「部下の愚痴」をどう捉えるかで信頼関係が変わる
いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。
自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
さて、今回は「部下の愚痴」についてお話ししていきます。
同僚に対して、業務に対して、
仕事量に対して、そして会社の体制に対して・・・
部下の方が愚痴や不満を口にする場面に
出くわしたご経験がある方は
少なくないのではないでしょうか。
ちなみに私は過去に、
更衣室で部下2人が私に対する文句を
言っている場面に遭遇したことがあります(笑)
どんな内容であれ、部下の愚痴を耳にすると
どうしても気分が下がったり、
答えが出ない問題は、どう対応すればいいのか迷ったりすることもありますよね。
しかし・・・
その愚痴、部下との信頼関係を強化するチャンスかもしれません!
上司が部下のネガティブな話題をどう受け止めるのか。
それによって今後の関係性も大きく変わります。
部下から愚痴が出るのは関係が築けている証拠
部下の方から、正直に愚痴や不満を言ってもらえる・・・
まず、そんな関係を築けている時点で拍手!です。
あなたの普段の部下の方への接し方が素晴らしい証拠。
私は職業柄、何千人という
管理職の方にお会いしてきましたが
部下との距離が出来てしまって
・部下が話しかけてこない
・部下との会話が続かない
・部下が面談でも本音を話さない
そんな状況で悩んでいらっしゃる方が意外に多いのです。
チームづくりをする上で、
部下の方からの意見や情報は宝。
ネガティブな意見がたくさん出すぎるのも困りますが、
何も言われなくなった方が危険信号と私は考えています。
建設的な意見と同様に、否定的な意見もしっかり受け止められる
上司でありたいですよね。
では、ここからは部下の愚痴を聴くときのポイントをご紹介いたします!
部下の愚痴や不満の聞き方:①絶対に口を挟むな!部下の声をすべて引き出す方法
部下が愚痴を言い始めたとき
上司として最も重要なのは、最後まで話を聴き切ることです。
途中で話を遮ったり、自分の意見を言わない。
言いたくなっても言わない。
絶対に口を挟むな!です。
「それはね」「でも」「だけど」「そうは言っても」
ここはぐっとこらえましょう!
お客様からのクレーム対応と同じです。
相手の話の腰を折ってしまっては、後々こじれる可能性が大きい。
うなずき、相槌を打ち、話をうながします。
「そうか」「そうなんだね」
「それでどうなったの?」「詳しく教えてもらえる?」
聴いて、聴いて、聴く!!のです。
愚痴や不満がこぼれている状態は
例えるならば、汚れた水をパンパンに含んだスポンジ。
溜まったもの【愚痴・不満】を
絞って、絞って、すべて吐き出すことが出来れば、
また新たなものを吸収出来ます。
【アドバイス・自分の意見】は、愚痴をすべて聴いたあと。
あるあるですが、よく話も聴かないうちに
解決策をパパっと出してしまうのはご法度ですのでお気を付け下さい。
真剣に聴きすぎて、リアクションが乏しいのも要注意。
相手に「聴いているサイン」を出し続けましょう。
部下の愚痴や不満の聞き方:➁次の一手は? 部下の本音を未来のアクションに!
話をよく聴いて現状を把握したあとは、「じゃあどうするか」
話題を未来に方向転換することが重要です。
例.
そうか、状況はわかった。
〇〇さんの気持ちもよくわかったよ。
教えてくれてありがとう。
じゃあ今のこの状況、〇〇さんはどうしたいと考えてる?
例.
そうなんだね、そんなことがあったのか。
悩んでいたのに上司として
気がつかなくて申し訳なかった。
話してくれてありがとう。
〇〇さんが特にすぐに対処してほしいと思っている点はどこかな?
