いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。
自己承認力コンサルタントの尾形さくらです。

さて、今回は「年上部下への接し方」についてお話ししていきます。

年上部下への接し方:尊重と信頼を基にしたアプローチ


「どう接していいかわからない…」
「頭が固くて新しいことを受け入れてくれない…」
「注意しても素直に聞いてくれない…」

このように年上の部下への対応に困ること、ありませんか?
役職が上であっても、相手が自分より年上の場合
特にその対応には悩みがつきものですよね。

以前の上司が今は自分の部下になった、という方も珍しくありません。
気を遣って注意がしにくいですよね。

経験豊富な年上部下は自我が強い方も多い。
指示を聞かないから強めに注意をする、という方の気持ちも良くわかります。

私自身もかつて、年上の部下を持った経験があります。
20代の頃に親世代の方々をまとめる役職についたときには
とても責任を重く感じました。

「私がしっかりまとめなくちゃ!」という思いから
つい強い口調で指示を出してしまい、
生意気だと嫌われたこともあります・・・


そんな私が自分自身の態度・言葉・考え方を改めた中で
年上部下との接し方には
共通する重要なポイントがあることに気付きました。

今回は、そんな年上部下とどう接すればいいのか
具体的な方法を一緒に考えてみましょう。

年上部下にやっていませんか?3つのNG行動

まずは、年下上司の多くの方がやってしまいがちな
年上部下へのNG行動を見ていきます。
ご自身のこれまでの接し方を確認なさってみてください。

1. 年上の部下を呼び捨てにする。タメ口で話す

役職が上だという理由で、つい年齢を無視して
呼び捨てやタメ口で接してしまう方がいます。

役職の差は、役割の差。
人としての上下があるわけではありません。

上司になった途端に、上から発言をするなんておかしな話です。
呼び捨て・タメ口は、早めにやめることをおすすめいたします。

年齢や経験に敬意を払い、言葉選びをしましょう。
部下は一緒に仕事をする仕事関係者。
友達でも弟子でもありません。

呼び方は「〇〇さん」や「苗字+役職」で呼ぶことで、
相手を大事にしていることが伝わります。

2. コミュニケーションを避ける

「年上だし、どう話せばいいのかわからない…」と、
積極的なコミュニケーションを避けてしまうこともあります。
しかし、コミュニケーション不足は信頼関係を築く上で大きな障害となります。

相手が心を開かないからといって避けるのではなく、
自ら小さな会話や挨拶をして、少しずつ関係を深めましょう。
最初は硬い反応が返ってくるかもしれませんが、
時間をかけて「信頼されている」と感じてもらうことが大切です。

私は社員になったばかりの頃に、
職場のベテランさんに挨拶を無視された経験があります。

はじめは心が挫けそうでしたが、
「反応がなくても自分は挨拶する!」と決意して
毎朝、元気に挨拶を続けました。

やがて相手は根負けし、1か月後には挨拶どころか
普通に会話が出来るようになりました。

挨拶をきっかけに人間関係が良好になり、
お仕事もスムーズに進められたことは言うまでもありません。

3. ダメなところばかりを注意する

上司も部下も人ですから、間違えることがあります。
部下に対してダメな点ばかりを指摘するのは危険です。
「何をやってもダメ出しされる」という気持ちになり、
モチベーションが低下してしまいます。

改善を求めて注意することも大事ですが、
それ以上に日常的に感謝や承認を伝えることが重要です。

日頃、感謝も褒めることもしないのに
ダメ出しばかりしていては人がついてくるはずがありません。

「〇〇さん、いつもありがとうございます」
「〇〇さんのおかげで業務が順調に進んでいます」

最初はぎこちなくても、素直に伝える練習をしましょう。

苦手でも恥ずかしくても言葉にするのです。
部下の方が生き生きと働く職場を作るためですから。

年上部下への接し方のポイントと年上部下への注意の仕方

年上部下の方々との関係を良好に保ち、
成果を上げるためにはどんなポイントがあるのでしょうか。
実践的なステップをいくつかご紹介します。

1. 相手を尊重し、頼りにする姿勢

部下と接する際、一番大事なのは相手を尊重することです。
これは単に敬語を使うということだけではなく、
相手の経験や知識をしっかりと認めることです。

たとえば、会議中に意見を聞く際も
「〇〇さんのお考えをお聞かせいただけますか?」と
相手の見解を積極的に取り入れましょう。

自分の立場を押し付けるのではなく、
相手を頼りにしている姿勢を見せることで、相互の信頼関係が深まります。

2. こまめにコミュニケーションを取る

信頼関係を築くには、日常的なコミュニケーションが欠かせません。
「〇〇さん、おはようございます!今日もよろしくお願いします」
毎朝、自分から笑顔で挨拶をしているでしょうか。

