こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

「リーダーシップを発揮してほしい」
「もっとリーダーシップをとってくれ」

管理職や中堅社員の方は、一度は上司からこんなことを言われた経験があるのではないでしょうか。

なんとなくはわかるけれど、改めて考えてみると
「リーダーシップって、結局なんだろう?」と疑問に思うことはありませんか?

人によってイメージする理想のリーダー像は異なります。
ある人は「大きな声でみんなを引っ張る人」を想像し、別の人は「冷静に判断して背中で示す人」を思い浮かべるかもしれません。
つまり、リーダーシップにはこれ!という正解がなく、時代や状況によって求められる姿は変わっていくのです。

今回は、「リーダーシップとは何か?」という基本から、上司が期待する意味のすり合わせ方、時代に合わせたリーダーシップの在り方まで整理していきます。ご自身の中で納得できるリーダーシップ像を描くヒントになりましたら幸いです。


「リーダーシップを期待している」とはどういうことか?

上司から「リーダーシップをとってほしい」と言われたとき、あなたはどんな風にとらえますか。

リーダーシップとは、一言でいえば「人や組織を目標達成に導く影響力」です。
チームの状況やあなたの個性によって意味は変わりますが、大きく分けると3つに整理できます。

  1. 方向性を示してほしい
    何を目指すのか、どこに向かうのかを言葉や行動で示す役割。
  2. 人を動かしてほしい
    部下のやる気を引き出し、自発的に動けるようにする力。
  3. 信頼関係を築いてほしい
    部下が安心して力を発揮できる環境をつくる力。

つまり「リーダーシップを期待している」とは、「周囲に良い影響を与えながらチームを成果に導いてほしい」という意味であると言えます。


リーダーシップ=これ!という正解はない

リーダーシップと聞いて思い浮かべる人物像は人によってバラバラです。

  • 声を張り上げて引っ張る体育会系のリーダー
  • カリスマ性があり、いるだけで周りが動き出すリーダー
  • 静かに背中で示す寡黙なリーダー
  • 誰よりも人の声を聴き、調整役に徹するリーダー
  • バラバラな個性をまとめるのが得意なリーダー

どれも立派なリーダーシップです。

時代を振り返ると、その在り方も変化しています。
昭和の高度成長期には「強い牽引型リーダー」が求められました。平成には「成果を上げる個人主義的リーダー」が重視されました。そして令和の今は「共感と支援をベースにしたリーダー」が必要とされています。

つまり、リーダーシップは固定された形ではなく、 「状況に応じて柔軟に変化させるスキル」 なのです。


リーダーシップのすれ違いの例

ここで、私が実際に身近に体験したエピソードをご紹介します。
ある上司が部下の中堅社員Aさんに対して「Aさんは経験も知識もあるから、リーダーシップをとってくれ」と指示を出しました。上司からその指示を受けたAさんは、「自分は矢面に立たず、後輩に指示を出す」という働き方に切り替えました。Aさんとしては「采配を振るう=リーダーシップ」と考えたのです。

しかし、上司の期待はまったく別で、「後輩の手本となり、率先して動きながらチームを盛り上げてほしい」というものでした。

結果として、上司からは「リーダーシップを発揮していない」と見られ、本人は「やっているつもりなのに認めてもらえない」と不満を抱えることになりました。

このように「リーダーシップをとる」という言葉を双方がどう定義しているかによって、大きなすれ違いが生まれてしまうのです。抽象的なこの“リーダーシップ”という表現をつかうときには、意図を明確に伝える必要があると感じた出来事でした。


上司の期待は何?すり合わせるための3つの質問

もし「リーダーシップを発揮してほしい」と言われたら、ぜひ上司に次の3つを確認してみてください。

  1. どんな行動を期待していますか?
     (例:「会議で意見をまとめてほしいのか」「現場で先頭に立ってほしいのか」)
  2. 成果としてどう見える状態がゴールですか?
     (例:「チームの士気が高まること」「期日を守る習慣が根づくこと」)
  3. 優先順位は何ですか?
     (例:「まずは人間関係の改善」「まずは業務の効率化」など)

この具体的な期待の行動をすり合わせするだけで、「部下はやっているつもり」と「上司は見えていない」というギャップは大幅に減ります。


失敗しやすい「形だけのリーダーシップ」

短期的に「強いリーダーっぽく振る舞う」ことは簡単ですが、やめましょう。
声を大きくして指示を出したり、強く押し切れば、一時的には部下が動いてくれるかもしれません。

「言うことを聞かせる」というタイプのリーダーは、短期間で成果が出ることもありますが、
それは部下からの信頼や納得に基づく行動ではありません。

  • 部下が意見を言わなくなる
  • 不満がたまり、離職につながる
  • チーム全体のパフォーマンスが下がる

こうした問題は「形だけのリーダーシップ」によって起こります。
本物のリーダーシップは、継続的に人がついてくる在り方でなければならないのです。


持続するリーダーシップの3要素

持続的なリーダーシップを発揮するには、次の3つが欠かせません。

  1. 方向性を示す力
    ゴールやビジョンを言葉で明確に伝える。
  2. 人を動かす力
    部下が「やらされ感」ではなく「自分もやってみよう」と思える関わり方をする。
  3. 関係性を築く力
    信頼をベースにした安心感をつくる。

この3つをバランスよく持つことが、時代に合ったリーダーシップなのです。


リーダーシップと自己承認力

では、このリーダーがこの3つを実現するための土台は何でしょうか?
やはり「自己承認力」だと私は考えています。

自己承認力とは「自分を認め、自分を信じて、前に進める力」
自分に自信がなく、他人の目ばかり気にしていては、部下に安心感を与えることはできません。
部下を過剰に押さえつけようとするのも、自分と部下への自信のなさの表れでもあります。

  • 自分を認められる上司は、部下も認められる
  • 自分を信じられる上司は、部下にも挑戦を促せる
  • 自分で前に進める上司は、部下に背中を見せられる

だからこそ、自己承認力を高めることが、リーダーシップを継続的に発揮するための鍵になります。


まとめ

いかがでしたでしょうか。リーダーシップとは「人や組織を目標達成に導く影響力」であり、正解はありません。
時代や状況、メンバーの特性に応じて柔軟に形を変えていくものです。
あなたが目指すリーダーシップは、どのようなものでしょうか。

  • 方向性を示す
  • 人を動かす
  • 関係性を築く

この3つを土台に、上司や部下とすり合わせをしながら、自分らしいリーダーシップを磨いていきましょう。

そして、最後にもう一度お伝えしたいのは…
やはり行きつくところは自己承認力です。
自分を認め、信じ、前に進める力があるからこそ、人を導き続けることができます。

本日もご自身を労い、自分の機嫌をとりながらお過ごしください♪

最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)