こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
「リーダーシップ」は、ビジネスの現場ではよく耳にする表現ですが…
実際に言われたときに「具体的にはどういう意味だろう?」とお考えになったことはありませんか?
カタカナ言葉は便利な反面、受け手によって解釈が違い、「やっているつもり」と「見えていない」、そんなギャップを生みやすいのです。
そこで今回は、「リーダーシップ」という抽象的な言葉を、日本語でわかりやすく言い換える方法をご紹介します。一緒にみていきましょう。

リーダーシップとは?まずは意味を整理しよう
リーダーシップとは一般的に「人や組織を目標達成に導くための影響力」を指します。
つまり、単なる「上に立つこと」や「大きな声で指示を出すこと」ではなく、状況に応じて
- 方向性を示す
- 部下を動かす
- 信頼関係を築く
こうした力の総称が「リーダーシップ」です。
この言葉はあまりにも意味の幅が広いため、人によって受け取り方が変わってしまいます。だからこそ、日本語に置き換えて「どんな行動を期待しているのか」を具体的にする必要があるのです。
リーダーシップの日本語表現7選
以下の7つは、ビジネスでよく使われるリーダーシップの日本語表現です。ニュアンスや使える場面をまとめました。「リーダーシップ」と一言で済ませるのではなく、ご自身が伝えたい意味に一番合った表現を選びたいものです。
言い換え表現 | 意味 | 使える場面 | 例文 |
---|---|---|---|
主導力 | 率先して物事を進める力 | 新規プロジェクト、改革の推進 | 「彼の主導力で計画通り進んだ」 |
指導力 | 部下や後輩を導く力 | 人材育成、OJT | 「部下を育てる指導力が期待される」 |
牽引力 | チームを勢いよく前進させる力 | 士気を高めたいとき | 「彼女の牽引力が業績を押し上げた」 |
統率力 | 集団をまとめ秩序を保つ力 | 部署管理、大人数の組織運営 | 「統率力のある上司の下で安心できる」 |
采配力 | 適切に役割を振り分け動かす力 | プロジェクト管理 | 「采配が的確で業務がスムーズに」 |
影響力 | 自然と人を動かす存在感 | カリスマ性、信頼を背景にした指導 | 「彼の影響力で雰囲気が変わった」 |
まとめ役 | 調整・橋渡し役 | 会議、複数部署の協働 | 「今回はまとめ役をお願いしたい」 |
実際の現場で起こりがちなすれ違い
実際に私も企業様から「リーダーシップ研修をお願いします」とご依頼をいただくことがよくあります。
ただし「リーダーシップ」という言葉だけでは、何を指しているのかは企業ごとにまったく違うのです。
ある会社では「成果を押し上げる推進力」を求めており、また別の会社では「後輩を育てる力」、さらに別の会社では「組織の風通しを良くするコミュニケーション力」を期待されていました。
ですから私は必ず、「御社が考えるリーダーシップとは、どんな姿ですか?」と確認をしています。
対象となる層(管理職か、中堅社員か)、現場での課題(人材育成か、成果創出か)、そしてゴールをどう描いているのかをすり合わせるのです。
こうして定義を共有することで、初めて現場に合った研修ができ、ご参加の方にも「自分に必要なリーダーシップがわかった」と実感していただけます。

具体的に伝えるときの例文
すれ違いを起こさないためには、ちょっとした工夫が必要です。
リーダーシップに限らず、カタカナ用語を伝える際には「日本語での補足説明を加えること」をおすすめします。ここからは、具体的に伝えるときの例文をご紹介します。
率先して動いてほしいとき
「リーダーシップをとってほしい。つまり、〇〇さんが先頭に立ってまず動いてほしいです。たとえば、新しい取り組みを誰よりも先にやってみたり、チームに元気を与えるような行動を期待しています。」
まとめ役になってほしいとき
「ここでいうリーダーシップは意見を整理して方向を示してほしいということです。
会議で議論が散らばったときに、『ではまずこの点から進めましょう』と流れをつくってくれると助かります。」
後輩を育ててほしいとき
「〇〇さんには、今後人材育成においてリーダーシップを発揮してほしいです。リーダーシップは色んな意味がありますが、後輩を導いて成長を支えてほしいです。困ったときには支援をして、仕事を任せるときに『こうするともっと良くなるよ』と後輩を気にかけてもらえると有難いです。」
雰囲気づくりをしてほしいとき
「〇〇さんに期待するリーダーシップは、場を明るく前向きにしてほしいということです。〇〇さんの明るい表情と声はみんなを元気にします。繁忙期にみんなが疲れているときに『あとひと踏ん張り!』と、まわりに声をかけて前向きな雰囲気づくりをお願いします。」
言葉のすり合わせがリーダーシップを育てる
リーダーシップは一言で定義できないからこそ、曖昧なまま伝えると誤解を生みます。
上司がすべきことは「リーダーシップを発揮してほしい」と言ったあとに、
- どんな行動をしてほしいのか
- どんな状態がゴールなのか
この2点を丁寧に伝えることです。
一方で、受け取る側も自分のイメージだけで留めるのではなく、「率先して動きましょうか?それともまとめ役の方が良いでしょうか?」と、相手に確認する勇気を持つことが大切です。
まとめ:あなたが伝えたい「リーダーシップ」はどんな意味?
いかがでしたでしょうか。
最後に、問いかけをさせてください。
あなたが「リーダーシップを発揮してほしい」と言うとき、
- それは「率先して動くこと」ですか?
- それとも「意見をまとめること」でしょうか?
- あるいは「後輩を育てること」でしょうか?
リーダーシップの言い換えには、主導力・指導力・牽引力・統率力・采配・影響力・まとめ役など、さまざまな日本語表現があります。
あなたの上司や部下とも「リーダーシップ像」が異なるかもしれません。
場面に応じて言葉を使い分けたり、相手に質問をしながらすり合わせることで、誤解やすれ違いを防げます。
そして何より大事なのは、曖昧な言葉を投げっぱなしにせず「どんな行動を望んでいるのか」を具体的に補足すること。そうすることで、部下や先輩社員も安心してリーダーシップを発揮できるのです。
リーダーシップに正解はありません。
だからこそ、言葉を丁寧に選び、すり合わせながら、あなたらしい言葉かけをしていきましょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)