こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「マネジメントって、結局なにをすることですか?」
研修やご相談の場で、こんな質問をいただくことがあります。
たしかに、「マネジメント」はよく使われる言葉ですが、実はとても広い意味を持つ言葉です。
部下指導、目標管理、業務の進行、チームづくり…いろんな場面に関わっていますよね。
言葉の説明をする前に、まず一つだけお伝えしたいことがあります。
管理職の仕事は「数字(成果)を出すために、部下が動ける状態を整えること」。
あらためて、この考えを軸としてこの先をお読みいただければと思います。
企業に勤めている以上は、やはり成果を出すのは大前提です。いくら関係性が良くても、業績が出なければマネジメントとしては不十分。 数字を放っておいて、「部下に嫌われたくないから」「関係を壊したくないから」と伝えるべきことを我慢していては、本末転倒です。
業績を上げることは、部下とあなたの生活を守ること。
そして、それを支えるのが「本物のマネジメント力」と言えます。
今回は、そんな本質をふまえて「業績が上がる部下マネジメントの10の方法」をお伝えします。

「マネジメント」とは何か?
マネジメント(Management)は本来、「管理」「運営」という意味を持ちます。ビジネスの現場では、組織目標を達成するために、人や時間、業務を整えることを指します。
つまり、部下のマネジメントとは【部下が成果を出せるように支援すること】です。
マネジメント=管理ですので、一般的には
- やることをやってもらう
- 遅れやミスを防ぐ
- 目標を達成してもらう
「ルールを守らせる」「言われた通りに従わせる」スタイルが多く見られます。
もちろんこれらも大事な要素です。しかし、それだけでは「成果を上げ続けること」が難しくなってきているのも事実です。
守るマネジメント、という視点
部下のマネジメントに、もう一つ考えたいのが「守るマネジメント」です。
これまでの「従わせるマネジメント」に「守るマネジメント」をプラスするイメージです。
「守る」という表現は、甘やかすように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
守るとは、部下が安心して動ける状態、力を出せる状態、挑戦できる環境を整えることです。
部下が働く環境を守り、健康を守り、信頼を守り、売上を安定させて生活を守ります。
上からの強い力ではなく、どんな部下にも対応して支えられる「しなやかな力」が必要となります。
そのしなやかに守る力こそが「自己承認力」です。
自己承認力を使った部下育成は、相手の話を聴き、意見を引き出して、導いていきます。
外から見ると「優しいが頼りない関わり方」「影響力が弱い」と思われることがあります。
しかし、実際は逆です。
上司自身の軸が強いからこそ、しなやかにどんな部下にでも対応できる。
そんな時代に合った育成方法と言えるのです。
相手に合わせて接し方を変え、信頼関係をつくっているからこそ、きちんと厳しいことも伝えられるのです。

「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い
マネジメントを考えるうえで、忘れてはならないのが「リーダーシップとの違い」です。
簡単に言えば、
- マネジメント=仕組みを整え、成果を出すための運営
- リーダーシップ=人の心を動かし、前に進めるための関わり
この両輪があってこそ、チームは動き出します。
昔ながらの「引っ張るリーダーシップ」や「従わせるマネジメント」も必要ですが、 今は「導くリーダーシップ」「守るマネジメント」へのアップデートも求められる時代です。
このリーダーシップとマネジメントの違いや、「導く×守る」の新しい関わり方については、 こちらのコラムで詳しくご紹介しています。ご興味のある方は、ぜひ併せてご覧ください。
業績が上がる!部下マネジメントの10の方法
ここからは、実際に部下に対してどんなマネジメントを行うか。
その方法を10個ご紹介していきます。
1.目的と基準を明確に伝える
「なぜこれをやるのか」「この業務のゴールは何か」を伝えることで、部下の動きに意味が生まれます。目的が見えると、やらされ感が減り、自ら動く姿勢が育ちます。
2.手順やルールを見える化する
「どうやってやるか」を明確にすることで、迷いが減り、スピードと正確性が上がります。手順書やフローチャート、業務マニュアルなどは部下の安心材料になります。
3.期日や期待値を共有する
「できるだけ早く」「しっかりと」では伝わりません。「○日までに」「この品質レベルで」など、上司の基準を具体的に言語化することが大切です。
4.報連相のしやすい仕組みを整える
「困ったら相談してね」ではなく、相談できる“場”や“タイミング”をあらかじめ決めておくこと。報告しやすいフォーマットを用意するのも効果的です。
5.成果だけでなく、プロセスも承認する
うまくいったときだけではなく、努力や工夫も承認しましょう。部下のやる気を育てるには、「見てくれている」という実感が不可欠です。
6.伝える前に“整える”意識を持つ
感情的に伝える前に、自分の状態を整える。相手が受け取りやすいタイミング・言葉・場所で伝えることで、信頼を壊さずに伝えることができます。
7.フィードバックは“育てる視点”で
「ダメ出し」ではなく「良くするための視点」で伝えると、部下は前向きに受け取れます。未来につながるフィードバックが、部下の自信を育てます。
8.定期的な対話の時間を確保する
1on1ミーティングや雑談など、短時間でも「あなたを見ているよ」という時間を持つことが、信頼関係を深めるカギになります。
9.上司自身の行動と発言に一貫性を持つ
「言ってることとやってることが違う」状態は、部下の信頼を大きく損ないます。自分の言動が一致しているか、常に振り返りましょう。
10.“安心して成果を出せるチーム”をつくる
叱られるかもしれない、否定されるかもしれない。そんな不安があると、人は本来の力を発揮できません。部下が「ここなら頑張れる」と思える環境こそ、成果を生み出す原動力です。

まとめ:「結果がすべて」ではないが、「結果にはこだわれ」
いかがでしたでしょうか。
マネジメント業務は、部下の成長を支えることも必要ですし、業績を出す責任もあります。 どちらか一方ではなく、“両方”を目指すことが、現代の上司に求められている役割です。
関係性だけ良くても、数字が出なければ評価されません。 成果だけを追いすぎても、部下は疲弊してしまいます。
上司自身の強い軸と、部下へのしなやかな関わり。 それが、自己承認力を活かした「本物のマネジメント」です。
10の方法の中で、気になったところから、ぜひ明日から取り入れてみてくださいね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)