こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「部下に注意したいけど、傷つけたくない…」
「指導のつもりが、モチベーションを下げてしまったかも…」
そんな風に、部下指導に悩む上司の方はとても多いです。
私自身、過去に自己流で部下指導をしていたときに、同じことで悩んだ経験があります。

そもそも、「指導」とは何でしょうか?
「指導=ダメなところを指摘する」
私はずっとそう思っていました。これが大きな間違いだったのです。
直してほしいところを伝えれば、部下はどんどん成長すると思っていました。
過去に自分が上司や先輩にダメ出しをされながら、歯を食いしばって成長してきたからです。
しかし・・・
本来、指導とは「指し示して導く」こと。
今の時代の部下指導の主流は、
「目の前の部下に道筋を示し、安心して前へ進めるよう支えること」です。
多くの方が、誰にも部下育成方法を教わらないままに、部下を持ちます。
自己流で育て、自己流で評価し、自己流でコミュニケーションをとる。
それでうまく行くのは、ほんの一握りではないでしょうか。
指導は本来、学ぶべき「技術」です。
専門家の教えや実例をもとに、トレーニングを積んでこそ、相手にも自分にもやさしい指導ができるようになります。
たとえば、「働く姿を見せる」
これも立派な指導のひとつです。
背中を見せる、という言葉のとおり、上司がどんな姿勢で働き、どんな姿勢で人に接しているか。それを見せて、部下に“仕事の在り方”を伝えていく。
だからこそ、上司自身の「メンタルと見せるスキル」が試される場面でもあるのです。
部下指導の中でも多くの上司が抱えるのが「伝え方」の悩みです。
「何をどう言えば伝わるのか…」
「厳しく言うべき?やさしく言うべき?」
「この言葉で部下は前向きに受け取ってくれるだろうか?」
今回は、部下指導に使える【相手の成長を促す“期待のメッセージ”】
例文を10パターンご紹介いたします。
すぐに使えるように、シーン別にまとめましたので、ぜひお役立てくださいね。

部下への期待を伝えるメッセージ例文10選
ここからは、言葉の引き出しとして、具体的なメッセージ例文をご紹介します。
状況別に「どんな背景で」「どんな風に伝えると効果的か」も合わせてお伝えします。
①【ミスが続いた部下へ】
「ミスが続くと落ち込むよね。大事なことは再発させないこと。〇〇さんなら必ず乗り越えられるから、対策を一緒に考えよう」
▶︎ ポイント:ミスを責めるより「可能性」を信じていることを伝える。
②【納期が遅れがちな部下へ】
「忙しい時期の時間管理ってホント難しいよね。〇〇さんなら、丁寧に仕事しながら納期も守れると思うんだけど、今難しいのってどこらへんかな?」
▶︎ ポイント:マイナス評価よりも“信頼”を前提にした関わりを。
③【報連相が足りない部下へ】
「〇〇さん、あの△△の件どうなった?〇〇さんが担当だから、特に問題ないと思うけど、状況確認したいんだ」
▶︎ ポイント:「信頼してるから任せているけど」というニュアンスを伝えながら、報連相に導く。
④【自信がなさそうな部下へ】
「〇〇さんがいてくれるから、助かるよ」
「〇〇さんが支えてくれるから仕事が成り立つんだよ」
▶︎ ポイント:感謝の表現を伝えながら、「あなたがチームに必要」と伝える。
⑤【口数が少なく心配な部下へ】
「何か思うこと、考えることがあったら遠慮なく言ってね。いつでも聞くから」
▶︎ ポイント:話さない=悪ではありません。淡々と業務をこなす方もいます。「安心して話せる場」を用意しているというメッセージを伝える。
⑥【やる気が見えにくい部下へ】
「〇〇さん器用だから、きっとAもBも出来るよね。どうする?Cも挑戦する?」
▶︎ ポイント:やる気が見えにくい=やる気がない、ではありません。上司が適切な次のステップアップを用意できるか、がカギになります。“挑戦を信じて見守る”こと。
⑦【空回りしている部下へ】
「〇〇さんの何事にも一生懸命な姿勢、本当にすごいよ。△△というゴールは、いつも意識しながら進んでいこうね」
▶︎ ポイント:努力を否定せず、“方向を整える”関わりを示す。
⑧【チームと噛み合わない部下へ】
「〇〇さんの個性や強みは大事な武器。その良さがもっと周りに伝わるように、一緒に工夫してみよう」
▶︎ ポイント:部下の個性を認め、「活かそう」と伝える。
⑨【仕事を任せたいとき】
「次の仕事、ぜひ〇〇さんにお願いしたいと思ってる。これまでの頑張りを見ていて、〇〇さんになら任せられると確信してるよ」
▶︎ ポイント:「信頼しているから任せる」を明確に言語化。
⑩【少し厳しい指摘が必要なとき】
「今のままだと正直もったいない。もっと力を発揮できる人だからこそ、あえて伝えさせてもらうね」
▶︎ ポイント:あえて伝える、というフレーズはおすすめです。厳しさの裏に“期待”があるとわかれば、伝わり方が変わる。

まとめ:指導は“信頼と期待”で伝える
部下への指導は、どうしても「注意」や「指摘」の場面になりがちです。
しかし、それ以上に大事なのは「すでに出来ている」と伝えること、そして「期待している」「あなたに価値を感じている」というメッセージを込めること。
指導は“関係を壊す”ものではなく、“信頼を深めるチャンス”になります。
「信頼と期待」で指導をするためには、上司自身が日々の仕事や人間関係の中で「自分を信じる力」を持っていることがとても重要です。
実は、心理学の世界ではよく「他者との関係は、自分自身との関係」と言われます。
つまり、部下との良い関係を築くためには、まず上司であるあなたが「自分との関係を整える」ことが土台になるのです。
あなた自身が
「私は、部下の成長を支えられる存在だ」と自分を認めること。
自己承認力を高めた上司は、言葉に「自信と心の余裕」が出ます。
ダメ出しばかりではなく、日々の頑張りを見てくれて、認めて期待してくれる上司。
そんなあなたの一言で、部下の明日が変わるかもしれません。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)