こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもお読みいただきありがとうございます!

普段、部下の方との面談は定期的に行っていますか?管理職の方の大事な業務の一つですよね。
部下の現状を把握して、悩み事を聴いたり、指導をしたり…部下のサポートやチーム作りのためにも面談は欠かせない重要な仕事です。

そんな面談ですが「やり方」をどなたかに教わったことはあるでしょうか。面談のトレーニングをしたことはあるでしょうか。
そうなのです。こんなに重要なお仕事なのに、大半の方が「型」を教わっていないのです。

そのため多くの管理職が見よう見まねの自己流で面談を行っています。面談をする側がトレーニングを積んでいなければ、部下が話してくれない、成果が見えにくいのは仕方がないことだと私は考えています。

本日は、管理職として・教育担当として・コンサルタントとして、これまでに多くの方と面談をしてきた私が心掛けている、「面談内容のポイント」をご紹介して参ります。


1. 部下との面談は「目的」を明確にする

面談の目的は何ですか?部下との面談を有意義なものにするには、まず「目的」を明確にすることが重要です。 目的が明確でない面談は、話が脱線しがちで、時間を無駄にすることにもつながります。ここで部下面談の具体的な目的の例をご紹介します。

  • 現状把握: 現在どんな状態で仕事に取り組んでいるのかを把握します。仕事への姿勢、取引先様との関係、進捗具合、チームの人間関係はどうかなどを尋ねます。ここで得た情報がトラブル回避につながることもあります。
  • 課題の共有:チームで取り組む課題がある場合、それを共有するために面談を行うことも有効です。それぞれの役割を明確にすると成果も出やすくなります。部下個人の課題について、共有をすることも大事です。
  • モチベーション向上:日頃の仕事ぶりへの評価や感謝を伝えることで、部下のやる気を高めます。上司であるあなたの評価を素直に伝えます。成果が出たものだけでなく、数字には表れない部下の成長や頑張りに関しても触れておくことをおすすめします。
  • 目標設定:現状を把握し、チームの理想と課題を明確にしたあとは、今後の目標を設定します。目標に向けて、真っ先に何を行うか「アクションプラン」を相談するのも有効です。

モチベーション向上に関してですが、普段から部下を褒めることに慣れていない場合、面と向かって承認の言葉が出てこないこともあります。面談の前に、あらかじめ「評価する・承認すること」のメモをしておくことがおすすめです。


2. 部下の話を「傾聴」「共感」する

部下との面談で大事なことは、相手が心を開きやすい環境を作ることです。 そのためには、聞く姿勢「傾聴」と、受け入れる姿勢「共感」を意識しましょう。傾聴とは、相手の話に興味を持って、体全体と心を傾けて聴くことです。共感とは、相手の価値観を否定せずに「あなたはそう思うんですね」「そんな風に感じたのですね」と受け入れて寄り添うことです。

傾聴の基本姿勢

  • うなずき
  • あいづち
  • 共感の言葉
  • 伝え返し
  • 前傾20度

共感や伝え返しなどの専門用語を全て説明するとながーくなりますので、こんな風に捉えてみてください。「相手の話を集中して聴き、リアクションをとる」

わかりやすいイメージは、幼い子どもの話を聴くときです。拙い言葉で話す子どもに対して、多くの大人は目線を合わせて、前のめりで、やわらかい表情で話を聴きますよね。子どもが嬉しそうに話したら「それは嬉しいね!よかったね!」と一緒に喜びますし、悲しそうにしていたら「そうか、悲しいよね」とリアクションをすると思うのです。これが相手を受け入れて寄り添う「共感」です。

3. 部下の成長をうながす「質問」をする

上司が指示ばかり出していたら、部下の主体性は育ちません。面談においても同様です。「あの仕事やってくれる?」「~の件は大丈夫?」「うまく行ってる?」などの、「はい・いいえ」で会話が終わる質問をなるべく減らしていきましょう。質問の答えを自分で考え、自分の言葉で話してもらえるような【部下の思考と口が開く質問】を心がけたいものです。

