というサインを出しながら、部下の話をよく聴くようにしましょう。傾聴のスキルは、相手の安心感を生む効果があります。
(3) 部下に適切に仕事を任せているか?確認
部下が上司に対して委縮する原因の一つに、「自信の喪失」があります。部下が自信を持つことは、非常に重要です。一番のおすすめは、得意分野の仕事を任せること。部下に成功体験をたくさん積んでもらえる仕事の振り方が出来ているか、確認をしましょう。
- 「〇〇さん、この書類を簡単にまとめてくれる?」
- 「〇〇さん、▲▲の経験あるよね!手伝ってもらえる?」
- 「〇〇さんはーーが得意だから、任せたいと思うけどいいかな?」
仕事を任せられ、結果を出せるたびに「出来た!出来た!」と自信が積み重なっていきます。部下を育てようとするあまりに、高いハードルの仕事を振っている方は一度見直してみましょう。
(4) 「ポジティブな表現」が多い上司か?確認
日ごろから上司がネガティブな表現が多いタイプは、部下が委縮しやすくなります。例えば、会社や取引先様への文句を平気で口に出したり、うまく行かないときに愚痴ばかりを言う、誰かのよくない噂話をする…などのタイプです。こういった上司とは距離を置きたくなるものです。そして、「上司に文句を言われないようにしよう」と積極的な仕事をしなくなるので要注意です。上司として、常にポジティブな姿勢を意識しましょう。
- 「〇〇さんにやってもらった仕事、すごく評判よかったよ!ありがとう!」
- 「いつもみんなのお陰で助かっています!」
- 「繁忙期だけど、このチームなら乗り切れる!頑張ろう!」
チームの空気は、リーダーがつくります。上司のポジティブな言動が部下に大きな影響力を与えるのです。
(5) 「コミュニケーションの量」は足りているか?確認
最後は最も重要なポイントです。コミュニケーションの量は足りていますか?部下の方と会話をしていますか?長時間でなくてもいいのです。短いメッセージでも会話でもコミュニケーションをとる機会を増やすことで、部下との距離がだんだんと縮まっていきます。
ここを改善せずに、数か月に1度・1時間の面談で部下との距離を縮めようとしても難しいです。人材育成は、すぐに結果が出るものではなく「日々少しずつ積み重ねていくもの」と捉えておきましょう。
私が部下育成に悩んだときに、一番に取り組んだのはこれでした。距離が出来ている部下に対して、どうしても苦手意識が出てしまい、自然と話しかける回数が減っていることに気がついたからです。価値観が合って話しやすい部下とはくだらない話で盛り上がるのに、苦手意識のある部下とは距離を置く・・・これではうまく行くはずがありません。私が勇気を出してやってみたのは、「とにかく顔を出すこと」です。用事があってもなくても、会いに行って声をかける。これはかなり大きな効果がありました。最初は気まずいのですが、何度も何度も顔を見せると「今日も来たんですか!」と笑ってもらえるようになりました。そこから信頼関係を築くのに時間はかかりませんでした。「接触回数の効果、恐るべし!」です。
あなたの自己承認力をチェック!3つの質問
部下を育成する上で、あなた自身が自己承認力を確認しておくこともとても大事です。以下の3つの質問を通して、ぜひご自身をチェックをなさってみてください。
- 不安・焦り・イライラの感情を感じても、短時間で切り替えることが出来る
上司は、感情に振り回されずに冷静に対処ができる力が求められます。 - 出来事のありのまま受け止め、「じゃあ、どうするの?」と未来を考えられる
失敗があったとしても自分や他者を責めず、ダメ出しをせず、次に活かすことが大事です。 - 「自分は部下を育てられる」と、自分の能力を信じていますか?
自分を信じることが出来る方は、他者を信じることが出来ます。部下との信頼関係を築くためには、自分を信頼することが重要です。
部下の委縮は「上司としての威厳」ともいえる?
いかがでしたでしょうか。「部下と距離を縮めて、何でも言い合える関係を築きたい」上司としてそうお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんな上司の気持ちは部下に伝わりにくいもの。まずは、ご自身がどんな上司に見えているか?を確認してみましょう。
ここで一度お伝えしたいのは、「部下が自分に対して萎縮している」という状況は、必ずしも悪いわけではありません。仕事のスキルが高い、カリスマ性がある、経験が豊富、貫禄がある…そんな上司の前でも部下は萎縮するものだからです。ご自身も「憧れの人」「尊敬する人」を前に、緊張・萎縮したご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大事なのは、バランスです。部下からの憧れ・尊敬が行き過ぎて「話しかけにくい」「意見が言えない」そんな上司では、チームはうまく行きません。リーダーとしての適度な「威厳」や「存在感」を示しながら、部下のことを受け入れる度量と親しみやすさを発揮する、そんなリーダーを目指したいですね。
部下とバランスの良い関係を築くには、まずはあなた自身が自己承認力を高めて、リーダーとしての日々の振る舞いを意識していく必要があります。
いつもあらゆる仕事に全力で向き合っている!上司として頑張っている!
そんなご自身を労い、認め、褒めてお過ごしになってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
引き続き、あなたを応援しております!
では、また次のコラムでお会いしましょう(^^)/