こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「なんだか最近、部下の反応が冷たい気がする…」
「報連相が減った」「目を合わせてくれない」「表情が硬い」
そんな風に感じたことはありませんか?
もし、あなたが今
「部下からの信頼を失ったかもしれない」と悩んでいるのなら――
関係の再構築に焦っていることと思います。
しかし、ここでネガティブに考えすぎたり、感情的に行動するのはNG。
今回は、信頼されない状況から、もう一度信頼を得るための6つの行動をお伝えいたします。
自己承認力をベースにした、実践的なステップです。
では、一緒にみていきましょう。

1. 状況から目をそらさず、受け止める
まず大事なことは、「部下から信頼されていないかもしれない」という現実を受け止めることです。
「きっと気のせいだ」「あの部下が気難しいだけだ」と、自分を守る思考が働くのは当然のことだと思います。しかし、そこで目をそらしてしまうと何も変わりません。
今の状況をありのまま受け止める。
信頼を失ったかもしれない、という“今の自分”を受け止めること。
自分を責めたり、他者を否定する必要はありません。
「じゃあ、少しでもマシにしていくには?」と考えていくことが何よりも重要なのです。
2. なぜ信頼を失ったのか、自分の行動を振り返る
少し立ち止まり、過去の自分の行動を振り返ってみましょう。上司として部下からの信頼を失うような言動はなかったでしょうか。
たとえば、あなたが
・正しさを重視して、指摘が多くなっていた
・つい感情的になり、大きな声が出ることがあった
・忙しさを理由に、会話や雑談が減っていた
・やると決めたことを忘れて放り出していた
・成果ばかりに目が向き、日々の努力に気づけなかった
そんな日々が続くと、部下は「この人を心から信じたり、頼ったりできない」と感じるようになります。
この自分の言動の振り返りは、過去を責めるのではなく「どの行動が信頼を損ねたのか」に気づくこと。
ここで気が付けたことが、未来の行動を変える材料になります。
3. 言い訳をやめ、素直に謝る
自分の言動を振り返り、反省点に気がついたら、素直に謝りましょう。
もしも、部下に対して謝ることが難しいと感じている方は、
「部下を下に見ているのでは?」とご自身に問いかけてみてください。
自分の過ちに気がついたとき、お客様や上司にはすぐに謝るのではないでしょうか。
一緒に働いている大事な部下なのに、素直に謝れないのはおかしいことです。
「あのとき、きつい言い方になってしまった。本当に申し訳なかった」
「これまで感謝の言葉が足りていなかったと反省している。自分勝手な振る舞いをして、申し訳ない」
心から謝ることは、弱さではなく“信頼を取り戻すための強さ”です。
自分が悪かったと部下に謝れる上司は、とてもかっこいいです。

4. 日常の中で、部下の努力を「認める・感謝する」
信頼される上司の共通点は、部下の努力を日常的に“言葉”で承認することです。
上司からの「ありがとう」や「助かったよ」の一言が、
部下にとってどれだけ大きな安心感につながるか、想像してみてください。
たとえば…
・「昨日の対応、すごく丁寧だったね。ありがとう」
・「あの資料、要点がまとまっていて助かったよ」
・「いつも期限を守ってくれて本当にありがたい」
“承認の言葉”は信頼関係の架け橋です。
成果だけでなく、努力や工夫、小さな行動を見逃さない上司は、部下の心をつかみ、安心感とやる気を引き出せるのです。
5. 落ち込む自分を責めずに、まず「ねぎらう」
信頼を失ったと感じると、自分を責めたくなります。
しかし、落ち込んでいるときほど「自分自身に寄り添うこと」が必要です。
自己承認力の基本は、自分を認めること。
自分が傷ついているとき、責めるのではなく労う。
「つらいよね。でも向き合おうとしてる自分、偉いよ」
「完璧じゃなくても、少しずつ改善しようとしてるよね」
こんな風に自分の感情に焦点を当てて、自分に寄り添える上司は、
部下に対しても柔らかく接することができるようになります。
他者を大事にしたいならば、自分自身も大事にしましょう。
6. 誠実な行動を、コツコツ積み重ねる
信頼を築き直すには、相手から見える「行動」がすべてです。
いくら心を入れ替えたとしても、言葉を変えたとしても、日々の行動が“信頼のカギ”となります。
たとえば…
・どんな仕事も真剣に取り組む
・約束を必ず守る
・部下との対話を意識的に増やす
・フィードバックは必ず、感謝と一緒に伝える
・過去と同じミスを繰り返さない
・報連相をこまめに行う
こうした行動を「継続」してこそ、信頼は戻ってきます。
最初は、反応がなくて当たり前です。過去に蒔いた種を今刈り取っている状態です。
これからあなたの姿勢が変われば、部下の心も少しずつ動いていきます。
信頼は、ひとつひとつの「誠実な行動」の積み重ねで取り戻せるのです。

最後に:信頼を築き直す経験は、上司としての財産になる
いかがでしたでしょうか。
部下との関係がこじれたとき、それは「自分をアップデートするチャンス」でもあります。
私は過去に、周りの方から嫌われて、無視をされたり、陰で文句を言われるという経験をしました。
振り返ってみると、原因は「自分の言動」にありました。相手の気持ちを考慮せずに、自分のやり方で強引に仕事を進めてしまった結果です。とても辛かったですが、この経験がきっかけとなり、私は心理学やコミュニケーションを学び始めました。おかげで自己承認力にも出会えました。
当時、大事にしていたことは「いくら相手に嫌われても、自分は相手を嫌いにならない」こと。
挨拶を無視されても、自分は挨拶をし続ける。陰で文句を言われても、自分は笑顔で話しかける。
仕事だからこそ、割り切って出来たのかもしれませんが、自分を信頼するためには必要な行動でした。
自分を信頼できる人は、たとえ部下から信頼を失ったとしても、上司として部下を信頼し続けられます。
部下との関係を「どうにかしたい」という思いでこのコラムにたどり着いたあなた。
大丈夫です。きっとまた信頼される上司に戻れます。
すぐに結果が出るものではありませんが、行動は結果につながります。
ここまでご紹介してきた6つの行動のどれかひとつで構いません。
その一歩が、未来を変えるきっかけになります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)