部下面談で使える質問の例:

  • 「最近の業務で一番楽しかった事、やりがいを感じたことは何ですか?」
  • 「このプロジェクトで改善したい点はどこですか?」
  • 「これからの目標を達成するために、どんなサポートをしてほしいですか?」

5W1Hを活用した質問をすることで、部下が自分自身の状況を客観的に捉え、解決策を考える力を育成していきます。話すことが苦手な部下の方には、抽象的な答えにくい質問をするよりも事例のように「具体的な質問」がおすすめです。


4. 「自己開示」をする

面談に少し取り入れていただきたいのが、自己開示です。ご自身の意見やアドバイスを伝えるのも良いのですが、せっかく1対1で話せる場ですから、「上司の意外な一面」も見せていきましょう。ご自身の失敗経験、怒られた経験、苦手な仕事など「かっこ悪いエピソード」がおすすめです。完璧にデキる上司も素敵ですが、親しみやすい上司はそれ以上に魅力的です。

自己開示の例
「俺も新人の頃、締め切り直前で焦ってミスをしたことがあるんだよ。あのときは平謝りしたなぁ」
「実を言うと数年前まで失敗ばかりしてたんだ。毎日上司に怒鳴られてたよ」
「機械がホント苦手で…〇〇くん得意だから尊敬するよ。今度困ったとき助けてね」

誰でもミスやトラブルを経験しています。それが成長のきっかけとなる方も多いですよね。部下の方が上司を身近に感じるようなエピソードをぜひ披露なさってみてくださいね。


5. 「目標設定」と「行動計画」で締める

面談の締めくくりとして、具体的な目標設定を行いましょう。面談内容を行動計画に結びつけることで、部下の方の成長をサポートする面談の効果を最大化します。

面談後の具体的な目標設定例

  • 「次の1か月でこの課題をどのように進めるか計画を立てていきましょう」
  • 「1か月後の目標は〇〇だね、1週間後の達成度はどのくらいに設定しようか?」
  • 「次回の面談までに、△△に取り組んだ進捗を報告してもらおうかな」

面談の最後に目標設定を具体化することで、部下は取り組むべきことがはっきりしますし、未来に気持ちが向いた状態で仕事に戻ることが出来ます。


部下の面談での表情や態度にも注意

上司と部下の1対1の面談は、やはり緊張感がつきものです。上司であるあなたが表情やリラックスした態度を意識することで、部下が話しやすい雰囲気をつくっていきましょう。相手に「何を言われるかわからない」と思わせる威圧的な表情や態度はNGです。

部下が話しやすい面談の空気づくり

  • 柔らかい表情:口角を少し上げて、目尻を下げる
  • アイコンタクトをする
  • 穏かな声のトーンで優しく話す
  • 感謝の言葉から始める:「お疲れ様!今日もありがとう」
  • 最初の数分は雑談を入れる

あるあるなのですが、緊張している空気の中で「緊張してる?」と訊くのは実はNG!本人が「はい」と答えてしまうことで、さらに緊張が増幅してしまう場合があります。
「面談だと緊張することもあると思うけど、大丈夫だからね。リラックスしてね」と伝えましょう。


まとめ: 部下との面談は信頼関係を築く場

いかがでしたでしょうか。日々業務で忙しい上司と部下の貴重な面談時間です。せっかくの機会なので、有意義な内容にしたいですよね。今回ご紹介しました面談の流れを含めたポイント5つはこちらです。

  • 目的
  • 傾聴・共感
  • 質問
  • 自己開示
  • 目標設定・行動計画

この5つを押さえるだけでぐっと中身の濃い充実した面談になりますので、ぜひお試しになってみてくださいね。面談シートで記録をとっておくことも忘れずに!

一緒に挑戦していきましょう!
本日もあなたを応援しております!
では、また次のコラムで(^^)/