こんにちは!自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

今回のテーマは、よく検索されているこのキーワード!
「部下が使えない「部下が仕事をしない
こんなお悩みでたどり着いてくださった方も多いのではないでしょうか。

私自身、これまで数千人のビジネスパーソンと向き合ってきましたが、
「もう部下に見切りをつけるべきか?」と悩む上司の方の声を、耳にすると心苦しくなります。
本心ではきっと、部下の可能性を信じて育てたいと思っているはずだからです。

今回は、「部下が使えない・仕事が出来ない」ことでお悩みの方に向けて、原因を7つの視点から整理し、
明日から実践できる改善策を一緒にみてまいります。

指示に対して「できない」という発言をする部下に関しては、こちらに詳しく情報を載せています。

そもそも、「部下をつかう」って?

はじめに「言葉」について、少しだけ確認していきましょう。

もしも、今あなたが「部下をつかう」「部下に~させる」という言葉を
日常的につかっているならば…別な表現に変える意識をしてみませんか。

私は20代の頃、年上のパートさんやアルバイトさんたちに囲まれた職場で、
「偉そう」と反感を買ってしまい、苦労をした経験があります。

企業の教育担当になったときにも、自分の未熟な表現力のせいで
人間関係がうまく作れない時期がありました。

その苦労を経験して、私が徹底的にトレーニングをしたのが「言葉の変換」です。
言葉が思考をつくる。思考が、相手との関係をつくる。

  • 「部下にやらせる」ではなく→「〇〇さんに担当してもらう」
  • 「早めに帰らせる」ではなく→「今日は早めに上がってもらおう」
  • 「シフトの時間を削る」ではなく→「シフトを調整する」

どの表現も少しの違いですが、聴き手が受け取る印象はまるで違います。
役割の上下はあっても、人としての存在価値が上下なわけではありません。
上司は人を使う立場ではなく、一緒に働く仲間を導く存在です。

次の章からは、「部下が能力を発揮しきれない原因と改善策」を見ていきましょう!

原因と改善策①:上司の指示が曖昧で、伝わっていない

あなたの指示は、部下に正確に伝わっているでしょうか。
上司の指示が明確・具体的でないため、部下が正しく理解できず、意図と違う行動をしてしまうケースです。

例えば・・・
上司:「これ、早めに仕上げておいて」
部下:「はい、わかりました(明日中でいいな)」→翌日提出
上司:「早くって言ったよね?なんでこんなに遅いの?」

改善策:

「指示は具体的に出すこと」「ゴールを明確にすること」
5W1Hを意識しながら、指示を伝えることがおすすめです。

先ほどの事例でしたら、
「○日△時までに、ここまでの完成度で提出してもらえる?次の日の会議で使うから。」

使える上司の部下育成のスキルをこちらにも載せています。

原因と改善策②:部下の能力と業務の難易度が合っていない

部下に任せている業務は適切でしょうか。
仕事のやりがいは、「誰かの役に立った!」「工夫して出来た!」という達成感が重要です。
簡単すぎたり・量が少なすぎたり、逆に難しすぎたり・量が多すぎたりすると、やる気が大きく下がってしまうことがあります。上司の管理力が問われる「仕事の任せ方」を見直すといいかもしれません。

例えば・・・
・タスクが難しすぎて、やる前から諦めている
・いくら残業しても仕事が終わらない
・簡単すぎて飽きてしまい、手を抜いている

改善策:

部下にとって“少しの背伸び”のレベルの課題を設計してみましょう。
面談などで、Will-Can-Mustを上司と部下で整理することも重要です。

原因と改善策③:成果よりも残業時間・勤務年数で評価される

成果よりも残業時間や勤務年数で部下を評価し、尊重していないでしょうか。
短時間で効率的に仕事を進められる方が損をしたり、結果を出しているのに若手・新人だからという理由で評価をされない状態では、やる気が削がれても仕方がありません。

例えば・・・
・いつも夜遅くまで残業しているから、彼は頑張っている
・結果は出していないが、長年働いてくれているから評価は下げられない

改善策:

成果と行動量を分けて評価をしましょう。「頑張っている感じ」ではなく、「何をどこまでできたか」を評価することが重要です。人によって評価がブレてしまうと信頼が失われていきます。

原因と改善策④:「出来ない部下」というレッテルを貼っている

過去の経験をもとにして、「出来ない部下」というレッテルを貼っていませんか。
上司のネガティブな言葉や諦めの空気が、職場全体に伝染し、部下の成長意欲を下げてしまうことがあります。

例えば・・・
・上司の愚痴やため息が職場の空気を重たくしている
・部下の中に「やってもムダ」と諦める風潮がある

改善策:

上司が部下の可能性を信じることが大事です。
「〇〇さんなら、できると思うよ」「次は成功するよ、サポートするからね」
何度でも信頼の言葉を伝えていきましょう。

「指示を聞かない」「言うことをきかない」と部下に感じたら、対処法はこちらで紹介しています。

原因と改善策⑤:フォードバックがダメ出しで終わる

部下に対して「ここがダメだった」という否定ばかりのフィードバックをしていませんか。
出来ているところを無視して、ダメ出し=指導という考えでは人は育ちにくいです。

例えば・・・
・「これもこれも出来ていない」と否定の羅列になっている
・出来ているところ、努力した点は認めない

改善策:

指摘・指導をしたいときには、「事実→影響→期待」の順でフィードバックしましょう。
「資料の提出が遅れることで、会議の進行がずれます。〇日の~時までに提出をお願いします」

原因と改善策⑥:上司自身の心の余裕がない

あなたは、自信を持って業務に取り組み、心の余裕を持てていますか。
上司の心に余裕がなく、精神が不安定な状態だと、部下への承認や共感も難しくなってしまいます。

例えば・・・
・多くの業務を抱えていて、部下を見ている余裕がない
・感情のコントロールが出来ず、機嫌が悪いまま仕事に臨む日がある

改善策:

1日の中で数回、「自分を労う時間」をつくりましょう。
自分に対して、「しんどいよね」「よくやっているよね」「がんばっているよね」
誰かから言われて嬉しい言葉を自分で自分に投げかけましょう。

原因と改善策⑦:判断基準が曖昧

「腹が立つ」「教える気にならない」など、感情的に判断していませんか。
冷静に状況をとらえて、相手を分析して対処する

例えば・・・
・「自分にはあの部下は合わない…」と、感情的に配置転換を決めてしまう
・あとで「本当はもっとできたかも」と後悔する

改善策:

部下育成の計画とチェックシートをつくり、「いつ・何を・どこまで出来ているか」を数値で記録しましょう。部下本人の個性や過去の実績も整理しておくことをおすすめします。
指導やフィードバックをして、一定期間観察し、何も変化がなければ適切な対応へ。
「見切る」という捉え方や表現ではなく、「適材適所」と考えましょう。
部下の方が本来輝ける場所があるかもしれません。

明日から始められる、小さな一歩

いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでくださったあなたに、ぜひ実践してほしい3つの行動があります。

部下に対する、あなたの「思い込み」を一旦フラットにする3つです。

1.部下の“良いところ”を3つメモし、1つずつ伝えていく
2.「どうせ無理」を「どうすればできる?」に言い換えて取り組む

3.指示では「目的・期限・ゴールの状態」をセットで伝えてみる

どれも1分でできることばかりです。
上司の関わり方の小さな変化が部下に影響を与えていきます。

チームには様々な方がいます。
「なんで出来ないんだ」「この人は全然仕事をしない」
相手に対して、そんな風に感じることもあると思います。

同時に、上司として「どうにかしたい」「もっと良くなってほしい」
そんな願いがあるのではないでしょうか。

上司と部下は、対立する関係ではなく、
同じ方向を見て働く、チームの仲間です。

上司が先に言葉を変え、視点を変えることで、
部下の仕事を楽しむ力がきっと目覚めてきます。

一緒に学び、実践していきましょう!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次回のコラムでお会いしましょう(^^)