こんな風に貴重な意見・情報をくれた部下の方に
お礼を伝えて要望をききます。
クレーム対応の際にも、お客様にご要望をお伺いしますよね。
商品交換、返金、サービスなど、人よって要望内容は様々です。
コミュニケーションを学ぶ際に、
最初に身に着けるべきスキルとして傾聴が挙げられます。
人は、興味を持って自分の話を聴いてくれる相手に好感を持ったり、
安心感が生まれたり、信頼関係が築けるという効果もありますが
話をした本人の思考が整理されていくことも期待できます。
もやもやしていた感情を人に話すことで、
自分で解決できるくらいに整理されることもあるのです。
部下の方に要望を尋ねたときに
「意見を聴いてほしかっただけです」
「話したらすっきりしたので、大丈夫です」
「自分で解決できそうな気がします」
そんな場合も多いので、
相手の様子を確認しながら対話をすることをおすすめします。
上司として「なんとか解決してあげなくては」と、
一方的に考えすぎないようにしましょう。
部下の愚痴や不満の聞き方:③リーダーの決断! 部下と共に解決策を探れ
部下の方の要望をしっかりと受け止めたら、あとは上司・リーダーの決断です。
部下の方と一緒に解決策を探っていきましょう。
この時点で、愚痴や不満は「チームの改善点」に切り替わっているはずです。
同じゴールを目指すチームとして
「どうしたら少しでもマシなるかな?」
「どうしたらより良くなるかな?」
そのために
「出来ることは何かな?」
「誰と誰に協力をしてもらおうかな?」
「いつから取り組もうかな?」
具体的なアイデア・意見を出し、計画をしていきます。
そして、動き出す決断をしましょう。
ポイントは、部下の方一人だけに解決を任せずに
チームで取り組めることまで落とし込むことです。
そして、あれもやって、これもやって・・・と、考えるのはいいですが
はじめから完璧を目指さない。これも大事です。
これまで何年・何か月も不満に思っていた状況が
少しでも「マシ」な状態になったら凄いじゃないですか。
ひとつずつ進めていきましょう!
まとめ:愚痴や不満はチームを強くするチャンスにしよう!
いかがでしたでしょうか。
日々のお仕事で忙しい中で、部下の方の愚痴を聴くと
耳をふさぎたくなることもあると思います。
しかし、その愚痴や不満の中には
チームを強くするヒントが隠されているかもしれません。
愚痴や不満をネガティブに捉えるのではなく、
自分が信頼されている証拠!
そして、さらにチームを強くするチャンスとして捉えてみてくださいね。
セルフチェック:あなたは愚痴や不満を活かせる上司?
ここまでの内容を振り返り、あなたの上司としての話を聴くスキルを自己診断してみましょう。
次の5つの項目に「はい」または「いいえ」で答えてくださいね。
- 部下が愚痴や不満を言い始めたとき、最後まで話を遮らずに聴いていますか?
- 部下の意見や感情に対して、すぐに否定せず、共感を示していますか?
- 愚痴を聞いた後、部下に「今後どうしたいか」を尋ね、解決策を一緒に考えていますか?
- 部下の話を聴く際、適切なタイミングで相槌や質問を挟み、対話を促していますか?
- 定期的に話を聴く機会を設け、部下の意見や不満を積極的に引き出していますか?
結果の確認:
4~5「はい」: 素晴らしい!部下の方との時間を大事にしているあなたのチームは、確かな信頼関係が十分に築けているはずです。この調子で続けていけば、チームはますます強くなっていきます。忙しい中で、日々がんばっているご自身とチームの皆様をあらためて労ってくださいね。
2~3「はい」: いい方向に進んでいます!チームはすでに良い基盤ができていることと思います。あと少しの意識の変化が、さらに良い結果を生み出します。次回のミーティングや面談では、チェック項目を意識しながら、コミュニケーションをなさるとチームも新たな一歩を踏み出せるはずです。
0~1「はい」: ここからがスタートラインです!今この瞬間から、新しいアプローチを取り入れてみてはいかがでしょうか。下でご紹介している明日から意識したいこと3つを一つずつ実践することで、きっと驚くほどの変化が得られます。小さな一歩が大きな成果につながりますので、焦らず進んでいきましょう!
明日から意識したいこと3つ
・部下の話を遮らずに最後まで聴く
・「じゃあどうするか」を一緒に考える
・焦らず少しずつでも前に進む
一緒に挑戦していきましょう!
本日もあなたを応援しております!
では、また次のコラムで(^^)/