他にも感謝の表現を増やすことも重要です。

例えば、部下から会議の時間のお知らせを受けたら
「わかった、今行く」ではなく
「ありがとうございます!すぐに行きます」と伝える。

部下から資料を渡されたら、受け取るときに
「うん」ではなく
「ありがとうございます!助かります」と伝える。

何気ない返事を「ありがとう」に変えるイメージです。

部下の方に対してだけでなく、家庭や友人関係でも活用したい表現です。

居てくれて当たり前、やってくれて当たり前、
日頃の「当たり前」という感覚を変えていきましょう。

3. 注意の仕方を工夫する

上司の役割として、指導・注意の仕方を工夫することも重要です。
伝え方を間違えると、反発を受けます。

「ここが出来ていない、ここが間違っている、こうすべきだ」
相手にダメ出しばかりしていないでしょうか。

私はダメ出しチェックをすることが自分の仕事だと
勘違いしてしまっていた時期があります。
物凄く反発を食らいました。・・・そりゃあそうですよね。

大事なのは、なぜ指導・注意をしてるのか?

改善してもらい、チームの仕事をスムーズに進めたいからですよね。
そして仕事の先にいるお客様に喜んでもらうこと。

・今を認める
・改善する理由
・未来志向のアドバイス


例えば
「書類提出ありがとうございます。全体として丁寧で見やすい資料です。
この部分を少し改善していただけると、より見やすくなります」

すぐに改善してもらうことが目的ですので、
シンプルに伝えればいいのです。

基本の形は「認める、理由、アドバイス」

例外として、ルールを破る、危険な行為、迷惑行為など
安全安心な職場が乱されるときには、
部下の振る舞いを正すために叱るスキルが必要な場面もあります。

しかし、あくまで例外。
通常業務では「認める、理由、アドバイス」の指導で十分相手に伝わります。

あなたの年上部下との接し方はどう?チェックリスト

あなたは年上部下にどのように接しているでしょうか。
あらためて以下のチェック項目で振り返ってみましょう。
すべての項目に「はい」と答えられたら、
あなたは年上部下にとって信頼される上司になっている証拠です。

年上部下との接し方チェックリスト

No. チェック項目
1敬意を持って接していますか?
・常に敬語や適切な呼び方を使っていますか?
・部下の経験やスキルに対して敬意を示し、発言をきちんと聴いていますか?
2感謝や承認を日常的に伝えていますか?
・小さなことでも「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えていますか?
・成果の認識を忘れずに行っていますか?
3意見を尊重し、押し付けていませんか?
・相手の意見を尊重し、しっかり耳を傾けていますか?
・自分の意見だけでなく、チーム全体の意見を考慮していますか?
4建設的なフィードバックを心がけていますか?
・注意や指摘の際、相手の成長を意識していますか?
・相手を認め、良い点も伝えていますか?
5日常的なコミュニケーションを取っていますか?
・挨拶や軽い会話を通じて、積極的にコミュニケーションを取っていますか?
・メールやメッセージに迅速かつ丁寧に対応していますか?
6部下の強みを活かし、信頼を伝えていますか?
・部下の得意分野や経験を活かした仕事を任せていますか?
・仕事を任せる際、信頼していることを伝えていますか?
7一個人として部下を尊重していますか?
・部下の個性やライフスタイルに配慮していますか?
・年齢に関わらず、相手を仕事仲間・プロとして接していますか?

いかがでしたでしょうか。
これらのチェック項目は、年上部下だけでなくあらゆる部下に当てはまります。
結局のところ、部下の年齢にかかわらず、
相手を尊重し信頼するコミュニケーションは、良好な人間関係の基本なのです。

年上部下を最強の味方にする!

年上部下との接し方は、最初は難しいと感じるかもしれませんが、
上手にコミュニケーションをとれば、とても頼りになり
経験豊富な最強の味方になります。

大事なことは相手を尊重し、認めて、頼りにすること。
それが信頼される上司に繋がっていきます。

今回ご紹介した方法の中で、「これならできそう!」と思うものがあれば、
ぜひ明日から実践してみてください。
すぐに大きな変化は感じないかもしれませんが、
続けることで必ず信頼関係が深まっていきます。

明日からすぐにできる3つの行動
・感謝の言葉を増やす
・積極的に自分から挨拶と会話をする
・1つ相手の良い点を褒める

一緒に挑戦していきましょう!
本日もあなたを応援しております!
では、また次のコラムで(^^)/