こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「部下が定時でさっさと帰ってしまう」
「周りが頑張っているのに、先に帰るのはどうなのか?」
「仕事の区切りが悪いのに、途中で帰ってしまうのが気になる…」

サービス残業をしない部下に対して、こんな思いを抱いていませんか。
「定時に帰るなとは言いません。時代が変わったんですよね…」と、なんとか納得しようとしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

では、ご自身の気持ちに折り合いをつけながら「サービス残業をしない部下」に、どう対応をしていけばいいでしょうか?

「サービス残業をしない部下」への正しい対処法とは?

結論から言うと、「サービス残業をしないこと」を問題視するのではなく、「時間内でチームとして協力し、成果を出す仕組みを作ること」が上司の役割 です。

サービス残業をしない部下に対し、「協力する気がないのでは?」「他のメンバーが頑張っているのに…」と感じることがあるかもしれません。
しかし、現代の働き方では 「長く働くこと=成果」ではなく、「時間内に効率よく働くこと」が評価される べきです。

そして、上司として知っておきたいのは、「残業は生産性を下げる」ことが多くの研究でも明らかになっているということです。長時間労働が続くと集中力や判断力が低下し、ミスが増えることが分かっています。

「夜遅くまで働いているのに、成果が上がらない…」そんなご経験はありませんか。夜に1~2時間残業するよりも、朝30分早く来た方が仕事がはかどることもあるものです。

とはいえ、部下が「時間になったから帰る」と中途半端な状態で仕事を放置したり、チーム内で助け合いの意識が希薄だと、職場の雰囲気が悪くなることもありますよね。

そこで、管理職としてチームの効率を上げながら、協力意識を育む3つの方法をご紹介します!


「時間で仕事をする」文化をつくる

「終わるまでやる」は、組織にとって本当に最適解?

「ここまでやらないと帰れない」と考えて、つい時間を超えて残業をしてしまうことはありませんか?
実はこの「仕事が終わるまでやる」文化こそ、残業が常態化する原因になっています。

特に、上司の指示が「仕事が完了するまでがんばろう」という発想のままだと、部下も「終わるまで帰れない」というプレッシャーを感じます。

組織はチームです。「仕事単位」ではなく、「時間単位」で動くことをおすすめします。時間を決めて始めることが、効率的な働き方につながります。もしも何度か挑戦してもうまくいかないようならば、「仕事量」を見直す必要がある、と判断が出来ます。チーム・個人が一日にこなす仕事の目標設定は、適切か。この機会に意識を向けましょう。

▶具体的なアクション
仕事の終わりを「時間」で決める(○時までにここまでやる)
「仕事が終わるまでやる」ではなく「時間で目標の仕事量を終わらせる」意識を持つ
上司が「時間」で区切る働き方を実践する


「協力の仕組み」をつくる

上司の的確な指示や役割分担があるか?

「部下が周りと協力する気がないのでは?自分だけさっさと定時で帰るのに違和感を感じる」
そんな風にお感じになっている場合、もしかしたら「協力しない」のではなく、「どう協力すればいいかわからない」だけかもしれません。

「周りの様子を見て、察して動いてほしい」と思っていませんか?

「上司が具体的な指示を出していないのに、部下に求める」
実は、管理職の方から私にご相談をいただくお困りごとの大半の原因がこれです。まずはご自身の指示の出し方について、振り返ってみましょう。

部下の立場から考えてみると、次のようなケースでは「助けたいけど、どう動いていいかわからない」という心理が働きます。

  • 誰が何を担当しているのか明確になっていない
  • 「これをしてほしい」という具体的な指示がない
  • 協力したいと思っても、何をしたらいいかわからない

私はこの部下の気持ちがよくわかります。過剰に気遣いをしているから、この動き方になることもあるのです。周りの先輩たちが仕事に集中しているときほど、「邪魔をしてはいけない」と思いますし、そして「困っているなら自分に声がかかるだろう。何も指示がないから帰っていいんだな」という判断をしているかもしれません。

部下に協力を求めるなら、協力しやすい仕組みを作っていきましょう。

▶ 具体的なアクション
「○○さん、△△を〇分くらい手伝ってくれるかな」と具体的に指示を出す
チームで「仕事の分担・目標」を明確にし、協力の流れを作る
報連相を強化し、チーム全体で仕事の進捗具合を把握する


③「時間内で協力し合う」文化を作る

「サービス残業をしない=非協力的」という思い込みを捨てる

管理職として本当に目指したい姿は、「定時にチームで協力して成果を出すこと」ですよね。みんながサービス残業をして、疲弊しながら成果を出すことではないはずです。
「部下が残業する人を手伝う」ことを推奨するのではなく、理想は「協力し合い、みんなが定時で帰れるようにする」ここに焦点を当てて動いていきましょう。

▶ 具体的なアクション
直近数ヶ月で残業が多い人を把握し、改善策を相談する
「時間内で最大の成果を出す工夫」をチームで話し合う
「残業している人が偉い」という評価基準をなくし、「時間内の成果」を評価する

残業時間の管理方法については、こちらに詳しく載せています。

まとめ:「時間で仕事を進める」文化をつくろう

いかがでしたでしょうか。「働き方改革関連法」が2019年4月1日から順次施行されて、私たちの働く環境は大きく変わりました。しかし、「長時間働くことが評価されていた時代」の価値観がまだ経営者・管理職の方には残っているかもしれません。

それでも、今求められるのは「時間内に効率よく成果を出せるチーム」です。ゴールをそこに持っていきましょう。今回ご紹介したチームの効率を上げる3つの方法は、こちらです。

  1. 「時間で仕事をする」文化をつくる
  2. 「協力の仕組み」をつくる
  3. 「時間内で協力し合う」文化を作る

上司のあなただけが頑張って達成できるものではありません。「定時で帰ることを当たり前にする」には、チーム全員の協力が必要です。まずは、ミーティングのテーマとしてチームで意見を出し合う機会を設けるのはいかがでしょうか。

この機会をチャンスに「時間内で最大の成果を出せるチーム」を目指して、リーダーとしてできる工夫をしていきましょう!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう。